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ミッションIN修学旅行~清明神社編~

バスやら徒歩でやってきたのは清明神社。同級生とははぐれてしまい、電話でどうせならもう自由行動してしまおうということになり俺達8人は清明神社に来ていた。相変わらず小西さんは気を失ったままだ。中には多くの観光客がいて賑わっていた。


「こんなところにも悪霊が住み着いてるのか??ここ陰陽師がいたところだろ??」


「確かにそうですね。ここに悪霊はいますがそれは封印されたものです」


「封印??」


「ああ、安部清明が命を賭けて封印に成功した悪霊がここ清明神社にいるらしい」


『僕チンが調べたんだけどね、あそこにある大きな岩に封印されてるらしいよ。岩に色々と御札が張られてるからね。でも長い年月をかけて毎回貼られていた御札も陰陽師がいなくなってからはお粗末にされているらしいよ』


『だからいつ封印が解けてもおかしくないの。それももうすぐとかれる可能性もある』


「どうしてそんなことが分かるんだ??」


「あれを見てみろ」


輝弥の言葉に俺は振り返る。岩に張られているのはたった1枚のぼろぼろの御札。


「あれが剥がれたら・・・」


『きっと悪霊が復活するよ・・・お兄ちゃん』


愛華が不安そうな顔で言ってくる。そうだな、何とかしなきゃな。


「それにしてもどうするんだ??」


「やることは1つだよ」


「あれをはがして俺達が殺すまでよ」

あっさりと恐ろしいことを言ってくれますね。そんなことが可能なのか??あの清明でさえ命賭けたんだろ??そんやつに俺達ガキがかなうのか??


「俺達はこのために来たんだ」


「怖いんだったらそこで見ててね。私たちでやるから」


なんだよ・・・。お前ら怖くないのか??死ぬかもしれないんだぞ!!


「怖いさ!!逃げ出したくなるくらいにな!!それでもやらなければいけないことはあるんだ!!それをいい加減に見極めろ!!それでも力を持つものなのか??お前は俺達の持つことができない龍の力を持つ。そんな力があったなら俺が『ガイア』に入ってるぜ!!お前は今みすみす倒すチャンスを逃し、多くに人たちを悪霊化させる気なのか??どうなんだ神崎佑介!!」


『お兄ちゃん・・・』


愛華は俺の傍にいてくれるか??怖いんだ今めちゃくちゃ・・・。


『私はお兄ちゃんの守護霊だから当たり前だよ』


そうか・・・。ありがとう。それなら俺がやることは初めからそれしかなかったってことだよな。


『汝力を求めるか??』


くれよ力を・・・。この世界の人々を守るための力を・・・。そして愛する人を守るための力を!!


ごろ ごろ ごろ ピッシャーン!!


突然晴れていた空に雷雲が現れ。狙ったかのような雷が封印の岩に激突した。そして悪夢の始まりだった。


「封印の御札が・・・」


炎で焼かれて灰になった・・・。そしてこの世の叫びとは思えない声が響き渡る。観光客は驚き逃げ惑う。そして岩が崩れ下から現れたのは鎖につながれた大きな鬼だった。


「うぉぉぉぉおぉぉ」

鬼は叫び声を上げて、封印の道具の1つだろうか、鎖を力任せに引きちぎろうとしていた。


「いくわよ!!」


『了解!!お姉ちゃん』


美野里の声に反応する守護霊の小百合。光り輝く弓矢と同化した。彼女は鬼に標準を合わせて矢を放つ。


「炎魔の矢!!」


矢が刺さったところから紅蓮の炎が噴き出し鬼を焼いていく。


「俺も加勢するぜ!!」


『僕チンもやるよ!!』


輝弥とその守護霊の裕が鬼の前に立つ。


「式神・狼!!」


紙から出てきたのは真っ黒な狼だった。それは鬼に向かって突っ込んでいき、首の辺りを噛み切った。


「おおぉぉおぉっぉぉぉ」


どうやらあの鎖でほとんど力が制限されてしまってるらしい。今回は楽勝と思っていた。俺達6人は・・・。


正直に言おう・・・甘かった・・・。清明神社には俺と輝弥しか立っていない。先ほどまで一緒に戦っていた美野里は精神力の限界で倒れてしまった。俺の刀もすでに折れる寸前。輝弥の式神も次々と破壊されていく。


