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聖来、部屋で
聖来の自室。
「フフ」
彼女は帰宅草々、机の引き出しから、卒園文集と、小学校・中学校の時の卒業文集を取り出した。聖来自身の紹介のページを開く。
――私の夢は物語を書く人になることです。皆がニコニコしてくれる童話をたくさん書きたいです。
それから机上のブックスタンドにある、ルーズリーフを取り出した。
「受験だから、途中で止めていたけど、少しずつアイディア考えるかな」
ゆっくりと開いていく。そこには童話のモチーフやアイディアや資料がたくさん書いてあった。
「そりゃ、詳しいですよ、サンタのことは」
今彼女が書こうとしていた、その内容は、サンタクロースが街へやって来たものの帰れなくなって、そこでトナカイとともに暮らし始めて……というイメージだった。サンタのことを調べていたのだった。
「まさか、こんなことってあるんだね。私の夢、守ってね。サンタ……山田さん」