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どたばた騒ぎとミッションIN修学旅行~飛行機編~

次の日の朝何かが起きる!!

楽しみにしていたはずの修学旅行が・・・。

 ちゅん ちゅん ちゅん 


すずめの鳴き声と共に起き上がる俺神崎佑介。昨日のミッションの疲れはないようだ。ゆっくりと伸びをして立てかけておいた刀を手に持ちしたに降りる。顔を荒いすっきりするとリビングには守護霊である藍華がすでに朝食の準備をしていた。


「おはよう、藍華。体調の方はどう??」


俺の昨日使った昨日の霊気の斬撃波は藍華の霊気だったからだ。心配するのも無理ないだろ??俺って優しいお兄ちゃん??え??当たり前??そうだよな~~。


そんなことよりも朝食が完成するまでの時間俺は刀の素振りをする。剣道の振り方だけではなく、自己流で抜刀の練習もしている。


しかしよくぶっつけ本番でできたよな~~。俺って天才??え??自惚れるなって??そうですね・・・ごめんなさい。俺がしょげていると藍華が朝食ができたのか元気よく俺のことを呼ぶ。


『お兄ちゃん!!ご飯できたから早く食べよ!!』


「はいはい、了解しました」


俺たちは朝食を食べ終わると学校へ向かった。そういえば今日は生徒会のミーティングだったな。まあ、裏の仕事のほうだけどね・・・。


俺は刀を藍華にもたせて通学する。まさか銃刀法違反はしたくないからな・・・。


そうして学校について俺のクラスに入るとそこには小西さんしかいなかった。彼女以外には誰もいない。


「待ってたよ・・・佑ちゃん」


いつもの笑顔で俺に声をかけてくれる。しかし雰囲気が違う。


「おはよう、小西さん。早いんだね・・・」


「うん・・・、佑ちゃんと話をしたかったから」


がら がら がら 


突然開いてない扉が開けられた。そこには生徒会長がいた。


「あ、会長おはようございます」


俺はいつものごとく低姿勢で挨拶する。しかし会長はただ小西さんだけを見ていた。見ていたというよりも睨んでいるな。ただならぬ威圧感に俺はおされ気味・・・。


「変な結界朝早くから仕掛けてると思ったら佑介君とお楽しみでもしようとしてたのかしら??」


会長は厳しい口調で質問する。


「いいえ、私は昨日の事について少し聞いておきたいことが彼にあったもので・・・」


はきはきとしたいつもの口調ではなく、仕事モードの無機質な声だった。


「それについては松本がすべてまとめてくれている。知りたいことは放課後にしろ。これでは生徒たちが遅刻してしまうぞ」


最後だけは会長は笑って会話をきる。小西さんは仕方がないといわんばかりに顔をしかめて結界をとく。


「結界崩壊」


結界を張るために使われていた御札が青い炎で焼かれて消えてしまった。するとすぐに教室の中に生徒たちがぞろぞろと入ってきた。友達の斉藤(さいとう)(さとし)新部(にいべ)(あきら)加藤(かとう)尚子(なおこ)もいた。教室内には俺と小西さんと会長だけしかいなかった。でもよく見ると会長はいなかった。


(会長逃げやがった!!)


そんなことより、彼らの眼から見れば俺と小西さんが何か卑しいことをしようとしていたのか、はたまた告白していたのではないかと映っているに違いない!!そうに違いない!!それを無視して俺は彼らに挨拶する。


「おはよう3人とも・・・。今日も天気がいいね~~」


確かに快晴である。しかし彼らは誤解していた。否クラス全員がだった。 


「「お前ら2人で何してやがった~~~!!!」」


悟と明が涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔で聞いてくる。


(汚いからまず拭けこのやろう・・・)


「・・・あの~~」


なんだか言いずらそうに聞いてくる尚子。顔が真っ赤だ!!


