アイダ・マサノリとの再会
日比野アナの紹介で、彼女がファンだという人物に会わせてもらえることになった。
その人物こそが、アイダ・マサノリだった。
アイダ「やあ、君たちが噂のケモミミたちだね。僕はアイダ・マサノリ。
日比野アナからは、かねがね話は聞いているよ。」
これはまさに、運命の再会だと思った。
アインと、アイラの2人で会いに行った。
僕とアイラは、今までの事の成り行きを、
アイダ・マサノリに話した。
アイダ「そうなんだ。それで今は、自分たちの本来いる時代に戻れないで、こっちの時代で過ごしている、というわけか。」
僕らは、アイダ・マサノリのトリミングを受けた後に、心優しい飼い主に引き取られ、幸せな日々を過ごしていたが、ある日、戦争が始まり、ミサイルが自宅に着弾して、その時は死んだと思ったが、気がついたら、その本来いる時代に転生していたということ。
それから、知恵の統治者と名乗る人物の使いとしてやってきた、レオニダス一家に連れられ、世界大図書館という場所に行ったということなど、全てを話した。
アイダ「知恵の統治者か。それなら、僕もプレイヤーとして登録している、
『オールジャンルゲームス』の『タイムマシン』編の僕の登録名が『知恵の統治者』というんだよ。
そういえば、さっきから君たちが話している内容って、その『オールジャンルゲームス』の『タイムマシン』のストーリー設定の話にそっくりなんだよね。どうしてなんだろうね。」
これは、衝撃的な事実を聞いた。
あの時、世界大図書館で耳にした、知恵の統治者の正体は、やはりアイダ・マサノリだったのか!?
いや、ここにいるアイダ・マサノリではないにしろ、アイダ・マサノリが、未来の時代に転生してきた姿が、知恵の統治者ということなのか。
アイダ「いやいや、しかし君たちの話を聞けば聞くほど、驚くようなことばかりだよ。
そんなことが本当にあるなんてね。
となると、僕はこの後、殺人AI兵器によって、撃ち殺されるわけだ。
それで、君たちはミサイルの直撃を受けて、僕も、君たちも、一緒に、あっちの時代に転生ってのをすることになっているってことなんだね。」
僕らの話を聞いた、アイダ・マサノリも、日比野アナも、まだ半信半疑の様子だ。
アイダ「そうだ、それならその、柴犬のアイン君に会いに行こうよ。」
そして向かった先は、かつて僕が柴犬だった頃に過ごしていた、飼い主の家。
心優しい飼い主の夫妻と、その、かわいい娘と。
「アイン!アイン!ごはんよー!」
懐かしい匂いがした。ごはんの担当は、この、かわいい娘だ。
あの核戦争にならなければ、あの時、あのミサイルが直撃しなければ、きっと僕らは、あのままずっと、最期の時まで飼い主の夫妻と、その娘に可愛がってもらいながら、最期の瞬間も、彼らに看取ってもらいながら、天寿を全うしたことだろう。
しかし、その一方で、あの核戦争で転生することが無かったら、あっちの時代で、あっちの時代の仲間たちに会うことも無かったのではないかと思うと、なんとも皮肉な話だとも思える。
さて、これから先、どうしようか。




