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山田さんの新人研修  作者: 金子よしふみ
第六章 山田幸喜の夢
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帰途

 山田は聖来を共に帰途についた。

「何です? さっきから」

 並んで歩きながら、先程からちらちらと窺う山田に、聖来は痺れを切らした。

「いや。何でもない……ことはないんですけど」

「まったく。言いたいことがあるなら、はっきり言ったらどうです?」

「じゃあ、言うけど」

「山田さんは、他の人から言えと言われないと、言わないんですか?」

「……いや、それは……」

 針のむしろだった。

「冗談です。ちょっといつも通りな感じにしたかったんで」

 聖来はニッコリとして言った。目が笑ってないということもなく。

「聖来ちゃん。じゃ、そこ行こうか」

 山田はすぐそばの公園を指さした。


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