「桜っちと何かした??」


いやいやいや!!何もしていませんよ尚子さん!!俺はただ2人で世間話をしてただけです。


「休日のデートの打ち合わせか??」


バカの谷川が聞いてくる。お前は本当にバカだ!!俺はまだ小西さんとは付き合ってない!!ただ世間話をしていただけだ。


「それじゃあ桜っち。何について話してたの??」


だからただの・・・。


『黙りなさい!!』


クラスの女子に怒鳴られた・・・。こわ!!何この恐怖・・・。


「聞こうとしたのは私の方なの☆昨日のことなんだけどね・・・。夜に学校であったことについて・・・」


ああ・・・、その「夜」と「学校」という禁じられたワードを使えば最後ですよ~~小西さんって・・・目の前には・・・眼を光らせた女子たちと鬼の形相の男子たち。


がたがたがた・・・、恐怖です。殺される??僕も守護霊にって・・・おわ~~殴るな!!イタイイタイ!!ってどうして小西さんは顔を真っ赤にするのですか??それでは逆効果ですよ!!俺は必死にアイコンタクトで小西さんにごまかすように伝えた。小西さんとフィオネなら俺の意図を完璧に理解してくれるはずだ!!頼むぜ2人とも!!・・・しかし俺の期待は裏切られた。


「大変だったんだよ~~、糸がぐるぐる巻かれてて、何度繰り返しても倒れないの・・・。私限界までがんばったんだけどな~~~。やっぱり最後は佑ちゃんに持ってかれちゃった。テヘ★」


黒いですよ!!黒いですよ!!最後の星がなんだか悪意を感じる黒なんですけれども!!小西さん!!あんたわかっててやってるでしょ!!フィオネも笑うな!!藍華助けてって何怒ってるんだ!!お前は46時中俺のそばにいるのだからこれは嘘だとわかるだろ!!ホレまた火に油を注いじまったって・・・おいおい怖いですよ皆さん。ここは落ち着きましょうってぎゃ~~~。俺の断末魔が学校中に響き渡った・・・。


きーん こーん かーん こーん


そうこうしているうちに放課後になっていたな~。俺は愛華を連れて生徒会室へ向かっていた。


1年生の教室は3階。生徒かいしつに行くには1階の3年生の教室を横切らなければいけない。入学当初は緊張していたが最近は慣れてきた。


がら がら がら


 ドアを開けるとそこには佑介以外の生徒が集まっていた。早いな皆さんって俺が遅いのか??だったら小西さんはいつからここに??俺の後に教室でたと思ったのに。


俺が頭の上にはてなを浮かべていることを無視して会長は早く座るように行ってきた。


すいません・・・。小さくなりながら俺は定位置の席に座る。会長が立ち上がり宣言する。


「それではこれよりミーティングを開始する。松本、報告を頼む」


右隣に座る松本さんに指示する。俺達には松本さんから資料のような冊子が渡された。


なになに??ああ、昨日の悪霊退治についてか。俺は軽くその内容を読んでいく。みなもそのようだった。そうして松本さんがホワイトボードになにやら地図を張りだした。


蒼陽市の地図だった。蒼陽市は日本で最も大きい都市でさらに恐ろしいことに心霊スポットもまた多かった。


「最近ですがここでは悪霊が大量に出現しています。ほかの学校の生徒会も対策に乗り出しているようですが一向に効き目はありません。これが何を示しているのかはわかりませんが、近い上来何か嫌なことが置きそうな気配がします。そのためにはこの異常事態が何を示しているのかを調査する必要があります」


「そこでわれわれで心霊スポットに赴き、何があるのかを調査しにいきたいと思っている。もちろんほかの学校の生徒会の人と一緒にだ」


会長が腕を組みながら話す。花田さんは松本さんが張った地図になにやら印を付けている。

「花田さん??その印はなんですか??」


「は、はい。これはですね皆さんの守護霊が最も負の霊気を感じるという心霊スポットですます。ざっと5箇所ですかねますかね」


変な日本語になりながら説明してくれた花田さん。戦闘中はあんなに強気なのに・・・。


俺の隣の小西さんはなにやら電卓を片手に計算しているところだった。どうやらその5箇所に行くのに必要な金額を出しているようだ。あまりの速さに俺は目を回しそうだ。


その後は普通の生徒会がするような仕事をした俺達。時間が6時になったので帰ることになった。そこに俺は会長に呼び止められた。

「神崎くん、ちょっと話があるから残ってくれないかしら。そんなに時間はとらないから」


俺は分かりましたと3人が帰った後も残っていた。そこに会長とその守護霊のハクがやってきた。


「神崎くん、あなた昨日の戦いで途中気を失ってたらしけども・・・。どうしたの??」


「なんですかね~突然知らない風景が目の前に現れて、阻止寺悪量化していた生徒が現れて・・・それはまだ生きていたときのものでした。なんだか好きな人がいたらしくて、最初は付き合って幸せでしたが、その彼氏が女たらしで振っちゃったんですよ。それがショックだったらしく・・・。そんなことを見ましたね。たぶん生徒さんの記憶だと思うんですけれどもね」


