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アインの旅立ち2

レオニダスが、猿人族から情報を聞き出し、戻ってきた。それと同時に、猿人族が、かつての人間たちの退化した成れの果ての姿であるということも、改めて悟った。



アイン「話をしてきたのか?」

レオニダス「ああ。」


俺には、猿人語がわからないから、何を話しているのかはわからなかった。ただ、何か重要なことをはなしているということはわかった。


レオニダス「1万年前の人間たちが、この世界をこんな世界にしてしまった。」

レオパルト「ええ。地球上に現れた生き物の中で、最も愚かなのは人間だと聞きましたが、その愚かな人間たちの中でも、愚かな人間たち。

第三次世界大戦は、そうした愚かな人間たちがしでかした戦争なのよ。」

ミッフィー「私には、難しいことはよくわからないんだけど。」


俺にも、難しいことはよくわからない。


レオニダス「昔々、高層ビルが建ち並び、高速道路の上を車が行き交い、公共交通機関も何でもあった時代があった。

高度文明の恩恵を受け、いろんな娯楽を楽しみながら過ごしていたんだろうな、あの時代の人間たちは。

おっと、私はついつい、説教じみてしまうところがあるようだな。私の悪い癖だ。」


それから、その高度文明は戦争で滅び、その成れの果てが、今の猿人族だということか。


ならいっそ、新暦ゼロ年からまた歴史を始めようか。


ここまで、何の活躍もしていない。とはいえ、愚かな戦争をするのも人間なら、高層ビル群や高速道路や、公共交通機関のような高度文明の利器を築き上げるのもまた、人間だと思った。


その昔、このあたりにも高度文明があり、人々はその豊かさと便利さの中で暮らしていた。

俺らは、生まれてこのかた、その高度文明というものを見たことが無い。

だから、一度でいいから、それを見てみたい。願わくば、その恩恵を受けるような生活をしてみたい。

そう願った。




すると、いつの間にか、その文明の利器が目の前に現れて、俺は驚いた。


「すごいな、いつの間にこんな。」


それは、スマートフォンと、自動車。馬が引く馬車すら、めったに通らないのに、馬が引かなくても走る、恐ろしく早い乗り物、それが自動車だ。


いずれにしても、それを使う人間の心次第で、利器にもなれば、凶器にもなる。


帰りは、自動車に乗って、町に戻ることにした。


なお、自動車に乗っていると、変な気分になるような人もいるとか。これが、車酔いというやつか。


その変な気分、車酔いを止めるための、酔い止めの薬というものもあるらしい。


それだけ俺らは、外の世界のことを何も知らなかった、知ろうともしてこなかったのかもしれない。


そういう生活では、日にちの感覚すら必要なくなるのだろう。あれが何月何日の出来事だったとか、いちいち気にしていない。


畑と、豚小屋が見えてきた。牛舎、鶏舎もある。


田んぼもある。レンコン畑もある。そして、俺らの住む家へと、出迎えた。


翌日、知恵の統治者という人物が築いたという、あの世界大図書館へと向かうことにした。友達もみんなまとめて連れていくことにした。


ガンツ 熊耳族 気は優しくて力持ち


アイラ ネコミミ族 俺の恋人 ヒロイン


タカヤス オオカミ族 顔もオオカミだが、人間と同じように2足歩行で、あとは人間と同じ


ミム キツネ耳族 キツネダンスが得意な女の子


ユイ 鹿角族 シカのツノが頭に生えている女の子

馬耳族のホースと恋仲。名付けて『馬鹿ップル』


ホース 馬耳族 人の意見や批評を全く気にかけないで、自分で決めてしまう傾向がある。

鹿角族のユイと恋仲。名付けて『馬鹿ップル』


マイン 鶴族 鶴が人間型の種族に進化した。

スレンダーで、胸だけデカい、セクシーな美女


そして、僕らの学校の先生だ。


オブリガード先生 羊人族

ヒツジの顔をした、この世界のことを何でも知っている、物知りな先生。


次に、ケモミミ族の生活環境について。


食事は、もともと肉食、雑食の者は肉などを食べ、草食の者は草や野菜を食べる。


ちなみに犬は雑食で、だから柴犬族の俺も雑食で、肉料理も食べるが、米やパン、野菜なども食べる。


一方で、ネコ科の動物は完全に肉食で、だから

ネコミミ族の彼女もまた完全に肉食で、肉しか食べないと思っていたが、よかった、俺と同じ雑食で、肉料理も食べるが、米やパン、野菜なども食べる。


ただし、恋愛に関してはネコミミ族は肉食のようであるとのこと。


先の戦争で貨幣制度も崩壊してしまったので、基本的には自給自足、物々交換の世界。


ただし、肉食獣のケモミミは、狩猟、採取を行う。


その一方で、家畜となる食用の牛、豚、鶏などは、人間と同様に飼育を行っている。


先の戦争から10万年ほど経過しないと、草木も生えないというほど荒廃してしまったものを、1万年やそこらで、農業や畜産が行えるほどまでになったという。


もっとも、202X年から数えて約1万年ほど経過している時代ではあるが、地名なども変わってしまっているため、前の時代と同じ地名は残っていないという。


交通網も破壊され、そもそも自分たちの住んでいる町からさえ、外に出たことはないという。


そんな世界で、気ままに過ごしていたアインたちだったが、あることへの好奇心をきっかけにして、やがて世界を巻き込む、壮大な物語の渦へと飲み込まれていくことになる。


世界大図書館へ、行く?

コマンド?


行く

行かない


なんのことはない。全員が『行く』を選択した。


「それじゃ、みんな、出発だ!」


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