タイムマシン内部【回想】
前世の記憶がよみがえる。正確には、前世の前世、といったところか。
前世の前世は、俺はとにかく、ケモミミ、ネコミミの美少女キャラクターが何より好きな、オタクのオッサンだった。
その中でも、一番好きなネコミミの美少女キャラクターの名前が、アイラというキャラクターだった。
俺はよく、暇さえあれば近所の動物公園に遊びにいくことがあった。そこの動物公園で飼育されていた動物たちの名前を、思い出していた。
まず最初に、熊がいて、その熊の名前がガンツといった。続いてオオカミがいて、そのオオカミの名前が、タカヤスといった。なんでも、そのオオカミの世話をしていた飼育員の名字が、高安さんといったそうだ。
アイラ、ガンツ、タカヤス・・・。記憶をたどっていくと、その動物公園には、さらに馬と鹿と、キツネと、鶴がいた。
その馬の名前がホース。鹿の名前がユイ。キツネの名前がミムといった。そして、鶴の名前がマインといった。
近くにはキリスト教の教会があり、そこの神父の名前が、オブリガードといった。
そうだ、みんな前世の前世で、そこで出会っているんだと。
さらに、そこの動物公園には、ライオンと、ヒョウと、それからトラやシマウマやバクなどもいて、
ひととおり見終わってから、再び出入り口付近に行くと、そこにはウサギがいた。
そのウサギの名前が、ミッフィーといった。
ここまで思い出して、確信した。
その時、アイラが話しかけてきて、我に返る。
「ねえ、何ボーッとしてるの?」
続きはまた次の機会にしておこう。
どういうわけか、食べるものだけは豊富にあるようだ。今日のメニューは何かな?
大豆ミートのハンバーグと、大豆ミートの唐揚げだ。見た感じ、どう見ても大豆から作られたとは思えない。
そして味も、大豆で作られたとは思えない。ちゃんと肉の味だ。
そして、タイムマシンで2024年へと向かおうとした真意を語る。到着するまでにはまだまだかかりそうだから、ここいらで語っておこうと思った。
「実は、町づくりモードで、過去の時代から住民を呼び込もうと思っていたんだけど、誰も来ないみたいで、それならこっちから過去の時代に行って、呼び掛けてみようかと思ったんだ。」
アイラにだけ話した。さて、のどがかわいたな、飲み物でも飲もう。
ということで、オレンジジュースを飲んだ。
ちなみに、食糧はどこに保管してあるのかというと、なんとタイムマシンの内部に、穀物や野菜や果物を生産する田畑があり、そして大豆もその中で生産されているという。
さらには家畜もその中で飼われていて、食肉加工用、鶏卵用、乳牛用とある。
さらには食肉や加工食品も生産できる、完全自動制御システムの、食糧生産工場まであるという。
やっとわかった。食べ物に困らない理由が。
食糧と日用品は確保できるのはわかったが、あとは娯楽を楽しめるといいなと思っていた。
VRMMOとか、本では見たことがあるが、実際には、やったことが無いのだ。だから、そういうものも、やってみたい。
あの時代には、いろんな楽しみがあって、そういうもので楽しんで、さぞや面白おかしくすごしていたんだろうなと、想像していた。
アイラ「さて、ここいらで、パーティーの女性陣だけで、お風呂にでも入ろうかしら。」
タイムマシン内にお風呂もある。まるで豪華客船並みの設備のよさだ。まるで、初めから我々のために用意されていたかのようだ。
今が、ちょうど西暦9000年頃だという。目指す2024年までは、まだまだかかるという。
1泊2日くらいは、かかるという計算だ。
アイラ、ユイ、ミム、マインの、女性陣がお風呂に入る。
アイラ「さーて!女子会トークの始まり!ここは、女子だけの内緒話の場よ。何から話そうかしらね。」
ユイ「それじゃあ、男性陣の話とか。目の前じゃ、絶対に口にできない話とか。」
