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宿屋の娘の恋事情。  作者: 潤ナナ
第一部.宿屋の娘。二節.冒険稼業。
21/24

07。

 リズロン・プロンピエ氏。


 二代目、プロンピエ商会の会頭だ。

 先代は農民だったのだと、彼は言う。

 リコファニア王国の北方の国境に程近い小さな農村で生まれ育った先代。彼の村は穀物、特に主食である麦類の育ち難い土地であると言う。

 そこで、村では芋類を中心に豆や香草を育てていた。


 食糧の自給が出来るようにはなったが、逆に余る芋等の処分に困った。

 小麦や大麦が殆ど無い村に等、誰が買い付けに来ようか。

「俺、赤芋と長細芋。売りに行ってくる!」

 成功者になる切欠は、こう言う誰にでも思い付くことなのだ。

 芋を売って、稼いだ金で商品を買う。その商品をまた売って、その金で商品を買い付け、又々売る。

 そうしているうちに、先代は商人になっていた。


 二代目、リズロンは言う。

「先代は生涯、農夫だった。赤芋がもっと甘くなるように、改良を重ね。砂の多い村の土壌でも育つニンニクを栽培して、肉料理に合うと評判だよ。と喜んで、野菜を売り歩いていた。肉料理に合うと訊いたから、胡椒の買い付けに出かけ、その道中、食べたキノコが旨かった。と、そのキノコを育てたり……。そう言う人だった」


 だから、屋号が、農夫(プロンピエ)なのだ。と…………。


「それだから、伯爵閣下が自領で、甜菜を育てたと聞いた数年前、これは好機!と思ったね。それで、先代のノウハウを持ってショーラ領の領主。お嬢のお父さんに会えるように取り計って貰えるよう、根回し。。。必要無かったよー。只、宿に行って、ごはん食べて、お話しするだけだったんだよねー」


 根菜だけに根回し………。




◇◇◇

 丁度、夕食の始まる時間、冒険者組合から王都ラ・ジャンブで取ってある宿に戻った私達は、ことの顛末を報告した。


 勿論、今回の護衛の依頼主であるリズロン様にである。

「そうか、ではカレン嬢の用事が終わるまで、滞在しよう。

そうしよう」

「お、お待ち下さい。旦那様」

「何だ、シアン君」

 今回の商隊で、御者も行っている番頭のシアンさん。私を睨んだ?かしら。

「出立が遅れますと当然、ウィスペルへの帰還も遅れます。今年の最後の決済時期ですよ。困ります」

「いいや、困らんよ?だって僕の商会、優秀でしょ?本店の者達で充分大丈夫!」

「で、ですが、このような小娘の都合に合わせる必要があるとは思えませんです」

「―――あのねえー、シアン君。君の言う小娘だが、いい話し持って来たんだよ?大体、君はカレンデュリア嬢を侮り過ぎっ!あの伯爵の娘ってだけでも、そりゃあスッゴいの!お嬢の冒険者階級(ランク)知ってる?功績知ってる?彼女を誰と誰と誰が、懇意にしている?そして、何故そう言う方々に好かれて居るのか知ってるでしょ?その都度、好機が訪れているのを君は知らないのかい?そう言うこと!」

「だから、この娘の滞在期間に合わせろ、と?会頭、彼女は不幸にも着いたその日に拐われたんですよ!不幸を呼び込む子どもなのです!」

「そして、好機も運んで来た。速効で、だ!」


 儲けの好機(ビジネスチャンス)も分から無いなら、君はクビ。と言うリズロン様です。




 軍の頓所での事情聴取を終えた私達四人は、この町の組合長アルバン・アフリア様に連れられ冒険者組合の建屋に招かれた。


 雑多な組合内です。きっと十代前半の女の子なんかが現れた途端に、「ここは餓鬼の遊び場じゃ、無ぇー」とか、「ママのおっぱいシャブっとけ、餓鬼が」といちゃもん付けられたりするのだろうな。ご多分に漏れず案の定、数名の強面の方が近寄って参りました。

「おはようございます!」

「ご苦労様ですギルメ!」

 ―――れ、礼儀正しい。口調もだが、真っ直ぐ伸ばした身体をアフリア様に対して、45度の礼を取っている!