『うむ、お前にはなにやら特別な力がやどっているようだ。それがお前が手に入れたものなのか、それとも守護霊が持ったものなのか・・・。それは分からない。しかしその力はかなり役に立ち。お前はこれから最前線で戦うことになるぞ!!』


俺はその言葉に一瞬ビビッてしまった。それを見逃さないのが会長だ。


「びびるのは仕方がないわね。この前討手になったばかりなのに、いきなり最前線だなんて・・・。死にに行けといってるもんだわ・・・。でもあなたがその力を持ったことは何か理由があるはずよ。だから覚悟を決めて欲しい」


真剣なまなざしで俺を見つめる会長。俺覚悟の前に会長の目に見とれてしまいますよ。そこにばこっと愛華にたたかれた。


『お兄ちゃん・・・またいやらしい眼になってた』


軽蔑するような目で見てくる愛華。おお、マイシスターどうかこんな兄を嫌いにならないでくれ・・・。


くすくすと笑う会長とそんな俺をあきれたようにみるハク。そしてジト目で見てくる妹。こんな風に何も起こらなければいいのに・・・。そんな淡い希望は簡単にくずされる・・・。


そして月日は川のように流れるって明日からは修学旅行だ~。


俺達の学校蒼陽学園高等学校は京都・奈良の日本の歴史に触れる修学旅行を計画していたのだった。


俺の楽しみなのは小西さんとのグループ活動。ほかにも男子や女子がいるけれど俺には関係な~し!!俺は小西さんと一緒にいられればもうしあわっせ~!!わははは~~。

『お兄ちゃんが壊れた・・・グス・・・エグ』


どうしたんだマイシスター。お兄ちゃんはまだまだ健全だぞ~。お~い。


『お兄ちゃんは愛華のことが好きなんだよね??だよね??』


そんなにウルウルさせた目で見られたらいいずらいだろ!!お兄ちゃんは愛華のことが好きだよ(妹として)。


『だよね~♪おにいちゃんが私以外に好きな人ができるなんておかしいからね~』


けろりと機嫌を直してしまう愛華。まったくお前は扱いやすいんだよ・・・。ばれたら殺されるな・・・。


『お兄ちゃん・・・愛華のこと嫌いになったら・・・覚悟してね♪』


はい!!って覚悟してねって怖い表現に♪つけてかわいくするなよな!!余計に気味悪いよ!!


まあそんなことはおいといて、俺はいつもの日課の素振りを終わらせてから床についた。


明日からは修学旅行~ふふ~ふ~ん。こにしさんとあんなことやこんなことって愛華も一緒に来るからたとえできても見られて殺される!!い~や~!!


翌日、いつもの日課を済ませて、前日までに準備していた荷物を持って学校へ向かう。途中幼馴染の斉藤雫に会った。


彼女とは3歳からの付き合いだ。そのときはまだ親が仕事に成功していなかったからいつも家にいたけれども・・・。

まったくあいつら今頃何してるんだか。嫌いにはなりきれない、そんな俺がここにいた。


「な~に1人で詩人みたいになってるのかな??似合わないぞ~」


ばっか、別にいいだろ??と言うかお前と会うのは久しぶりだよな??2年なってから余りあわなかったしな。


「だって佑ちゃん生徒会に入っちゃうんだもん」


別に生徒会のせいじゃないだろ??朝だって今までは一緒に行ってたんだしさ、2年なってから行かなくなったじゃん。どうしたんだ??


「ううん、別になんでもない。でも今日は佑ちゃんに会えたからラッキーだな」

別に俺に会ったからその日がラッキーになるわけじゃ・・・。


「別にいいじゃない♪その人がそう思ってるんだからさ」


まあ、それなら仕方がないよな。


「そういうこと♪」


そうこうしているうちに学校についてしまった。俺達が住む愛知県からヒコーキで行くことになっていた。だからいったんバスで空港に行かなければ行けなかった。


出発まで時間があったので、乗り込んだ後に俺は昨日のことを思い出していた。それは同じ県の有名私立校聖セリーアナ学園。女子高だ。ってなんで俺以外の戦う人って女の人なんだ??


