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#97

――いつものように道場スタジオへとやってきたバニラたちは、マチャが来る前にミーティングをしていた。


彼らはここ数週間、マチャの指導を受け続けてはいるが、相変わらず彼女に手も足も出ない。


そんな状況を変えようと、ダークレートがバニラ、ストロベリーに声をかけ、何か対策を考えようということになったのだった。


「それで、ミーティングつったってどうやってあいつを倒すんだよ?」


道場スタジオの床に座り、互いに向き合って話していると、ストロベリーが訊ねた。


その顔は明らかにやる気がなく、このミーティングに意味なんてないと言いたそうだ。


「だからそれを考えるんでしょ? アタシはやっぱり、三人の連携が大事だと思うんだけど」


「ハンッ、それはいつもやってるじゃん。三人で一緒に飛び込んでも、いつも結局やられちゃってるんだから意味ないよ」


ストロベリーはもう飽きたのか。


マットに寝ころんで小熊のカカオの顔を両手で引っ張り始めていた。


嫌がるカカオのことなど気にせずに、ストロベリーは小熊の顔を(いじ)り続ける。


そんな彼女を見てため息をついていたダークレートに、バニラが声をかける。


「こいつの言う通り、連携っていってもマチャのほうが強いからやられるわけで」


「だからやり方を変えようと思ってこうやって早く来てミーティングしてるんだよ」


「なんか考えがあるのか?」


「あぁ、ある。実際にアタシらもマチャにしごかれて、前よりも動けるようになってるしね」


ダークレートがそう言うと、ストロベリーがカカオを抱えて身を乗り出してきた。


どうやら彼女に考えがあると聞いて、ようやくやる気が出てきたようだ。


「ま、強くなってる実感はあるよ。あたしって元々天才肌だからさ~。もう前とは違って、ドリンクなしでもそこら辺のチンピラくらいならぶちのめせるけど。それでもマチャのほうが上」


「自覚があるならもうわかるでしょ? アタシたち三人でちゃんと作戦を立てれば、マチャどころか誰にだって負けない」


自信満々にいうダークレートの言葉を聞き、バニラもストロベリーもその口角を上げていた。


――それから数時間後。


マチャが道場スタジオにやってきた。


先に入っているとダークレートから事前に聞いていたのもあって、ロッカーで着替える前に、トレーニングルームへ挨拶に彼女が向かうと――。


「くッ!? お前らッ!?」


スタジオに入った瞬間に、ダークレートとバニラが背後から飛び掛かってきた。


突然のことに身体を押さえつけられたマチャ。


彼女がなんとか二人を振り払おうとしていると、目の前からストロベリーが飛び込んでいる姿が見えた。


「ハッハッ! 今日こそマチャに勝つッ!」


そう叫びながらすでに拳を振り上げているストロベリー。


マチャは、身体をバニラとストロベリーに取り押さえられ、動くにも動けない。


このままではやられてしまう。


「いいぞお前ら。今まで一番作戦らしい作戦だ」

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