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#129

そしてリコンカーンは、その銃口をマチャとダークレートへと向ける。


「テメェッ!?」


「だから落ち着けって。さっきから話をしようって言ってるじゃねぇか」


「銃を突き付けて何が話をしようだよッ!」


声を張り上げるバニラだったが。


今度は飛び掛かれない。


動けばマチャとダークレートが撃たれると思うと、身動きができない。


リコンカーンはそんな彼を見ると、ニヤッと口角を上げて再び口を開く。


「なあ、お前のその頭は染めてんのか?」


「この頭は生まれつきだよ」


「だよなぁ。染めたにしては綺麗すぎるもんなぁ、その白髪」


マチャとダークレートに拳銃を向けながら、空いているほうの手で煙草(たばこ)を取り出して火を付けた。


リコンカーンの口から紫煙(しえん)が吐かれ、バニラはそんな彼の悠長(ゆうちょう)な態度を見て歯を食い(しば)る。


「なにがしたんだよ、お前は……。こんな話に一体なんの意味あるんだよッ!?」


バニラは(たま)らず声を張り上げる。


今にも喰って掛かりそうな勢いで、リコンカーンに向かって身を乗り出す。


それを見たリコンカーンは、銃口をさらにマチャとダークレートへと近づけた。


二人を人質に取られて動けないバニラが呻くと、彼はまた話を始める。


「俺の尊敬している人でよ。お前と同じ真っ白な髪をした人がいんだ」


「……? それがどうした?」


「いいから聞けって。人の話を聞けない奴は、ろくな大人になんねぇぞ」


「こんな状況で話なんて聞けるかよッ!」


バニラは身を震わせながら叫び返した。


リコンカーンはため息をつく。


「性格は似てねぇな……。あの人は、この程度のことで(わめ)いたりしねぇ」


「さっきから意味わかんねぇんだよ、お前ッ!!」


何度目かのバニラの怒声が倉庫内に響き渡ったとき。


彼が破壊した扉から、ウエストコート姿の男女の集団が入ってきた。


その先頭には赤毛の少女――ストロベリーがその(ふく)らみかけの胸を張ってにやけてる。


「なんだよ? せっかくカッコよく登場したのにもう終わってんじゃん」


「ストロベリーッ!?」


「あん、バニラ? アンタも来てたんだ? でも状況を見るにグッドタイミングだったみたいね。さすがあたしッ!」


自画自賛するストロベリーに、マチャとダークレートも呆れていたが。


リコンカーンの襲撃から逃げ延びた彼女が、無事にホワイト·リキッド一号店へ自分たちが捕まったことを知らせに行ってくれたことに安堵(あんど)していた。


突然現れたホワイト·リキッドの面々に驚愕するリコンカーン。


バニラはその一瞬の(すき)を見逃さず、彼に掴みかかる。


「くッ!? はえぇッ!?」


「これでもうお前の思い通りにはいかないぞッ!」


「そいつはどうかな。おいッ! 全員出て来いッ!」


リコンカーンの叫びと共に、倉庫内に隠れていた彼の部下が現れた。


その数は先ほどいた警備服姿の社員たちの倍はいる。


「まだこんなにいたのかッ!?」


「念のためってヤツだ。お前らッ! この白髪以外は殺していいぞッ! 責任は俺が持つ!」


その様子を見たストロベリーが叫ぶ。


「よし野郎どもッ! スパイシー·インクの奴らをぶっ殺せッ!」

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