「私は聖セリーアナ学園生徒会会長峰岸(みねぎし)脩子(しゅうこ)です。そしてこちらが副会長木村彩香」


「副会長木村彩香です」


「わたしたちはあなたと同じく片腕を失いました。そしてこちら私の守護霊伸介です」


そこには中年の男性がいた。黒いコートを羽織ってこちらを一瞥し、口を開く。


『なんだよく見ればただのガキじゃねえか!!俺は手っきり女の子が来てくれると思ってたのに』


なんだこいつは??ただの女たらしか??そういえばこの前の悪霊化した原因も女たらしの男だったよな。何だよお前は、別に俺だってお前なんかと会いたくなかったさ。俺はこちらのきれいな女性方とお話できればよかったんだ。


『んだとガキが!!』


ぶった切るぞ守護霊風情が!!


「まあまあ、落ち着いてください。これでは話が進みません」


すんません。取り乱しました。


『フン!!』

なんだこいつ~~、そっちから振ってきたくせに~~。俺は怒りを何とか抑えて話を聞く。


「ここ愛知県には5つの強力な霊的スポットがあります。それらに取り付く親玉と言えばいいでしょうか。討伐することができれば何とかできるはずです」


副会長の木村彩香が懇切丁寧に教えてくれた。あ~、ありがとうございます。このいただいた資料はこちらでも利用させていただきます。


「それと・・・」


生徒会長峰岸(みねぎし)脩子(しゅうこ)さんが続けてきた。


「あなたたちが今度行く修学旅行なんだけれども、京都奈良にもいくつか強力なところがあるからそこに行って討伐してきてほしいの。わたしたちの学校もそこに行くはずだから。私たちの仲間ともうまくやってね。みんな女の子だから。あなただけが頼りなのよ♪神崎佑介君」


思わず鼻血が出そうになりました。わかりました俺神崎佑介が皆さんに危害がないように精一杯頑張ります。


『ふん、こんなひょろっこにできるわけ『できるよ!!なんだって私のお兄ちゃんなんだから!!』『そうよ、唯一の男の子なんだから、頑張ってくれるわよ』ふん!!』


突如現れたのは彩香さんの守護霊。


『椿です。よろしく』


和服を着込んだ平安美人だった。そうこう回想してるうちに眠っていたようだ。俺達は空港へ向かっていた・・・。


現在飛行中であります。忌まれて初めての飛行機に俺も愛華も興奮を隠しきれなかった。


『お兄ちゃん、家があんなに小さく見えるよ』


ああ、そうだな。空から見れば俺達はちっぽけな存在だな。


『お兄ちゃんも感慨にふけってないで外見ようよ』


ああ~、ちゃんと見てるさ~。富士山が見える~。

『わ~、大きいね~』


「佑ちゃん楽しそうね」


ああ、菜月か。こいつも俺の幼馴染の龍坂(たつさか)()(づき)。こいつも俺が3歳の頃からの付き合いで、何かとちょっかいかけてくる。

「京都・奈良にはどこ行くの??」


金閣・清水寺・平城京跡・平安京跡・清明神社かな。


「結構いいところいくんだね。それに幽霊スポットの行くんだね」


幽霊スポット・・・そうだ。俺らが行くのは全部悪霊が住み着いているらしいところ。


さらにそこが親玉たちの隅かともうわさされている。負の力の中心となっている蒼陽市に攻めてこられたら・・・。


俺達どうなっちゃうんだろ・・・。それより人間生きてるかって話・・・。ああ・・・俺責任重大!!頭痛い・・・。


「佑ちゃんそんなに心配しなくてもいいんだよ」


いつものさわやかな声で話しかけてきたのはちょうど後ろに座っている小西さんだった。どうやら近くにいるフィオネが俺の気持ちを感知して、小西さんに伝えたのだろう。ありがとうフィオネ。グッジョブ!!


「どうしたの佑ちゃん??落ち込んだり、青くなったり、嬉しそうになったり。大丈夫??」


大丈夫です小西さん。あなたの笑顔が俺にとっては万能薬ですから。


「私も加勢するから大丈夫だよ」


『私だってお兄ちゃん守れるもん』


『くくく、妹ちゃんが嫉妬しているぞ、桜』


「愛華ちゃんかわいいね、大丈夫だよ。お兄ちゃんは取らないから」


がーん!!俺撃沈??片思いは終わった??

