ファイナルミッション~四聖封陣にて悪霊王を討伐せよ~
最後の戦い・・・。
最大封印攻撃・・・。そして後ろからは最後の戦いに終止符を打つための役者たちがやってきた。
「佑介・・・俺もユベルから聞いた・・・やるんだろ??俺達の連携攻撃!!」
圭吾が走ってきた。体中が傷だらけだ。俺が寝ている間に戦っていたんだもんな。
「すまない・・・。俺が勝手にあきらめちまってたから」
バゴッ!!
俺は殴られた。
「いてえ・・・」
「痛いだろうな・・・」
俺は頬を押さえながら見上げた。そこには怒っているようでうれしそうなな顔をした圭吾がいた。
「俺達はお前が寝ているときも戦っていた。俺達はあきらめなかった」
そうだな・・・だからそんなにも傷だらけだもんな・・・。
「それに俺達はもう一度お前が立ち上がることを期待していた」
え??
「お前だったら・・・きっと立ち上がってくれるだろうって・・・生徒会長さんたちが言っていたんだ。それにキザな男やかわいい女の子もそんなことを言ってたぞ」
生徒会長・・・輝弥・・・美野里・・・。
「殴ったのは勝手にあきらめたからだ。謝らないからな」
ああ、別にいいさ。俺の責任だからな。
「まったくあなたには失望しましたよ・・・佑介さん」
拓斗・・・。
「しかしそう言いつつも戻ってくるとはまったくあなたは何者ですか??」
眼鏡をあげながら聞いてくる拓斗。俺はただの討手さ。
「それでは準備にかかりましょう。長引けば悪霊が増えてしまいますからね」
そうだな、始めるか。
「佑介くん・・・」
紗江子・・・。
「圭吾くんが殴ってくれたから私は殴らないけど言わせて・・・」
・・・
「バカ!!」
そういわれて当然だな。ごめん。
「でも・・・お帰りなさい」
・・・ただいま。
俺は立ち上がると刀を出した。皆もそれぞれ武器を出していた。
「やり方はわかりますね??」
癖なのだろう、拓斗がまた眼鏡をあげながら聞く。
ああ、みんな聖獣から聞いてるからな。圭吾や紗江子も同じだった。
「では、それぞれの持ち場に行ってください。チャンスは一度きり」
俺達が走り出そうとしたら。
「君たち・・・」
リーダーだった。
「悪霊たちはぼくたちでなんとでもなります。君たちの邪魔をさせないよう食い止めますから君たちに世界を託します」
分かってますよ。そちらこそお願いします。
「佑介くん・・・」
生徒会長??
「桜ちゃんをよろしくね」
分かってますよ・・・。またみんなで生徒会しましょう。
俺達は走った。世界を守るために。
悪霊王はすでに高みの見物状態だった。俺達はそれを確認しつつ東西南北についた。
「一体人間どもはいまさらになって何をしようと??くずが集まってもくずの塊にしかならないというのに」
悪霊王は高笑い。しかし俺達は動じない。見てろ・・・いまからお前がくず呼ばわりした人間があっと驚くことをしてやるぜ。
「「「出でよ!!青龍(朱雀・白虎・玄武)!!」」」」
俺達の隣には聖獣が現れた。
いくぞギン・・・。最後の戦いだ。
『我は主とともに生きる・・・』
行くぞみんな!!
「人の心の闇より生まれ」
圭吾が詠唱を始める。朱雀の姿が赤い球体に変わる。
「人の心を食らうもの」
拓斗が詠唱を始める。玄武の姿が緑の球体に変わる。
「陰と陽との調和に元に」
紗江子が詠唱を始める。白虎の姿が白い球体に変わる。
「我らの手にて無に返す」
俺が詠唱を始める。ギン・・・青龍の姿が青い球体に変わる。
「これはなんだ??」
悪霊王が焦っている。球体たちから出た糸状の閃光がそれぞれの球体を丸くつなぎ。円陣を描く。そして最後の詠唱を叫ぶ!!
