発明家アイン【アイン目線】
20XX年、世界は核の炎に包まれた・・・。
どこかの国の、馬鹿な指導者が、核のボタンを押したんだ。
そのせいで、全ての文明は失われ、さらにその後、約8000年もの間、空白の時が続いた。
西暦でいえば、今は10000年くらいという。
新たに発明するのも発明なら、既に失われた文明の技術をよみがえらせることは、何というのかな?
「今日は、重大発表がある!
その重大発表とは、なんと『エナジートレイン』の建設だ!
『エナジートレイン』とは、エアカーが『エナジーライン』の中を走るように、エアトレインという、未来の列車が走る最新システムのことだ。」
一同、この発表に驚いたようだった。
「世界大図書館に置いてある本を読んで、ヒントを得た!
昔のSFの本にも、空飛ぶ列車のことが書かれてあった。そこから着想を得たんだ。
生成AIというものの画像の中にも、そういったものがあり、そこからも、着想を得た。」
それがついに、この時代に実現する!
「ちなみに、『エナジートレイン』の発想は、僕らが最初に考え付いたと思っていたけど、実は昔から、そういうものを思い描いて、いつか実現したらいいなと、思っていたんだな。」
それもこれも、第三次世界大戦さえ無ければ、あるいはもっと早い時代に実現していたかもしれないのだ。それなのに・・・。
『エナジートレイン』は、手始めに『アインの集落』と、『世界大図書館前』とをつなぐ予定だ。
『エナジートレイン』の開通をきっかけに、アインは大発明家へと突き進み、そして、この時代の生活環境も、劇的に変化していく、その第一歩を踏み出したのだった。
しかしながら、昔の文明の痕跡は跡形も残ってはいない。
『世界大図書館』と、そこに所蔵されている本だけが、かつての文明の唯一の痕跡といってもいい。
これらの本が、どのようにして、約8000年もの間保管され、現在この場所にあるのか?
知恵の統治者と名乗る人物も、いまだにその姿すら現していない。果たしていったい何者なのか?
全ては謎のまま。そして、その謎を解き明かすことこそが、この物語の核となるのである。
ガンツ「なあ、どうやって、そのエナジートレインというのを建造するんだ?
言うだけなら簡単だが、建設のための資材とか資金とか、あとは人員とかの目処は立っているのか?」
「それなら心配ないよ。このタッチパネルに、このあたりのマップが表示される。
タッチパネルに表示されたマップに、タッチペンを使って、エナジートレインを配置していく。
すると、あら不思議、一瞬にしてエナジートレインの配置完了となる。
さあ、外へ出てみるんだ。あれがエナジートレインだ。」
一同、外に出る。すると、エナジートレインの車両と、駅舎と、高架橋、さらには自動改札機まであった。
タッチパネルと、タッチペンを使ったゲーム機が、一時期流行ったことがある。その原理を応用したのだった。
ガンツ「すげえ!本当にこんなことができるんだな。
だけど、今度は乗客をどう確保するかだよな。いくら車両だけ立派でも、乗客がいなかったら、資金も確保できないし、運営も成り立たないよな。」
「それは、これからだな。どこから呼び込むか・・・。」
アイラ「すごいわ!アイン。そのタッチパネルと、タッチペンがあれば、何でも建設できるのね。」
「いや、今のところは、このエナジートレインだけなんだ。
これから乗客を呼び込んで、人口を増やしていけば、またさらに新たな建物や施設を建設していくことができる。」
こうして始まったのが、『街づくりモード』だ。
『ケモミミ族の世界に転生~』
序章・第1章 完結