『やったー、お兄ちゃんはずっと愛華と一緒だ~』


「今はね・・・」


『??何か言った??桜~』


『どうしたのです??桜。顔色が優れなさそうですが・・・』


「大丈夫だよ。ほら、いつもの笑顔~」


あ~その笑顔を独り占めにしたかった~。


「佑ちゃん!!私をほうっておくとはいい度胸ね・・・」


ぎゃ~菜月!!そんなに怒るな!!落ち着けまず。


「私はいたって冷静だよ??」


そんなわけないでしょ!!あなたがニコニコしながら迫ってくるときは決まって俺にとってはよくないことが起こるんですよ!!


「覚悟~!!」


ぎゃ~!!っとなんだ??いつまでたっても襲ってこないので俺はつぶった目を開けてみると・・・。


「!!これって・・・」


止まっていた・・・。時が止まっていた・・・。


『お兄ちゃん??』


愛華も困惑している。俺は愛華を傍に抱き寄せる。何でこんなときに顔赤くするんだよ!!


『お兄ちゃんが大胆だからだよ!!』


こんなの大胆にも入りません!!

「フィオネ??これは一体・・・」


『おそらくこの飛行機に取り付いて悪霊でしょう。このままではいずれ時間は動き出すかもしれませんが・・・墜落は確実です!!』


どういうことだ??


『これに取り付いたのはかつて飛行機事故でなくなった人たちの霊です。すでに悪霊化してるのでしょう』


「確か・・・飛行ルートに心霊スポットがあった」


そうなんですか??小西さん。


「ええ、数年前に飛行機墜落事故で出来上がった巨大なクレーターがあるの。そこによく霊が出るそうで、行ったものは必ず乗り物事故に遭っている。これらはすべて、悪霊のせいだ」


わ~ん、また小西さんが人変わっちゃったよ~。ってそれよりどうすればいいんですか??


「ここに花田先輩から借りてきた御札があるからこれを遣って悪霊たちを誘き出す。その後はやつらを討伐すればいい」


了解しました!!愛華!!


『了解、お兄ちゃん』


そういうと愛華は俺に刀『牙狼丸』を渡した。うん、今日も右手のしっくり来る。


「それでは行きます」


ああ・・・無機質な小西さんに声が飛行機内の木霊する・・・。数枚の御札を周りに投げる。すると次の瞬間俺達は恐怖のどん底に落とされる・・・。


「なんなんだよこいつら・・・」


俺達の目の前に現れたのは原形をとどめていない人間だった悪霊たちだった。それもものすごい数だった。


こんなの相手できるのか??2人だけで・・・。


「小西さん、どうするんですか??こんな数じゃ俺達だけじゃなんともなりませんよ」


「こんなところであきらめてたら立派な討手にはなれない」


無機質な声が放たれる。俺は別に討手になりたかったわけではない。


「それに全滅させなければ生者の魂が食われてしまい、やつらの仲間になってしまう。それでも佑ちゃんは戦わないのか??」


そんな・・・ここにいるみんなは修学旅行を楽しみに来てたのに・・・こんなやつらに潰されていいはずはない・・・。


「愛華・・・力を貸してくれ・・・」


『オッケー。お兄ちゃんの言うことなら何でも聞くよ!!』


ははは、それはどういうことかな??俺は刀を受け取り構える。小西さんもすでに構えから走り出していた。悪霊の数は・・・。


『100体です!!』

小西さんの守護霊のフィオネの声がする。どうやら計算してくれていたようだ。まあ、小西さんの計算能力は生徒会でも活躍しているからな。


「よっしゃー、俺がまとめて手前らを救ってやるぜ!!」


俺は駆け出して愛華の生の霊気を刃に滑らせ、悪霊たちを切っていく。


・・・


どれくらい経っただろうか・・・。俺と小西さんはすでに体力の限界だった。何とか半分倒せたが、まだまだごちゃごちゃいやがる。これじゃあ限がねえ。


「ここは1発あれをぶちかますか??」


しかしあれは愛華に対するダメージも大きい。半日は休んでいないと回復しないくらい大量の霊気を消費する。しかし・・・この状況を打破するにはそれしかないのではないか??俺が悪霊たちが迫っている中迷っているのを小西さんは・・・。


