日比野(ひびの)舞音(まいね)の夕方のニュース
「さあ、今日も夕方のニュースが始まりました。日比野舞音です。」
夕方のニュースは、彼女の担当だ。
この女子アナ、見たことがある。確か、俺らが『ケモミミ祭』で通りかかった時も、取材の輪の中にいた。
その後の記者会見の時も、彼女は記者たちの輪の中にいた。あの時の、あの女子アナだ。
日比野舞音というのか。あの女子アナ。
「今日のトップニュースは、タイムマシンの技術に関するニュースです。
タイムマシンで別の時代に行くときに、必ず通り抜ける亜空間。
この亜空間の、タイムマシンに人を乗せた状態での有人飛行に成功するのは、いったいどの国か?
という、国をあげた競争が続いている中で、民間企業が先を越す、という可能性もあるようです。」
人を乗せた状態での有人飛行なら、すでに俺たちが、はるか未来から2024年まで飛んできて、達成しているけど、このことは誰にも内緒のままだ。
こんどは、2024年を起点として、そこから過去の時代へ、あるいは未来の時代へと、有人飛行を実現させるのが、目下の目標となるな。
その次は、政党支持率の調査で、支持政党無しが過半数を越えていること。
さらに、解答拒否も数%ほどいて、政党支持率調査に向かった調査員が、解答を拒否した調査対象者から暴行を受けるという事件も発生したという。
それに対して、「この非国民が!」というような書き込みもあったとか。
「それでは、次にお伝えするのは、今世間では、ちょっとしたケモミミブームになっているということです。」
日比野アナも、いつの間にかケモミミをつけて、コスプレを身につけていた。
それにしても、なんてかわいいんだ。これが、彼女がいながらにして、彼女以外の魅力ある女性に、目移りする、思わず見とれてしまうという感覚なのか、と思った。
そのまた次の日の夕方のニュースも、引き続き彼女の担当だ。
「さあ、今日も夕方のニュースが始まりました。日比野舞音です。」
夕方のニュースは、彼女の担当だ。
この女子アナ、見たことがある。確か、俺らが『ケモミミ祭』で通りかかった時も、取材の輪の中にいた。
その後の記者会見の時も、彼女は記者たちの輪の中にいた。あの時の、あの女子アナだ。
日比野舞音というのか。あの女子アナ。
「今日のトップニュースは、今最も大きな話題になっているVRMMO、『オールジャンルゲームス』の話題です。ちなみに、私は今日も、ケモミミルックです。」
存在するだけで、間接的に世の中に影響を与えているアインたち。
ケモミミであるアインたちが未来の世界から現代の2024年に、やってきてからというもの、ちまたではケモミミルックなるものが流行っているとかいないとか。
そして、あの記者会見の動画も、彼女の担当する、このニュース番組の中で繰り返し流されている。
第三次世界大戦を阻止して、新しい歴史をここから築いていこうという意図は、確実に伝わっているようだ。
「今日も夕日がきれいですね。」
夕日がきれいだということも気にしたことが無かったが、夕日がきれいであることに目を向けられるのは、平和な国である証拠、あらためて、平和の大切さを思うところだ。
アイラ「わー!本当だ!きれいな夕日ね。
ねえねえ、私たちの時代の夕日と、この時代の、2024年の夕日とでは、夕日の色が違うのよ。
まだ第三次世界大戦になる前の時代の夕日を、こんなふうに見ることができるなんて。」
それだけでも、わざわざタイムマシンを発明して、タイムマシンに乗って、こっちの時代に来ただけの甲斐はあったというもの。
アイン「そうなんだな。俺たちの時代の環境が、当たり前のものだと割りきって、そうして生きてきたからなあ。」
しかし、それよりも何よりも、今世間をにぎわせているのは、『オールジャンルゲームス』というゲームの話。
とにかく、選べるジャンルの数がハンパない。大きく分けて、7つの大ジャンルがあり、さらにその中には、無数の中ジャンル、小ジャンルが枝分かれして、その数ある選択肢の中から、好きなジャンルを選んで、存分にプレイすることができる。
1つのジャンルを極めるもよし、複数のジャンルを掛け持ちするも良し、なのだ。
例えば、第二次世界大戦は【日本軍】【ドイツ軍】【連合国軍】の中から選べるといった具合に。
シナリオによっては、ソ連と戦ったり、あるいはアメリカ軍の作戦が大幅に遅延して、ここから日本軍が反攻の機会をうかがうなどのシナリオも、全部入っているという。
これは、ジャンルとしては戦争のゲームになるわけだが、勝負するならゲームで勝負だ!理屈抜きで勝負しよう、と言えるような時代が来ないものかと、思っている。
格闘技は、総合格闘技、プロレス、ボクシング、さらには日本が誇る柔道や相撲や、空手や、さらにはテコンドーやムエタイも選べるという。




