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帰途
山田は聖来を共に帰途についた。
「何です? さっきから」
並んで歩きながら、先程からちらちらと窺う山田に、聖来は痺れを切らした。
「いや。何でもない……ことはないんですけど」
「まったく。言いたいことがあるなら、はっきり言ったらどうです?」
「じゃあ、言うけど」
「山田さんは、他の人から言えと言われないと、言わないんですか?」
「……いや、それは……」
針のむしろだった。
「冗談です。ちょっといつも通りな感じにしたかったんで」
聖来はニッコリとして言った。目が笑ってないということもなく。
「聖来ちゃん。じゃ、そこ行こうか」
山田はすぐそばの公園を指さした。