「やあ皆、こんにちは。息災かい?」

―――――はっ、おかげさまで―――大した怪我も無く―――元気です―――生活も、なんとか―――――。。。

 座って呑んでいた男性も。少々、口論していた者も。女性冒険者にちょっかい掛けていた男性も。皆立ち上がり、アフリア様に頭を下げた。

「何だ!?」「どうなってんの?」

 双子達の驚きは、私も同様。どう言う状況なのでしょう?


「気持ち悪いな普通じゃ無い。異常だ。カレン様、早々の退出が賢明、と私は考えます」

 ああ、異常なのだ。ジョゼの言う言葉が、しっくり来る。これは……、ここは異常な場所なのだ。

(異常なマナの揺らぎ……、マナの振る舞いがおかしいよカレン!これって、威圧、とは違う。カレン逃げた方がいいかも!)

 双子のレアとベルが顔を赤らめ、内股でもじもじとしていた。

 何を……何をいったい。

「貴様!いったい何をしたっっっ!!!?コトと次第に拠っては………」

 意外、私短気だわ。。。


「ああー、すまない……」

 眉を少し下げ、困惑したかのような表情の組合長は、「ん、うぅんっ!」っと、咳払いをした。

「皆、そのまま楽にして、私は大丈夫。問題無い。職員も自身の仕事に戻ってくれ。――――あー、カレンデュリア嬢、それと、レア嬢、ベルナデット嬢、ジョゼフィーヌ嬢。すまなかった………」

 そう言った彼は、ちょっぴり項垂れ、先に階段を上がる。それに続くように、組合職員の女性が、「こちらへどうぞ」と、私達を促した。


 通された部屋はちょっぴり豪華で、奥の棚の前に大きな机。ウォールナット材であろうか。が、鎮座している。

 棚には、背表紙が銀で縁取られた本が所狭く並び、所々に透明な淡い色の板が挟んであった。

 壁に大きな姿絵、男性の絵が掛けられている。おそらく、ペニンスラの国王陛下、であろうか。

 気になったのは、もう一枚の絵。

「礼儀を弁えず、不躾な質問。よろしいでしょうか?組合長様」

「ああ、構わ無い。が、その前に謝罪したい」

 私達にソファーへ座るよう手振りで促し、私達が座るのを確認してご自分も一人掛けのソファーに腰掛けた。

 お茶を入れた職員が退室、そこで漸く口を開いたアフリア組合長であった。

「先程は、失礼をしてしまった。どうか、許して欲しい」

「あれは、あの魔法は、何でしょうか?私の友達……。私の従獣にも、理解が追いつか無い、と。威圧に似た感じと……」

「魅了、だ。―――」

 感情が昂ると上手く制御出来無く、時々組合受け付けの所で見たような現象……状況になるのだ。と、アフリア様は仰った。

「感情の昂り、と言っても怒りや憎しみと言った、負の感情じゃあ無い。そのぉー、嬉しい、とか、大好き。そう言う感情の時に、、、ああー、恥ずかしいぃぃーーーっ!

 ま、謝罪は以上。。。改めて、自己紹介を………。私は、アルバン・アフリア。ここの組合長で、大陸西地区の統括組合長(グランメートル)を兼任している。43歳、独身彼女無し婚姻歴無し。それで、この国の王弟で公爵位を賜っている。本名は、アルバン・バート・スウルスと言う。因みに、アフリアは私を生んだ女性の家名だ」

「……ではあの姿、閣下のお兄様……国王陛下ですのね。あっ、し、失礼致しました……」

「いいや、構わ無いよ。まあ、兄だ。では、自己紹介をお願い出来るかな?詳しく、ね?」

 時折、ドキッっとするのは……、魅了では無いのですか?ネージュ。。。違うのですね。

「私、わたくしは、リコフォニアの王都ウィスペルで、『白竜の窖亭』と言う宿を営むエリエンスの一人娘、カレンデュリアと申します。ですが、呼び難い名なので組合員証の明記は、『カレン・リシュー』とさせて頂いております。それと、従獣のネージュです」