「くそ!!強すぎる!!」


輝弥がとうとう痺れを切らした。落ち着け輝弥!!こんなところで切れてたらやつの思う壺だ。


「バカいってんじゃねえ!!あいつの封印は完全に解かれちまったんだ!!あんな強力なやつはな、封印がまだ聞いているときに一気に倒さなきゃいけなかったんだ!!」


俺達の力が足りなかったのか??


「そうだ・・・。俺達だけで倒せるレベルじゃなかった・・・レベルAだなんて・・・」


『輝弥!!僕チンももう長くは戦えないぞ!!』


「分かってる!!もう少し付き合えよ裕!!」


『承知した!!』


そう言って再び式神を召還する輝弥。しかしすぐさま爪で切り裂かれて消されていく。


「くっそー!!」


俺も霊気をともわせた刀を構えて特攻をかける。きしきしと刀が泣いているのが感じられる。痛いだろう・・・ごめんな・・・。


「うおおぉぉぉぉ」


俺は思いっきり刀を振り下ろす。ガギンと硬い体に阻まれる。もう何度目だろう。美野里の弓矢も刺さらないくらいの硬さ・・・。絶対防御・・・。清明はどうやって瀕死に近づけたんだ??


『お兄ちゃん!!』


俺が愛華の言葉に気づいたときには俺はすでに宙に舞っていた。どうやら腸を切られたらしい。鮮血とともに木の葉のように舞、そして地面に叩きつけられた。


「佑介!!」


輝弥の声が遠く聞こえる・・・。ああ・・・輝弥も殴られたようだ・・・。俺達負けるのか・・・。


『お兄ちゃん・・・』


愛華・・・。俺もそっちに行くのかもな・・・。


『汝・・・我とともに生きぬのか??』

ギン・・・。俺だってまだ負けたくないさ・・・。でも・・・。


『汝・・・まだ我の力を行使してぬ』


あれを使えば刀が・・・。


『お兄ちゃんは怖いの??刀がなくなることがそんなに怖い??みんながいなくなるやり怖いことってあるのかな??』


愛華・・・??


『お兄ちゃんは刀をもっと信用しなよ。それはお兄ちゃんが思ってるよりも頑丈だよ』


信じる・・・??


『汝・・・我の力を使え』


みんながいなくなれば戻ってこない・・・2度と・・・。刀はどうだ??そりゃ・・・こいつは俺にとって最高の相棒だ。ただの武器じゃねえ。でもここでかばって戦えば確実に殺される・・・。俺には選択肢はこれしかないのか??


『あっはっはっは。これは久しぶりに面白い少年に会いましたね』


誰だあんたは・・・。


『あっはっはっは、これわこれわ遅くなりましたね。わたくし陰陽師安部清明と申します』


清明だと!!なんで??あんたは死んでるはずじゃ・・・。


『これは私の記憶です。あなたは何でも記憶を見る力があるらしいですね。あなたの守護霊たちが教えてくれましたよ』


記憶か・・・こいつは確かにあんたが封印したんだよな。


『ええ・・・何人もの弟子を失いながらも何とか封印をすることができたという怪物です。今思うと弟子たちには本当に申し訳ないことをしたと思っています』


あいつの弱点とかはないのか??何でもいいんだ!!教えてくれ!!

『・・・』


なんで何も言わないんだ!!このままじゃみんな殺されちまう!!そんなのは嫌なんだ!!


『守りたいという強い心・・・それがあなたに更なる力を与えてくれるでしょう』


それだけか??というか弱点じゃないだろ!!


『私からはそれだけです。あなたならできるでしょう。また後で会うことができることを祈ってますよ』


おい待ってくれ!!おい!!清明!!俺は再び現実に戻された。目の前には鬼が立っていた。あたりには倒れた仲間たち。立っているのは俺だけらしい。


『お兄ちゃん・・・』


すまないな愛華。俺にはまだやれるらしい。


『当然だよ。なんだって私のお兄ちゃんなんだから』


あはは、ありがとう。それじゃあいっちょ派手にやりますかな!!


