格闘技修行
俺はガンツという。
耳はクマの耳、見た目はまさにクマのような、大柄な男だ。
『オールジャンルゲームス』というゲームをすすめられて、俺は数あるジャンルの中から『スポーツ』を選び、その中から、『格闘技』を選んだ。
一言で格闘技といっても、格闘技にもいろいろあるんだな。
『総合格闘技』を選ぶと、ストリートファイターのステージへ。
ストリートファイターとは、プレイヤーが
1人VS1人で対戦する形式。
『格闘技』では、技などを覚える方法は一つ。それは、相手の技を喰らうことで、その喰らった技を自分の技にして、そうして自分が使える技を増やしていくという。
パンチ系、キック系、投げ技、間接技、それから、噛みつき、ひっかきもある。
相手の技を受けないと覚えられないとはな。しかし、一度相手の技をものにしたら、あとは使い放題、無敵の人になれるというもの。
さっそく対戦相手を見てみる。
基本、弱い相手から倒していくのだが、1人倒すごとに、次の対戦相手が現れるということのようだ。
最初に選べる対戦相手は、バイソン。
噛みつきや、ひっかきが得意だという。
装備は、武道着とバンテージ。これが唯一の装備。武器は、鉄の爪とか、ヌンチャクとかある。
さあ、対戦開始。バイソンは、噛みつき、ひっかきで攻撃してくる。
パンチやら、キックやらは、しっかりガードしていれば、ダメージも軽減できるが、噛みつき、ひっかき、これも思いのほか厄介だ。
しかし、耐えて忍んで、ちなみに、噛みつきとひっかきなら、俺も負けてはいない。
なんたって俺は、クマなのだからな。お返しとばかりに、バイソンに攻撃を仕掛けた。
それから、投げは受け身をすればダメージ軽減となるが、寝技とか、間接技なんかは、しばらく身動きがとれなくなってしまうからな。
どうにかバイソンの攻撃をしのぎきり、今度は俺の攻撃。俺の噛みつき、ひっかき、バイソンはのけぞる。
そこに、俺のパンチとキックだ!
ドガッッ!!バシバシッ!!
バイソンは吹っ飛び、フェンスに激突し、そのまま気絶する。戦闘不能だ。
まずは1勝だ。この調子で次も勝つぞ。
バイソン「この俺が、こんなにあっさり負けるとはな・・・。
あんた、強くなるぜ・・・。」
しばらく休んで、体力回復した後、次の対戦相手を見てみる。
飲み物くらいは飲んでおくかな。
次の相手は、伝統的な武術を使う、犬飼というじいさん。
「アチャーッ!」
ガード、ガード、何発も執拗に攻撃してくる。
ドガッッ!!
「ぐっ・・・!」
正拳突きだ。これはダメージ大きい。しかしなんとか耐えしのいだ。
これで俺は、正拳突きを覚えたことになる。
さあ、次は俺が、犬飼じいさんに正拳突きを喰らわす番だ。
「正拳突き!」
ドガッッ!!
「ぐっ・・・!」
犬飼じいさんも、俺が着ているのと同じような武道着だ。
苦悶する犬飼じいさん。とどめは、渾身のキックだ!吹っ飛ばされ、フェンスに激突した犬飼じいさん。そのまま気絶。
犬飼じいさん、戦闘不能。ノックアウト。
ガンツ、WINだ。
犬飼「お見事。わしの後継者にならんか?」
しかし、ガンツもダメージ受けた。さすがにここから連戦はきつい。
体力回復は、いったん今までの記録をセーブしてから、休養に入るというルールだ。