『初めまして。カレンの友だと思っているネージュだ。名前が、アレだが、立派な雄だ』

「ネージュ。君はカレンと主従契約しているのだろう?」

「いいえ」『いや』

「そう、なの?それにしては、大人しい。と言うか、カレンデュリア嬢に付き従って見える。何故?」

『それは、ボクが一人ぼっちだったから……。カレンの男親が、ボクを拾って、ボクにカレンの友達になってって頼まれたのさ。だから、友には従うし、間違えば叱る。対等だからだよ?』

 お父様は、只貴方を拾った訳じゃ無い。貴方の親を殺したの。だから、罪滅ぼし、贖罪……。お父様の身勝手で貴方を孤独にしてしまったの。

(知ってる。)

 えっ?ネージュ。それじゃあ貴方、何故………。

「ええ、ですので、契約等、不要ですの」

「なる程……。そう言うものか?神獣との付き合いと言うのは……」

「カレン様、もう宜しいですか?では私、―――お初にお目文字致します閣下。私はカレン様の侍女、ジョゼフィーヌと申します。カレン様至上主義の女です。見姿がこのようなので、誤解をされやすいのですが、12歳です。お見知りおきを」

「「次、わたし…」」

 おい、先にわたしだ。わたしが姉だぞー!いいや、おまえ、妹だろがー!姉が先にー!なら、先はわたしだー!

―――ポカッポカッ。。。

「「イッテーぇ!」」

 何すんだ!ジョゼてめぇ痛えーよぉ!

「いいから、レアからやれ!」


「レアです。双子です。得意なのは剣、薙刀、それと魔法……、は、やっぱ、お嬢様には敵わ無い。お、お嬢様一番の侍女です!」

「おい、一番はわたしだ!ベルナデット。十歳。お嬢様と同じです。武器は殆ど得意です。魔法、力。少し、レアに負けますが、身体強化が得意。以上!」

 隣国、とは言え普通、貴族……。公爵閣下の前でケンカとか、してはいけません!

 宿に戻り次第、注意を致しましょう。

「粗方、自己紹介は終わり、だね。で、最初に何を訊きたかったのかな?カレンデュリア嬢。カレン、でいい?」

「はい、カレンで、閣下」

「私も『アル』と呼んで欲しい。小さな淑女(レディ)達」

「で、では、アル…様。ぇえー。あの、あちらの絵画、についてお訊きしても?」

「ああ、いいよ。単刀直入に言うと……。いいや、ぶっちゃけ、初恋の人。今でも愛している。まあ、尤も片思い、なんだ。告白もしていない。その人の姿絵」

「「ええー!公爵ロ…」ロリコン!?」

「ええーと、絵の彼女、カレン様にそっくりですが……。公爵閣下()カレン様を、そのぉっ、お、オナベットにおつ、お使いですのですか?………わ、私も、、、」

 いや、待て待て、おおーい。ジョゼ、私を使っているのか?訊きたく無い告白を今、訊いてしまった。訊いた私はどうすることが、正しい?教えて!ネージュもん!