「「「「悪霊!!滅すべし!!」」」」
円陣がいきなり上空へ一気に上がり、悪霊王をその中心に置く。
「何だこれは!!動けぬ!!」
刀を振るも浄化のスピードが速いため負の霊気は出てこない。
「チクショウ!!くずの集まりのくせに!!」
お前はそんなくずの集まりに負けるんだ!!4体の聖獣が悪霊王を貫く。4色の光が混ざり合い、闇を浄化していく。
「「「「四聖封陣!!」」」」
「ごがああぁぁぁぁっぁあ!!」
悪霊王の最後の悲鳴が響き渡る。闇が浄化される。それを覆っていた闇もまた晴れ渡る。そして小西さんの隣にはどす黒い球体が浮遊していた。
「あれが本体だ!!」
リーダーが叫ぶ。
「佑介行くんだ!!」
圭吾が叫ぶ。
「行ってくださいよ」
拓斗がいう。
「お願いね」
紗江子が言う。
『行くか、我が主よ』
ああ、行こうぜギン・・・。あいつを討伐しに!!
「あのれ~人間どもめ!!長年の願いはもうすぐそこだというのに!!」
「お前には何年かかっても無理だろうぜ」
俺は駆け出す。
「こしゃくな~!!先祖同様に我の邪魔をしよって!!」
「そういうお前だって先祖同様に思い人に手を出しやがって!!」
「ならば貴様を殺して、この世界を我のものに!!」
「それはさせない!!」
俺は刀を腰の鞘に納めて跳躍した。皆の思いを力に変えて・・・。思い人を助けたいと思う気持ちを力に変えて・・・。
『あっはっは、いまこそ新の力を解放するときです』
清明・・・。来てたのか??
『私は幽霊ですよ??どこへでも行けますって』
ならば見ていろ!!俺が先祖と同じ運命を歩まないということを!!
『拝見させていただきます』
「しねー!!」
悪霊王が突っ込んできた。そして俺は抜刀を開始する。あの時初めて刀を手にしたときから練習してきた抜刀だ。
「咲き乱れ、宙を舞え!!開桜・龍の舞!!」
どこからか桜が現れる・・・。俺はその中をただ神速で駆け抜ける。そして・・・。
「はああぁぁぁっぁあ!!」
抜刀!!
俺は悪霊王の後ろにいた。空からはなぜだか季節はずれの桜が降ってきた。
「・・・この世はままならぬな」
「あんたはもっとましな生き方をしな・・・。来世でな」
「ようやく昇天できそうだ・・・」
そして最後に聞いたのは。
「ありがとう」
まさかの悪霊王からの言葉だった。やつは笑顔を俺に見せながら消えていった。どうやら昇天したようだ。以降からはみんなが走ってきた。
「やったな佑介」
圭吾が開口一番。
ああ、まったくもって疲れたよ。
『おにいちゃ~ん!!』
俺はいきなり現れた愛華に抱きつかれた。なんでお前がいるんだ??
『なんだか悪霊王がいなくなったらいつの間にかここにいたんだよ』
まったくもって意味が分からない。
「ほかの悪霊たちも悪霊王がいなくなったことで消滅しました。まあ、またどこか出会うとは思いますけどね」
拓斗・・・。ははは、いまはゆっくり休みたいよ。
「さすが佑介くん!!先祖同様にやってくれたね!!」
お前は元気そうだな紗江子。
『あっはっは、さすがの一言に尽きますよ佑介くん』
清明・・・。皆突然現れた清明にびっくりしていた。
『あなたは魂を消費することなく、霊気のみでやつを倒しました。それも皆の力を合わせたからでしょうね』
それは否定しない。みんながいてくれたから俺は最後に決められたんだ。だから俺が言うことは。
「みんなありがとう」
その日、世界に平和が戻った。
次回最終回!!
コメント待ってます!!