攻略マニュアル?
ヤシヒロは自宅のベットに寝転がりながら時代小説を読んでいた。
部屋はあらゆるジャンルの小説やらゲームやらであふれかえって床が抜けそうなほどだ。
時間を忘れ寝るのもご飯を食べるのも忘れてのめり込むのが日常茶飯事だ。
一冊読み終えた時、家にいたはずなのになぜか芝生の上で寝転がっていた。
気づくと持っている本が黒色になり大きく厚くなっていた。
タイトルが『デーマイン戦記を味わいつくそう』と金色で刻まれていた。
ヤスヒロは自分が外にいることよりも本の中が気になって開いてみた。
その本の中にはデーマイン戦記というゲーム?の攻略情報が載っていた。
町の地図が載っていてスタート地点と今いる場所と町並みを見比べて見ると完全に一致している。町は中世風の作りだ。
ヤシヒロは不思議なことが起きているが慌ててもも仕様がないので攻略本通りに行動することにした。
町の地図が記されていて重要イベントが発生する場所に番号がふられていた。
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最初の町 ローンシフト
1 時計台 まずは時計台にいる人物に話しかけよう。全てはここから始まります。
2 …………
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ヤシヒロは攻略本通り時計台に向けて歩いた。のだがご飯屋を見つけた途端お腹が減っているのに気づいてしまった。
食欲のまま店に入りライスを中心に頼み貪欲にむさぼり食う。
お金を持っていないことなど考えていない。
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注意:スタートした地点では持ち物は本しかありません。寄り道しないで時計台に向かいましょう。
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ヤシヒロはマニュアルをよく読まずに行動したせいで食い逃げするしかなかった。
店員の隙を見て逃げだしたが運悪く見つかってしまった。
『待てぇ!コラー!!』
怒声が響く中、一目散に逃げ出す。
だが追ってこない、助かったようだ。
攻略本が少し黒さを増したような気がした。
時計台に着いた。そこにいる少年に話しかけるやいなや
『勇者様!!』
温かい返事が帰ってきた。
『オラが勇者?』
『その漆黒の本、間違いありません。団長が待っています。一緒に来てください。』
近々魔王が復活するその対策の為に結成された『無限の夢団』にヤシヒロはたどり着いた。