『ボク、便利な道具とか無いよー』

 そ、そんなことより、絵。あの絵の方、私では無いわ。似てはいるけれど。あの少女、ひょっとしたら……、多分。。。

「そう、カレンが思っている通り、カレンでは無いよ。今の彼女もいいおばさんだろうね。その彼女が幼少の……。いいやもう12歳の頃のだから、少女時代の彼女の姿絵さ」

 自身の秘密を吐露(カミングアウト)しちゃったわ、閣下。と言うか、確信してしまった私。

 そう、その絵は姿絵、と言うより脈動的な少女が描かれた風景画。

 その風景を私は知っている。描かれた雪を被る山脈、その一つの山が、『白竜山』だと言うことを。彼女の持つ花は、薄雪草。ショーラ山脈でのみ自生しているお花。。。

 そして、今にも駆け出そうとしている少女、黒髪で、黒い瞳……。いいえ瞳の色は、多分、紫。フェリシー殿下、第一王妃の。。。

「閣下……。失礼。アル様は、我が国に留学なさったことがおありなのですね?」

「いいや。何故、そう思う?」

「いえ、えーそのぉ、その絵の風景が、我が国の私の知る所に似ていました。ので……」

「当たり!……半分当たり。私はリコフォニアに留学したことは無い」

「では何故……」

「私は、知っての通り冒険者だ。(ドラゴン)がいる。と訊けば、戦ってみたくなる。で、竜が居ると噂される場所へ行ったのさ」

「それが、リコフォニア王国の絵の所であった、と……」

「ああ、その通りだ。で、知り合った娘が、この絵の子。もう、一遍に

 堕ちたよ。恋にね」

 でもね……。と、少し悲しげで、何処と無く懐かしむ、そう言うお顔で公爵は続けた。

「彼女には、夢中になっていた男性………、と言っても、人じゃあ無かった。彼女が恋をした相手は、大きな白い竜だったんだ」

 白竜!これ、完璧にアレでしょう。ああー、気付くなっ!気付くなよおぉ、ジョゼ………、あっ、気付いたっぽい。おいっ、おいおい、そんな、、瞠目したまま顔を私に向けるな!困るだろう?もし、双子に知れたなら…………。

「彼女が恋する竜は、私が戦いを挑みたい相手だったのさ。もう、私は泣いた…」

「「で?」」

 おい、双子。不敬だぞ。

「戦ってみた。歯が全く立た無かった。結論から言うと鮸膠も無く失恋した。まあ、そうだろう。十歳も年上の私が、十代前半の子どもに恋したのだから…。しかも、戦って、その竜の鱗をちょっと傷付けて、鱗数枚貰ったものだから、彼女は泣きながら私を叩いた。綺麗な彼を傷付けた悪人って、私を罵りながら、ね」


 何となく、部屋に静寂が訪れた。気がした時、唐突にドアが開いた。先程の組合職員の女性が、ポットとトレイを持って入って来た。ドア、どうやって開けた?

「リュシオル、おまえまたノックをしない。必ずノックをしなさい!入室の許可を得て入りなさい|それと、扉を足で開けない閉めない。何度言えば………」

「お茶のおかわりお持ちしゃーしたっ。と、女の子ばっかだったんで、甘いの多めに持って来たー……」

「リュシオル。。。お願いだ。言葉遣いと、口調にも気を付けて下さい。………何故、おまえ座るの?そしてティーカップ……何?自分の、なの?何でぇ!?……はぁ、おまえもお茶する、って、来客中。……関係無いの?可愛いは正義。何を言ってるの?分から無いよおー!」

 何故か、職員さんが私の横に座った。いや、座れ無いですよ。一人掛けですし……。ああー、強引!座った挙げ句、私を、私が、抱っこされたあーっ!


「リュシオル。おまえ、何をやっている?」

「抱っこ」


「や、見れば分かる、が……、何故に抱っこかと……」

「可愛いから」

「――――。来客中」

「それ、さっき聞いた。いいじゃん!組合長っばっか、いい思いしちゃってさぁー。私も混ぜてー!混ぜ無きゃ、混ざるからー!」

 何だか分から無いウチに、お話しは有耶無耶になり、職員のリュシオルさんがお菓子のうんちくを仰って、公爵閣下は哀愁漂う、筈であったのにうんざりした様子……、の割には、楽しそう。

 そんな、ペニンスラ王国の王都冒険者組合の午後の一時でした。




 やはり、私のお母様は、第一王妃のフェリシー殿下。今、フェリシー殿下、ローズ=マリー殿下。陛下もお年は29、30歳だったと……。アレぇ?アルバン閣下、確か43歳だと……、うおおーい、ロリコン公爵!年の差、十歳って言わなかったっけ?13~4歳差じゃんっ!

 次会ったら、そこ突っ込もう!

