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#185

ダークレートの号令と共に、三人が同時に飛び出した。


目の前にいるレカースイラーに向かって、バニラが正面、ストロベリーと彼女は左右から日本刀を持って襲い掛かる。


普通に考えてレカースイラーに勝ち目などない。


いくら三人を力で圧倒できるとしても、今度は刃物を持っているのだ。


ここが広い屋上ではなく、狭い路地ならば上手く立ち回る方法もあるのだろうが。


三方向からの攻撃を(かわ)すことは不可能だと思われる。


(こいつ……笑ってやがるッ!?)


だが、レカースイラーは動じない。


むしろ敵の脅威が増したことで、彼は嬉しそうに身構えていている。


優位なはずのバニラは、日本刀を振りかぶりながらそんなレカースイラーを見て動揺してしまっていた。


それは、左右から向かっていたストロベリーとダークレートも同じだった。


多勢に無勢。


ましてや素手で刃物と対峙している。


この絶対的に不利な状況で、どうしてこの男は笑っていられるのか。


戦いを楽しんでいるのか。


レカースイラーは迷いながらも向かって来る三人に言う。


「お前たちの怯えが伝わる。そんな精神状態で私を殺せるのか?」


「うおぉぉぉッ!」


不敵に笑うレカースイラーの言葉を振り払うように、まずはバニラが斬り掛かる。


それとほぼ同時に、左右へと散ったストロベリーとダークレートも日本刀を振り落とした。


レカースイラーはまず正面から刀を振り落としたバニラの剣の柄を掴んでそのまま左へと動き、向かって来ていたストロベリーを蹴り飛ばす。


そして、蹴り飛ばしながら避けた態勢でバニラの柄を掴んだ状態で彼の顔面に頭突き。


鼻血が飛び、怯んだバニラから剣を奪って斬り払う。


それからすでに剣を突いていた右方から向かって来ていたダークレートの刀を肘と膝で挟むように止め、彼女の右手首を斬り落とした。


「ギャァァァッ!」


あまりの痛みにその場で転がって悲鳴をあげるダークレート。


レカースイラーはそんな彼女のことを黙らせようと、その顔面を蹴り飛ばす。


「お前だけがあの二人よりも動きが遅かった。もし、三人とも同じ速さで攻撃していたのなら、お前たちが勝っていた可能性は高かっただろう」


冷静になぜ自分がバニラ、ストロベリーから先に制し、ダークレートを最後に対処したのかをレカースイラーは説明する。


だが、右手首を斬り落とされ、さらに顔面を蹴り飛ばされたダークレートは、意識を失っているため返事はしなかった。


レカースイラーはそんな彼女を見下ろすと、バニラから奪った刀を振り上げる。


「まずは一人……」


「やめろッ!」


その様子を見ていたバニラが叫んだ。

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