「それでは私も加勢するよ、佑ちゃん」


無機質な声で頼もしいことを言ってくれる。しかし小西さんには俺と同じようなことはできるのか??そんなことを考えていると。


「私の刀だって佑ちゃんとどうクラスの業物だよ。できないわけないよ」


おお~なんと頼もしいことを言ってくださる。それなら俺は半分の力で放つことができる。


「私と同時にはなってくれる??」


お安い御用ですよ小西さん。愛華に確認を取ると愛華もそれに賛同してくれた。何度も愛華ばかりに負担かけたくないからな。


「フィオネ!!」


小西さんが守護霊のフィオネを呼ぶと、戦っていたフィオネは自らの剣と同化して小西さんの目の前に突き刺さった。


でもよく見ると剣の刃だけが残っていた。小西さん!!刃だけじゃ何にもできませんよ??


「心配は要らないよ、佑ちゃん」


そう言って自らの刀を1度鞘に戻し、再びぬくとそこには柄だけが残っていた。刃が消えていたのだ。一体なんなんだ小西さんの刀は!!


『フィオネはきっと同化能力を持つ守護霊なんだよ。きっとあれがフィオネの特殊能力。そして私の能力は悪霊たちの悪量化した原因を知ることができる能力。それがこの前発動したんだよ』


なるほどな~。それで納得。それじゃあほかにも色々な能力をもつ守護霊がいるんだな。


『そうなるね。それよりお兄ちゃん。そろそろだよ』


哀歌の言葉に俺はすぐに反応し、鞘に刀を納め、抜刀の構えに入る。


「我と契約し守護霊の名はフィオネ、我の刀と同化し、悪の根源悪霊を滅する力をわれに与えたまえ!!」


かっまばゆい光が機内に放たれる。俺も目をあけていられなくて思わずつぶってしまう。そして光が収まった目の前には青く輝くレイピアを握った小西さんがいた。あれはフィオネがもっていたものと似ているが柄は日本刀だ。空中に浮いている青い発光体を破壊するとそれは霧散した。


「霊剣・『竜神丸』」


あれが小西さんの武器の本当の姿。青く輝くレイピア。一体どんな力が秘められているのだろうか。


そんなことを考えていると小西さんはすぐに突きの構えを取る。俺もあわてて精神を集中する。


悪霊はすでに周りの生徒は無視して動いている俺と小西さんにターゲットを合わせたらしい。ゆっくりと近づいてくる。聞こえる・・・。彼らの声が・・・。


「たすけて~」「熱いよ~」「痛い!!腕が~腕が~!!」「ママが~!!パパが~!!うわ~ん」「操縦不可能!!うわ~~」「落ち着いてください!!きゃ~」「いたい、冷たい」声が混じって聞き取れないものもある。


「でもよ・・・」


俺はかっと目を見開いた。愛華の霊気を刀に乗せて。


「俺がお前らの魂を・・・」


小西さんも突きを放った。俺も神速の抜刀をした。


「俺がお前らの救われなかった魂を救ってやる!!」


刀からは白い・・・銀色の波動が繰り出された。レイピアからは青い槍状の光が放たれた。それらは悪霊たちを飲み込み、突き刺す。


「白銀狼斬!!」「蒼槍竜雨!!」


悪霊たちの最後の叫び声が、時間の止まった機内に木霊する。そして、死の直前の姿となり、俺達を一瞥し消えていった。


小西さんの隣には激しく疲労している騎士のフィオネがいた。俺の隣には同じく疲労している妹の愛華がいた。前よりは軽そうだが、それでもきついらしい。


「お疲れ愛華。今回も大変な目にあわせてごめんな」


『大丈夫だよ。お兄ちゃんを守るのが私の役目だから』


そうだなっと心の中で言いつつ、笑顔を返す。きっと愛華ならわかるだろう。証拠に笑い返してくれた。


「これから会長に連絡し、事故現場の除霊をしてもらえるように言っておく。佑ちゃんはもう休んでいいよ。時期に時間が戻ると思うから」


そう言い残して小西さんは後ろに消えていった。その後時間は動き出して、一件落着に終わった。しかし俺達は気づいていなかった。すでに1人魂を食われた人がいたなんてことを・・・。


後日談だが例の事故現場の除霊は花田さんの知り合いの人がやってくれたそうだ。俺達の楽しい修学旅行・・・今後どうなるのか・・・。今はゆっくりと眠りたい。京都まであと1時間・・・。



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