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潔癖症な私

私はものぐさで部屋は汚いのだがたまに潔癖症だ☆

ペットボトルは口をつけたらその時に飲み切るし、

タオルやハンカチは一度つかうと洗濯をしないと使えない。

コップでさえ、大量の水なら大丈夫なのだが、飲み終わった後、底に水が残った状態が10分以上あれば洗わないと使えない。


水は命に近すぎる。


水、特に少量の水はすぐに腐る。腐る事は命が宿る事。私が汚いと思った途端に腐り始める。私がなにか魔法のような力を持っているわけではない。なぜかその時だけ、勘がさえ腐り始めるタイミングに気づくのだ。

また腐り方が人に害をなすレベルかどうかの差はもちろんある。


ある時から私の症状は悪化する。

私は以前入院した際に密閉されていたはずの点滴が腐るという事態にあった。


外部から命が入り込んだのではない。

水自体から命が発生した。


それに気づいた事が私をさらにくるしめる。

気づく事で私の予感は悪化した。

飲め水からは雑巾を絞った味がする。

トイレでお尻を洗うと腐った水によりただれ、血があふれる。


さらにひどくなると水を飲めば、口の方に気持の悪い軟体の虫がうまれている。私の勘はさらにさえわたっていく。


私の汗により病室の布団は赤茶色に腐り、虫が湧き異臭を放ち1日で悪くなる


私が飲む事が出来るものは2つだけになる。

強い酒なら人が害を受けるほどは腐る前に飲むことが出来る。私はまだ二十歳になっていなかったが飲むしかない。強い酒は未成年の私には刺激が強い。飲む度に体が弱る。

もう一つは地に一度も着いていない雨水で、それならばすぐに飲めば飲む事が出来た。


けれど私はただでさえ体が弱い。そんなので長く生きられるわけがない事は自分が一番分かっている。


いつしか雨が降らなくなる。

雨乞いのおまじないである黒いてるてる坊主を作るが雨は降らなくなった。

私は渇きに耐えられなくなる。


日に日に衰弱する私は、酒を飲むしか出来ずさらに衰弱する。


私はこうなった元凶に頼み込む。

それは私を常に見張っている。

「私を助けて下さい」

反応はない。

「私を許して下さい」

反応はない。

「友達を差し出します。」

私を置いて逃げた友人、あそこに連れて行ったのも友人だ。水が踊っている。けれどそれだけだった。

「水を下さい」

私の口の中に虫の湧いた水が現れる。

「私を殺して下さい」

反応はない。

私が屋上から飛び降りてもプールに飛び込んだ様に怪我をしない。手首を切っても血はすぐに傷口を固めてしまう。

3週間は水を飲んでいない。その苦しみはあるのに死にはしない。思考力は落ち続ける。

私はこれだけは言ってはいけないと言われた言葉をつぶやいた。

私は精霊に変えられていく。

この三週間の苦しみなどなんの苦しみでもなかったと分からされる。恐怖に私は泣き叫ぶ。永遠の未来がみえる。すべての先に苦しみがある。

心が溶けていく。心が苦しみと混ざり融合していく。

もう苦しみは私の心と一つになった。私は苦しみから二度と逃れられない。私は世界から消えた。


私はそこで目をさます。

私は昔見捨てた友人のその後を見せられた。

友人の存在は世界から消えていた。その名はもうおもいだせない。ありふれた名前とだけわかる。同姓同名のものもいるだろうが、それはもう友人の名前ではないのだ。


私は友人を精霊に変えたものと同じものに狙われている。







若干以前に書いた短編の水人形とリンクしております。

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