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#131

「エンチラーダッ!? そうか、テメェが連中に知らせたんだな!」


リコンカーンは声を張り上げながら思う。


弟がバニラにこの場所を教えたまでは彼の予想通りだったが。


まさかホワイト·リキッドの面々まで連れてくるとは思わなかった。


計画が裏目に出たと、エンチラーダに向かって怒声を浴びせる。


「テメェはいつもそうだ! 思い通りにならず、肝心なとこで俺の邪魔ばかりしやがるッ!」


「失敗したからって、エンチラーダに八つ当たりしてんじゃねぇぞ!」


そんなリコンカーンにバニラが言い返すと、エンチラーダが泣きそうな顔で兄に訴えかける。


「もうやめよう……。ここで大人しく捕まれば、この人たちだって命までは取らないよ」


「うっせぇぞエンチラーダッ! 兄貴を裏切っておいて何様のつもりだよ! 大体俺がいなきゃテメェはのんきにギターなんて弾いてらんなかっただろうがッ!」


リコンカーンはそう叫ぶと、隠し持っていたもう一丁の拳銃をエンチラーダに向けた。


そして、自分を背後から押さえ込もうとするとバニラへ言う。


「おい白髪。今すぐ俺から離れろ。じゃねぇと、こいつを撃ち殺すぞ」


「くッ!? エンチラーダはお前の弟だろうがッ!?」


「人の家庭のことに口出してんじゃねぇよ。いいからさっさと手を離せ」


今度はエンチラーダを人質に取られた状態となり、バニラはリコンカーンから手を離さざる得なくなった。


なくなく彼を解放したバニラ。


リコンカーンはエンチラーダに銃口を向けながら、バニラの腹部へ膝蹴りを入れて顔面を殴り飛ばした。


「バニラッ!?」


「勝手に動いてんじゃねぇぞ!」


そして、次に飛び出してきた弟のことを蹴り飛ばす。


地面に転がったエンチラーダを見て、バニラは自分が殴られたことも忘れて吠える。


「お前……よくもエンチラーダをッ!」


「おっと動くなよ、白髪。動いたらこいつを殺すぞ」


倒れたエンチラーダに突き付けるように銃を向け、バニラを(おど)すリコンカーン。


バニラが凄まじい形相(ぎょうそう)で彼を(にら)み返すと、リコンカーンが口を開く。


「おい、ついて来い。とりあえずこの場から離れるぞ」


「一体なんなんだよッ!? なんでお前はオレを狙ってんだッ!?」


「それは後でいくらでも教えてやるよ。ともかく、一度どっかへ逃げてそれから――ッ!?」


リコンカーンがバニラを連れて逃げようと考えていると、彼に向かって、倒れていたエンチラーダが飛び掛かった。

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