「ギン!!いくぞ!!」


俺は再び刀を片手に構える。放てるのはたった1回。それも渾身の力をこめたもの。


「人の闇より生まれ、人の心を食らうもの、陰と陽との調和のもとに、我が描きし5望星によりて無に返す、悪霊滅すべし!!」


唱えているときも銀の冷機をまとった刀がきしきしと鳴っていた。俺は刀で5望星を描く。そこには白銀に輝く星が出来上がった。そして上段に構えたまま、振り下ろした!!


「封星龍破!!」


ドクン!!


なんだか変な感覚を心臓付近に感じた。それでも放たれた俺の渾身の攻撃。具現化されたギンが鬼に向かって突進する。

『ぐおおぉぉぉぉ』


「ぎいいいぁぁぁ」


ギンの牙が鬼に突き刺さり、鬼の爪がギンの体を切り裂く。激しい守護霊と悪霊の戦いが繰り広げられる。


「こいつはおしつおされつだな」


ギンと鬼の体は傷だらけでぼろぼろだった。


『お兄ちゃん!!止めを刺すならいまだよ!!』


『汝・・・こいつを討伐せよ!!』


サンキューギン、愛華。俺は愛華とギンの霊気を二重にまとわせ、かつてない霊圧を伴った刀を持って神速の速さで鬼に近づく。


「ぐあああぁぁぁ」


鬼のほうも近づいてきた俺に気がついてらしいが、ギンが体でブロックしているため身動きが取れない。俺は宙に舞いそして鬼に向かって渾身の抜刀を繰り出す。


「うおおおぉぉぉぉぉ」


みんなを守る力を!!愛する人を守る力を!!


「くらえ!!滅悪龍炎!!」


俺の刀からは銀色の炎が噴き出し鬼を包み込むそして・・・。


「刀を突き立てれば・・・」


終わりだと俺は言おうとしていたのだが・・・。何者かに殴り飛ばされた。


「なんで・・・どうして・・・」


俺の目の前にいたのは・・・。


「なんでなんだよ・・・小西(・・・)さん(・・)」


俺のことを殴り飛ばしたのは小西さんだった。でもいつもとは違った。体の回りには黒いオーラをまとっている。そして俺の問いかけに反応し振り向いた・・・。


「佑ちゃん。ご苦労様」


小西さんではなかった・・・。額には血の様に真っ赤な石をはめ込み、耳まで裂けるように口をにやっとさせて笑って見せる。


「このこの力がどうしても欲しかったの。だからみんなが死に物狂いで封印までもって言ってくれるまで待ったたわけ。そしてこの子の力を私の体に取り入れる」


『汝・・・何者か??』


「なんだいもう忘れちまったのかな??」


『何だと??』


「あんたのご主人様を殺したのは私だよ」


『貴様・・・』


何のことだかさっぱり分からなかった。俺は愛華を探すと愛華は倒れたフィオネのもとに行っていた。どうしたわけかフィオネの姿が透けていた。俺も急いでそこに向かう。


「どうしたんだフィオネ!!」


『私はあの人の心にすむ怪物に気づくことができなかった・・・。それだけが心残りです』


「何死にに行くようなこと言ってんだよ!!」


『私の霊気はすべてあの怪物に食べられました・・・。もうここにとどまることはできません』


「お前はどこに行くんだ??」


『天国だよ・・・お兄ちゃん』


「愛華・・・」


『私はもう1度転生します。転生したときに皆が幸せになっていることを祈ってます』


「おい!!死ぬな!!」


『お願いします・・・。あの人の心は闇に飲まれています。助けてください・・・』


「分かった!!助けるからお前も生きろ!!」


『わたしはもう死んでいます・・・。ここから離れるだけ・・・』


フィオネはゆっくりと消えていき。そして最後に。


『信じています』


そう言って消えていった・・・。


「うおおおおぉぉぉぉぉ」


俺は小西さんに向かって刀を向けた。小西さんを助けるために!!しかし・・・。


「うるさいゴミだ」


「な!!」


ばきん!!と俺の刀が折られた。小西さんは真っ黒な刀で俺の『牙狼丸』の刃を斬った。渾身の霊気をこめていたにもかかわらず・・・。小西さんの刀にあるどす黒いオーラが上回ったらしい・・・。


