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店主タンハサナ
のぞん美はウキウキしすぎながら次々に装飾品を吟味していた。
妹のあまりに無邪気すぎる姿を見て骨太は昔こんなことがあったなとふと思いだした。
生前のことを思いすのは滅多にないことだった。
まん丸な体をした店主が現れ話しかけてきた。
『オラッタはタンハサナ言うんよん。本当は装飾品だけを作りたかったんだけんどん。それでは生活できないからこの武器屋を継いだんよん。』
店主はツバのしぶきをはきだしながら説明した。
『ご自慢の作品なんだよん。ゆっくり見ててってねん。』
無邪気すぎるのぞん美に向かって店主は満面の笑みで言った。
どれもこれもいいとのぞん美はワクワクしていた。
他の者は贔屓目に見ても素敵には見えなかったのだが、のぞん美だけは気に入っていた。
無我夢中ののぞん美はひときわ目立つた不格好で巨大なオブジェトが気になり近づいていった。
それは店長の体にそっくりだった。
のぞん美は何もないところで氷の上にいるかのように滑り空中を一回転して豪快にオブジェトにつっこんでいった。
オブジェトは鈍い音を発しバラバラになった。
それを見たヤシヒロは一回転するかの様に揺れていた。
プラン、プテラン、タクミメンバーは口を開けたまま固まっていた。
のぞん美は昔こんなことがあったような気がした。
骨太も昔こんなことがあったなとふと思いだした。




