歴史改変
歴史改変。それは過去にも何度も行われてきた、
行われようとして失敗したものも含めると、数知れず。
たとえば、天下分け目の戦いの結果が、史実とは逆の結果になっていたらとか、若くして死んだはずの人物が、そこで死なずに生き長らえていたらとか、逆に、生き長らえた人物が途中で死んでいたらとか、そういうこと。
そして、この物語で行う歴史改変は、ただ一つ。
第三次世界大戦を阻止すること。
アインがタイムマシンを発明しようと思いついたのは、そのためだった。
それもそうだが、歴史上の出来事の中には、こんな理不尽な史実なら改変してしまえ!というものも、数知れず。
それもそうだが、他にももっと、いろんな時代に行ってみて、その時代に流行ったものや、その時代に活躍した人物たちに、実際に会いに行ってみたいと、そう思って、タイムマシンを発明しようと思いついたのだ。
『世界大図書館』に行ったのをきっかけに、様々な本にめぐり会った。その中に、タイムマシンに関する本もあった。手当たり次第に、読みあさった。
それと同時に、人間の戦いの歴史、憎しみ合いの歴史についても調べた。長きにわたる戦いの歴史の果ての、積み上がった憎しみは、想像をはるかに上回るものだ。そんなに簡単に消えるはずもない。
それがある時、何かのきっかけで引き金を引いて、ついには第三次世界大戦というバケモノに姿を変えてしまった。
戦いの結果を変える?いやいや、そもそも第三次世界大戦には、勝利者はいない。
なぜ始まったのかもはっきりしない、誰と誰が何のために戦っていたのかも、定かではない。
それがなぜか、アインたちの記憶の中に残っている。
アインが見ている、恐ろしい夢とも関係があるのか?とも、アインは思っていた。
アイン「というわけで、そのタイムマシンというのが、まもなく開発の最終段階で、日の目を見るのも間近だ。」
ガンツ「おい、ちょっと待て。そのタイムマシンで過去の時代に行ったとして、もしかしたら、もう元の時代には戻れなくなってしまうということにはならないのか?」
タカヤス「そうなると、もう一生、そっちの時代で過ごすことにもなりかねないな。」
アイラ「えーっ!そんなことになっちゃうわけ!?」
しかしもしも、本当に第三次世界大戦を阻止したとしたなら、その時代だけでなく、その後の未来の時代にも、間違いなく影響が及ぶ。
そうなったら、それこそ、ただの柴犬ごときが、
世界を変える大発明をして、大偉業を成し遂げたということになる。
オブリガード「そうしなさい。第三次世界大戦を阻止することで、あるいは、約8000年後の我々の時代にも、影響を与えるかもしれないからな。」