「く・・・くそー!!」


俺は倒れた体を起こし再び走ろうとしたが。

「ゴミはゴミらしく地面に転がっていろ」


そう言って空に刀を向けてから下に振り下ろした。


「黒雨封槍」


「ぐあぁぁぁぁ」


俺の四肢には黒い槍が突き刺さり身動きができないようにする。あまりの痛みに俺は悲鳴を上げてしまう。


「さあ、かわいい子。私と今1度ひとつに」


『貴様!!コロス!!』


「ギン!!」


ギンが小西さんに特攻を仕掛けた。しかし・・・。


「主人とともに戦わない貴様に恐怖心はない。今は消えていてもらおう」


刀を横一線に振るう・・・。


「黒半月斬!!」


どす黒い半円状の衝撃はがギンにぶつかった。ギンはそのまま真っ二つにされ消えてしまった。どうやら霊気をほとんど失ったからなようだ。そして小西さんは再び鬼と対面し。


「私と1つに」


俺は信じられないものを見た。鬼が小西さんの体の中に吸い込まれていっているのだ。あの巨大な鬼があっという間に吸収された。そのとき俺は場の雰囲気が更に重くなったのを感じた。愛華も立っていられないようだ。負の霊気が場を支配しているらしい。


「私はこれから蒼陽市に戻って計画を実行するから」


さらりと自分たちの計画をばらす。

「そんなことをばらして何の意味がある!!お前らにとって不利になるだけだぞ!!」


「あはははは、佑ちゃんは面白いこというね。でもゴミがいくら情報知っても何もできないでしょ??」


「ふざけるな!!お前は誰だ!!小西さんを返せ!!」


「あははははは、それはかなわないね。この世界を破滅の世界へと変える・・・。そして私はかつて藤原さくらに取り付いた悪霊・・・神崎夢」


「神崎??」


俺が戸惑っているとゆっくろとやつは消えていこうとした。


「待て!!小西さんを返せ!!」


俺がいくら叫んでもやつは笑いを辞めない。


「貴様もやつと同じ運命をたどる。愛する者も救えない・・・そんな運命を繰り返すのだ!!はーはっはっはっは」


「ちくしょぉぉぉぉぉ」


黒い空が快晴に変わると同時に俺は体を動かせるようになった。あたりは戦闘で悲惨な状態。そしていつの間にか夜になっていた。


「「うーん」」


どうやらほかの2人が目を覚ましたらしい。大丈夫か??


「うん。なんとか」


「ああ、ところでやつはどうした??お前のつれもいないし」


やつは小西さんに取り付いていた悪霊に取り込まれた・・・。


「「!!」」


2人は驚き、信じられないという顔を下がかまわず俺は続ける。


「やつは今蒼陽市に向かっている。そこで世界を新たに創造しようとしているらしい・・・」


「そんなことができるのかな??」


「できるからやろうとしてるんだよ」


「ああ、でも一体どうやってやるのかは分からなかった」


「しかしそこまで分かれば悪霊たちとの最終決戦は近いんだな」


「そうだね。そのためにはもっと強くならなくちゃ」


「俺はこれから『ガイア』にはいるんだよな。俺はまだ別の立場に立つけれども」


「心配するなひょろひょろ。俺達はそれでもともに戦った仲間だ。これからもな」


「ああ、口が悪いのは気に食わないがな」


「言ってろクソヤロウ」


『それよりお兄ちゃんの刀どうする??』


「「「あ・・・」」」


俺は重要なことを忘れていた。あの野郎に刀折られたんだった。どうしよ~~!!!


『すいませんがお話よろしいでしょうか??』


俺達が振り向いたそこには。


「安部清明・・・」


にっこりと笑う清明の姿があった。



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