『ファンタジーモード』の魔物が都会に
大変だ!ついにゲームの中の魔物が、現実世界に現れた!
「えー、番組の途中ですが、ここで速報が入ってきました。
突然ですが、吉祥寺と新宿、渋谷、六本木で、魔物の目撃情報がありました。
彼らは、ハンバーガーショップで購入した、オレンジジュースと、ハンバーガーを盗み取っていったそうです。」
その魔物たちは、食べ物を盗む、住居に侵入するなどしたものの、命までは取らないとのこと。
『ファンタジーモード』に登場する魔物たちが、そのまま現実世界に現れたという。
その内訳は、ゴブリン、ホーネット、アイアンアント、大ねずみ、それから食虫植物のマンイーター、それと、ゾンビドッグが現れたという。
それと、餓鬼が現れたという。都会の真ん中で、餓鬼が現れるとは。現実世界もいよいよ魔界化していくのか?
しかし、ものは考えようだ。魔物たちの、言いたいことがわかり、魔物と交渉することができれば、戦いを避けることもできる、あるいは魔物と共存共栄することも、できるやもしれない。
アインは、犬の言葉がわかる。犬たちが何を言いたいのかがわかるという。
だから、魔物の言葉がわかり、魔物たちが何を言いたいのかがわかるようになれば、案外、なかなか話せる連中かもしれない、魔物というのは。
ヘタな人間よりも、話せるかもしれない。
話せる連中ということになれば、人間も魔物も、それほど変わらないかもしれない。
ただ、人間であるか、魔物であるかの違いだけ、違いはただ、それだけなのだ。
魔物たちは主に、有名なチェーン店、特に有名な飲食店の近くによく出没するという。
たとえば、あの牛丼屋の近くとか、あの
焼き鳥の店の近くとか、あのファミレスの近くとか、あの居酒屋チェーン店の近くとか、あのギョーザ屋の近くとか、あるいは、あの寿司チェーン店の近くとかに、
よく出没するという。
これは、何を伝えようとしているのか?
そしてついに、魔物たちは永田町や霞ヶ関にも出没。さらには、警視庁や検察庁の近くにも、出没した。しかし、攻撃をしてくる気配は無い。
ただ単に、現れては驚かせて、自分たちの存在をアピールしたい、ということなのだろうか。