ミム「けど、私たちって、男女ちょうど4人ずつだよね。」
マイン「あーら、それならそれで、釣り合いが取れていいんじゃないの?」
なんのことはない。実にたわいのない話をしながら、お風呂を満喫する。たまにはこういう息抜きの時間も必要だ。
一瞬で行けるのかと思っていたら、かなりの長旅になりそうだ。何しろ、約8000年の時をさかのぼる旅なのだから。
今(?)、ようやく西暦8000年に到達した。しかし、そこには、はるか昔、大戦争によって滅びた廃墟が広がっているだけだった。その廃墟がやがて粉々に朽ち果て、現在に至っているという。
お風呂の中。浴槽は、4人くらいなら余裕で入れる広さで、そこにアイラとミム、ユイとマインが向かい合って入っている。
ユイ「アイラちゃんから見て、アイン君ってどういう人なの?」
アイラ「アイン君は、真面目ではあるけど、時には真面目すぎて突っ走ってしまうところがあるかな。
それに、情熱家、理想主義者、そういった面もあるわね。
私からも質問いい?ユイちゃんから見たホース君は?」
ユイ「ユイちゃんから見たホース君はね、ドジで、おっちょこちょいなところがあるけど、誰よりも、ユイちゃんのことを思ってくれているところ。」
ユイは、自分のことをユイちゃんと呼ぶ。
ミムとマインが、次に話す。
マイン「ミムちゃんは、ガンツ君と仲良さそうね。」
ミム「ガンツ君は、一見すると荒っぽいところがあるように思うけど、本当は、気は優しくて力持ち、という表現の通りの人だと思うの。」
マイン「タカヤス君は、もの静かな感じだけど、内に秘めているものがあるような感じね。」
みんなそれぞれ、思うところはあるようだ。
お風呂に入ったら、あとは寝るだけ。寝ている間にだいぶ近づいているといいのだが。
外には亜空間が広がる。なんとも形容のしがたい空間のようだ。果たして、本当に2024年まで行かれるのだろうか。
亜空間の中を、さらに進んでいく。
時間を表示する機械に、今どのあたりの年代に来ているかが表示される。数字がだんだんと小さくなっていくと、過去へとさかのぼっていることになる。
西暦7000年代に入った。ここはタイムマシンの中。こちらは男ばかり4人が集まって話していた。
ガンツ「おいおい、今、西暦7000年代だってよ。
これでもし、途中の時代で止まったりしたら、どうするんだよ。
ちなみに、俺にはあまり難しいことはよくわからないから、俺にもわかるように言ってくれよ。」
もしも、タイムマシンが途中で止まった場合の、
考えられるケース
1 その、途中の時代においてけぼり、いずれにしても、元の時代には帰れなくなる
2 亜空間に放り出され、目的とは全然違う時代へ飛ばされる
3 自分たちの、元の時代へ戻される
さあ、どれだろうね。
タカヤス「こちらは、オオカミとクマと、柴犬と、馬か。まあ、無事に2024年に到着できればそれでいい。」
女子に比べ、華が無いような印象になってしまうが、いざという時はやはり女子を守らねば。
ホース「どんな時代だか、実際に見てみなければ、想像つかないな。」
西暦6000年代。まだまだ、あと約4000年ほどある。距離と一緒だ。
どんどん行こう。西暦5000年代。
西暦4000年代。あと2000年あまり。途方もない時間だ。元の時代にはもう戻らないくらいの覚悟をしないとな。
西暦3500年代。さらに時代をさかのぼっていくのだ。
西暦3000年代に達した!あと1000年だ。
西暦2900年代。
さらに、ずっと進んでいく。西暦2100年に、ついに到着した。ここまで来れば、2024年も近い。
いや、そもそもさっきから、時間の感覚がおかしくなっていないか?そうだな。やはりな。
「もうすぐ到着する。ここまで長かったな。」
西暦2060年。あと36年で2024年だ。よっしゃあ!




