キツネ族
よくよく考えると、ケモミミだって、耳以外は、
ほぼほぼ、人間と同じなんだよな。
だから、人間もケモミミも変わらないんだ。
ただ、ケモミミは人間の優れたところと、それぞれの動物の優れたところを、持ち合わせているというからね。
放射能除去装置、というのを開発する必要がある。
先の大戦で、大半の土地が放射能に汚染されてしまったけど、俺らの住んでいるあたりは、奇跡的に
放射能の影響の少ないところだった。だから集落や居住区も作れたし、農業や畜産も、自分達が食べていく分くらいなら確保できている。
風評被害とか、気にすることになったかもしれなかったが、どうせ自分たちの食べる分だけだ。文句を言いにくるような連中とかもいない。
ここまでがアイン目線 ここからがミム目線
私は、キツネ耳族のミム。同じキツネ耳族のお友達も招いて、今日はダンスパーティーなの。
私たちは、ダンスが得意な、踊りの民族。戦闘の時の得意技も、踊り系が多い。
ハッスルダンスは、HPを回復するし、ハッスル音頭は、ステータス異常も回復するの。
古来より、キツネ耳族に伝わる、踊りの一種なの。
このところ、アイン君はとても忙しげに、駆けずり回っているらしいの。なんでも、タイムマシンを発明して、過去の時代へ行くつもりなんだって。
それならついでに、キツネダンスの源流についても調べてきてほしいなと、注文つけようかな。
次の瞬間、空の上で何かが開くような音がした。
どうやら、この世界と異世界をつなぐ扉が開かれ、さらには、先の大戦前の時代と、こちらの時代とがつながり、いつでもそれぞれの世界、それぞれの時代を行き来することができるようになったという。
そうなると、招かれざる存在、たとえば魔物や、しまいには魔王まで、こちらの世界に来る可能性もあるということになる。
そんな、大変なことが起こっているなどとは、この時の彼らは、まだ思いもしなかった。
空が、うごめいている。まるでオーロラのように。
そして、そのうごめきは、いっそう活発なものとなっていく。
私は、私だけは感じ取っていた。何か大変なことがこれから起こるんじゃないかと。
タイムマシン開発している場合じゃないんですけど。
ヤバいんですけど。
今いる世界が、いちおうは現実世界。それとは違う世界が、異世界。私たちと同じような人たちが暮らす世界もあれば、悪魔や魔物が暮らす世界もあるってこと。
あ、それから、全然関係ない話なんだけど、エナジートレインの試運転と称して、貸し切りで乗りに行っているらしい、アイン君。
もっともらしいことを言って、自分がそれに乗りたかったんだと思った。
ちなみに私の踊っているハッスルダンスと、ハッスル音頭。
ハッスルダンスは?
そーれ!ハッスル!ハッスル!
ハッスル音頭は?
はあ~!踊り踊るなら、ハッスル音頭!
みんなで踊りたいな。こんこん。