 じゃあ無かった。

 お母様が、妃殿下。婚約者のルーメンス殿下は王子……。って、、、っあ、大丈夫、かー。ルー君のお母様、実母は、第二王妃、ローズ=マリー殿下。私の実母は王妃だけれど、ルー君の実母じゃ無い。

 つまり、私達に直接の血縁関係は、無い!ってこった!!!問題無し。

 ―――血縁的なことは………、ね。。。




◇◇◇

「あのぉ、リュシオラさんいらっしゃいますか?」

 ペニンスラ王国王都ラ・ジャンブの冒険者組合。昼近い今の時間、何処の組合も空いている。

「おい、ねーちゃん。オメェ見ねぇー顔だなぁ?どうだ、ソロなら、俺と組まねぇーか?」

「――――――。いらっしゃるのですね。では、カレンが来た。と、お伝え下さい。お忙しいようでしたら今、」

「おいおいぃ!無視してンじゃ無ぇーよぉ!痛ぇ目見てぇンなら、ベッドの上で―――ウガァ……」

「――――――ああ、そうですか。では、そこでお待ち致します」

 私は、ほぼ八年ぶりにお会いする陽気……自分の楽しみ方を押し付け、ご自分の世界で引き回し、楽しむ陽気な方。


間も無くいたしたリュシオラさんは、すっかり大人の女性になっていた。

「なあーに、暫くぶりどころか、スッゴく久し振りぃ。なのに、失礼なこと考えてたでしょ?」

 そう言いながら、小さな子を抱いた女性、リュシオルが私のテーブル席に来る。


「ねーさんねーさん、リュシーねーさん。なんスかその女ぁ!?」

「そうですリュシさん。こいつ、誰なんです?さっきマッドのやつ、この女に、そのぉ、ちょいと声掛けてまして、俺等見てた筈なのにいきなりやつ、転がって、泡吹いて……」

「あー、そりゃー、カレンちゃんに悪さしたら、そぉーなるだろねえー」

 あーよちよちいい子でちゅねー。子ども、……赤ちゃんあやしながら、「あたし、エールぅ」とか注文している彼女。

「あのっ、リュシオルさん赤ちゃん母乳なのでしょう?エール何か呑んで平気なのですか?」

「大丈夫大丈夫。ウチのカレンは強いのよ?」

 え?今、何て?カレン??

「あのおー、聞き間違えかしら?女の子ですよね!お名前は?」

「ふっふーぅ、知りたい?っとねぇー、カレンデュットよ!」

「何だろう?私に似たお名前。ですねぇ」

「そりゃそおよー。貴女の名前貰ったんだもんっ!」

 貰った?って、あげた覚え無いわ。

「そ、そう、なのおー。そう言えば、もう五歳よね。えっとぉ、上の子、男の子!」

「ええ、もう直ぐ六歳よエルエンシール。可愛いわよおー」

「おい、リュシオラ!どう言うことか、説明しろっ!」

「長男のエリィは、貴女のお父さんから名前、頂いた」

 いや、お父様お名前あげて等無いわ。


「て言うかあー。だいたい、なんでここにいるのカレンってば?」

 それはあー。ああーーーー。。。


「ウチの旦那様、貴女の結婚式に出席してる筈じゃん!っつか、なんで主役のカレンデュリアが、この国に居るのか、言えっ!」

 そ、それはあー。ううぅー……………。。。


「みなさあーん!この女ぁ、カレンデュ、、、黒い突風(ノワールナファール)はぁー、隣国の王太子と10日前に結婚してたはーずぅでぇしたあー!でもぉー、どうやら逃げて来たっぽいですよおー!笑うわああぁぁー!!!」

「や、止め、止めろおおおぉぉぉーーー|||」

 あああー。。。恥ずかしい。なんなんだコイツぅぅぅーーーっ!って、こう言うやつだったあーっ!


「黒い突風!?」「この女の子が?」「黒い突風って、名が訊かれ始めたのって五年前……」「違う。七年前くらいだ。私の記憶が確かなら」「なら、見た目通りの年じゃ無えって」「エルフ?」「いいや、黒髪出し胸あるし…」

――――――――この女、年幾つだ?


「18。よねカレンデュリア」

 そうだけど。。。

「で、どうしたの?お姉さんに教えなさい」



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