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流した涙の訳

作者: テンコウ

僕は幾度となく罪を繰り返して生きてきた。

多くの人を裏切り、悲しませてきた。

およそ「悪」とは僕の生き様そのものを指すのだと思えた。


いつもそんな僕を守ってくれる人たちがいた。

傷つき、苦しみ、恨みもしたであろうその人たちは僕に笑顔で言った。

「頑張りなさい。」

涙が止めどもなく流れ出す。

悔やんだ。

己を憎んだ。

でも生きていた。


僕は三度、大きな過ちを犯した。

過去でも類を見ない罪だった。

およそ「生」を望むにはあまりにも重い罪だった。


その人たちはこんな僕でも三度守ってくれた。

その人たちだけではない、私を守る人がすぐそばにも居てくれた。

「一緒に生きよう。」

涙が再び滝の如く流れ出す。

むせび泣く。

心に誓った。

共に生きていこう。


過ぎ去った時は戻らない。

罪と引き換えに失ったものと同じように。


僕はどう償うのか?

僕は生かされている。

その人たちやすぐそばに居る人、そして僕を三度信じてくれた人々によって。

繰り返す過ちを、罪を、怒りを、憎しみを僕は忘れない。


流した涙の訳を忘れない。

今も心にこだまする。

「頑張りなさい。」

「一緒に生きよう。」


流した涙の訳を忘れない。

明日も僕は生きている。

「頑張っていくよ。」

「ずっと一緒だよ。」


流した涙の訳が僕を少し強くしてくれた。


ありがとう・・・ありがとう。


お母さん、お婆ちゃん、僕の妻・・・


本当にありがとう。



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