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ネコは日常を駆ける  作者: Thi
ネコとかいぬし
5/10

05

 

「さすがにこの暑さは耐えられねぇ」


 午後の授業が無いため、早々に帰ってきた俺は居間の冷房を真っ先に付ける。


「にう……」


 どこかにいた同居者もふらふらと足下に寄ってきた。そのまま通り過ぎて、冷房の風が当たるところで丸まった。どうやら、彼女もこの暑さにやられていたようだ。


「あー、つけっぱなしも考えるか……」


 今までペットを飼ったことなかったから考えたことは無かったが、室内飼いだと付けっぱなしの方が良いんだろうな。でも、キーはちょくちょく勝手に外へ出かけているみたいだし……。この間は隣の家の中に居たらしいし。


「にうー」


 こうやって考えると、随分と自由だな、こいつ。他の猫もこんな感じなんだろうか…?


「ま、他の猫のことを考えても仕方ないか。キー以外に飼うつもりないし」


 …


 ……


 ………


「お兄ちゃん、いる?」

「おう、居るぞ」


 そう言えば、ラノベとかギャルゲーだと主人公になれる環境してるんだよな、俺。両親居ないし、そのまま一人暮らししてるし。隣の家に幼馴染みは居るし。あとは、幼馴染みより美少女と出会えば完璧だな、うん。


「?」

「いや、幼馴染みより美少女って割と範囲広いなぁ、と」

「いきなり酷いね!?」

「にーう」


 キーからも非難の声が挙がる。いや事実、大学に一杯居るからな。……こっちがあまり話しかけないだけで。


「……ぐぬぬ、ライバルは蹴落とす? いや、既成事実の方が早い?」

「何か言ったか?」

「お兄ちゃん、質問があります」

「何だ?」

「人口を減らす方が良い? それとも増やす方が良い?」

「???」

「にーう」


 一体、突然何の話だ。ほら、キーも呆れてんぞ。そう言えば、この間買っておいたアイスがいくつか残ってたな。


「お前も食べるか?」

「はっ、これは色気でゆうわくするちゃんすでは…?

 お兄ちゃん、棒アイスが食べたい!」

「……かき氷しかないけど」

「なんで?! こういうときって、そう言うもの用意しておくんじゃ無いの?」

「いや、なんでって言いたいのはこっちの方だよ」


 ……全く。とりあえず、ふたり分のかき氷、レモンといちご練乳か。レイは柑橘系が好きだったはずだな。


「ほら、レモン」

「ありがとー」


 さて、俺はいちご練乳……って、この蓋、固いな? っと、ちょっと練乳が服に跳ねたか。


「ちがう、ちがうのっ、そうじゃない、それ私の役目っ」

「?」

「にーう」


 ……よく分からん幼馴染みだなー。ほら、キーもまた呆れてる。

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