対峙~巡る輪廻~
「はああぁぁぁぁ!!」
「おのれえぇぇぇぇ!!」
俺と悪霊王の刀がぶつかり合い、火花が散る。相変わらずの速さと強さを突きつけて来る悪霊王。しかし、徐々にギンの力を解放する俺も何とかついていく。
「この人間ふぜぇがあぁぁぁ!!」
切れる悪霊王。刀からはどす黒いオーラが放たれる。俺はそれを正の霊気で切り裂く。しかし相手はこんなことでは潰れない。次々と闇の中から悪霊たちを呼び寄せる。このままじゃ、邪魔になって切り込めない。
『我が主、我を使え!!』
ギン・・・よし行くぞ!!
「くらい尽くせ!!聖獣召還!!」
ギンが刀から召還され、悪霊たちを食らっていく。道ができた!!
「食らえ!!」
正の霊圧を斬撃波として飛ばす。それをオーラで防ぐ悪霊王。まったく隙がない。
「ほれほれ、どうした??先ほどの威勢はどこに行ったのだ??」
俺を挑発しようってか??
「今からやってやるよ!!」
再びギンと同化させた刀を叩きつける。ガギン!!と大きな音が響く。
お互いが勢いで後方へ飛ぶ。あたりの木々はなぎ倒され、草は枯れ果て、土はえぐられ、まともな足場がほとんどなかった。
「そろそろころあいといったところか・・・」
にやりと笑う悪霊王。一体何をたくらんでやがる。
「この世を統治するものとなる我に従う僕よ!!今ここに現れん!!」
突如として黒い空に渦が起こった。なんだか嫌な感じがする。
「!!」
俺が見たものは・・・真っ黒い龍だった。
「我が僕黒龍・・・。かつての戦いはここで終わったのだ。しかし貴様には力はない。ここで輪廻を終わらせる!!」
黒龍が口を開く。俺も負けじと刀に霊気を集める。
「黒咆哮!!」
龍の口から負の霊気が吐き出された。そして俺も一気に刀を振るう。
「銀龍の咆哮!!」
ギンを召還し、その口から銀色の正の霊気が吐き出されぶつかり合う。
力と力のぶつかり合い。そして黒と白の閃光がほとばしる。
「く・・・どうなったんだ??」
俺はしばらくしてから目を覚ました。そして見た光景は・・・。
「ギン・・・」
体の半分を持っていかれたギンの姿だった。もちろん黒龍も大きなダメージを追っていたがギンよりは軽かった。
『我が主・・・。主だけではこいつには勝てん』
息もたえだえのギンが話す。お前はいったん刀にもどれ。回復させる。
『こいつはかつて戦ったときよりも力を増している。あの時だったら今ので倒すことはできただろう』
そして空を見上げて俺は絶句する。
「何だってこんなときに・・・」
無数の悪霊たちの集団が向かってきていた。
「はーはっはっは、この世は我のもの!!存分に喰らいつくせ!!我に従うものたちよ!!」
悪霊王・・・貴様・・・。
『やるしかないぞ我が主・・・』
やるって何をだ??
『我ら四聖獣を使った最大封印攻撃・・・その名を四聖封陣・・・』
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