ミッション~恋した悪霊を救え~玄武の力
いよいよ最後の戦いが近づいている。
俺達を乗せた大型車は公園に向かって走っていた。リーダーが悪霊についての説明をしてくれていた。
「まず対象の悪霊は最近ここに来たらしいね」
最近死んだ日とか、それとも悪霊に魂を食われたってことですよね。
「ああ、それに悪霊とは死ぬまぎはに抱えている思いによってレベルが変わるんだ」
圭吾が教えてくれた。なるほど、人生に疲れた人はレベルが低いのかな。
「そうなるね、最も思いに関係するのは恋愛関係だっていう結果が出ている」
拓斗がパソコンの結果を俺に見せながら言う。確かにそうだった。
「恋愛にはいろんな感情があるからね。白いものもあれば黒いものも・・・」
紗江子が言う。表情が優れないことからこいつは恋愛経験者かな??
「私じゃないの。お姉ちゃんがね、こうなったのは振った彼氏が恨みから悪霊化したことが原因なの」
なんて勝手なやつなんだ。俺はそれによって悲しい思いをした悪霊をもう見ているからそれに関しては頭にきていた。
「説明を続けるけれど、性別は女。まだ若く、高校生ぐらいじゃないかな??詳しい目撃がないからあいまいだけれど。間違いなくレベルはAだ。皆心してかかってくれよ」
『了解!!』
そして公園に近づくにつれて空気が重くなってきた。相当負の力が強いらしい。
ききぃい!!
車が止められ俺達は配置に付く。ゆっくりと公園内に侵入する。人は誰も着ていない。危険警報を発令していたのだった。
「おっし、俺が先頭で行く」
がっちりとした筋肉男が言う。メリケンサックに力をこめて進んでいく。どうやらあれに霊気をこめているらしい。
どどどどぉぉぉぉん!!
いきなり爆発が目の前で起こった。爆風で俺達は後方に吹き飛ばされ、何とか着地に成功する。目の前には・・・。
「小西・・・さん・・・」
和服姿で変わり果てた姿で立っている小西桜が立っていた。手には漆黒の日本刀。彼女の足元には魂を喰らいまくってからだから魂の形として人間の形がくっきりと体中から見えるあの時封印し損ねた鬼がいた。更に子に資産の隣には彼女と同じ石を額に埋め込まれた少女が立っていた。彼女にも見覚えがある。そして思い出がよみがえってきた・・・。
『まってよ・・・!!』
『あはは、佑ちゃん早く!!』
俺とその女の子がここではしゃいでいる。両親がまだいた頃の記憶。親同士仲が良かったので俺達も自然と仲が良くなった。
『今度は何して遊ぼうか』
『う~ん、おままごとは??』
俺が何やるか聞いて、その子はおままごとと言った。その後変えるまで延々とおままごとをやっていた気がする。そして最後に彼女は行った。
『ごっこじゃなくて本当にこんな生活できたらいいね』
『僕なんかでいいの??』
『佑ちゃんだからだよ??佑ちゃん優しいから』
俺はその時顔を真っ赤にしたように思える。
『僕も将来結婚したい』
『それじゃあ約束ね』
女の子がにっこりと笑いながら小指を差し出してきた。俺もそうした。
『約束だね菜月』
思い出した!!あそこにいるのは俺の幼馴染だ!!
「なんでお前がそこにいるんだ!!」
俺の顔色は最高に悪かったに違いない。だってそこにいるのはまったく関係のない高校生なんだぞ。
「あれ??佑ちゃん??」
小西さん・・・じゃない・・・神崎千晴が言う。
「なんでそこに菜月がいるんだ!!答えろおぉぉぉぉぉ!!」
俺はその場で絶叫した。
「あっはははぁぁぁっぁあははは!!それはだね佑ちゃん。飛行機の中で運悪く菜月が魂食われたらしいよ~」
そんな・・・あのときに・・・??
「それにあの時近くにいたのは私。すでにあのときから入れ代わりが進んでいたのだよ。あなたを落とすには知り合いがいいと思ってね。この子の君に寄せる気持ちの強さには驚いたさ~」
お前・・・そんなことのために俺の幼馴染を危険な目にあわせたのか??
「なんだかんだいって佑ちゃんが一番危険だからね~。肉体的よりも精神的な部分から崩すのが手っ取り早いと思ってね~」
そんなことのために菜月を利用したのか!!ふざけるな!!俺はすでに切れていた。しかしかけださなかってのは家尾後が俺の腕をつかんで首を横に振っていたからだ。
「ここでうかつに出るのは危険だ。怒るのはわかる。俺だってそんなことされたらお前と同じになるだろう。だがジジは冷静になるべきだ」
すまない圭吾。助かった。
「そんなにかしこまるなよ。俺達は仲間だし、友達だ」
そう言って圭吾は笑う。俺も笑い返す。少し余裕ができたようだ。
「悪霊王よ、貴様はここで何をする気なのだ??」
筋肉男が言う。彼は熊山と呼ばれているらしい。
「貴様らが私の用意した子供たちを殺したのは」
悪霊王の顔が怒りに支配される。
「これがわれわれの仕事だからだ。貴様ら悪には負けない」
「ぎはははっはは、これは愉快だ!!どこまで私に反抗できるか見届けてやる!!」
そう言って悪霊王は手を前に出し。
「相手をしておやり!!菜月!!」
ふらふらと前に出るのは感情が欠落した夏樹だった。同じく和服姿に変わっている彼女だがいったい何の関係があるのだろうか??すると彼女の手にはどす黒い短剣が握られていた。空中に無数に浮遊しているのだ。こんなのありか??
「レベルAだよ」
拓斗が言う。あれだけ思いオーラ出してんだからそれくらいは強いだろうな。
「いけるの??幼馴染なんでしょ??」
紗江子が俺のことを心配してくれたのか話しかけて来てくれた。ああ、確かに躊躇しそうになるが、それじゃああいつを救えないからな・・・。ここは心を鬼にしてぶった切るしかない。
「全員戦闘準備!!」
「準備!!」
若く色黒の双子の執事服の男が行った。兄の祐一と弟の祐二だったかな??
「突撃ぃぃぃぃ!!」
リーダーの声に俺達は駆け出した。
「闇へと誘え・・・闇雨!!」
無数の短剣が空中から降ってきた。そこに。
「ここは僕の出番かな」
眼鏡を上げながら前に出たのは拓斗だった。手を上に突き出し言う。
「我と契約し玄武の力・・・。われとわれの守りたいと思う人々を守りたまえ・・・。出でよ絶対の守護聖獣玄武!!名はボルグ!!」
ずっしいいいぃぃぃぃん!!
大きな何かが現れる音がした。てっきり短剣の雨が刺さったのかた思ったが、目の前には・・・。
「でけえ・・・」
巨大な亀の怪物がいたのだ。否よく資料とかで出てくる玄武の姿だった。その玄武が短剣をすべて防いだのだった。そのおかげで俺達は全員無事だった。
「防御と後方支援は僕に任せてください」
淡々と言う拓斗だがこれほどの防御力があるとは感心してしまう。
「よし行くぞ!!」
俺は駆け出した。
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