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僕ら古代遺跡探検隊  作者: タカリンク
第1章 4匹の妖精編
4/9

第2話 『モノ』の心

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ーー次の日。

非日常なことが昨日起こりすぎたせいか俺は珍しく早起きだった。

時刻は午前6時。ここまで早く起きたのはもしかしたら初めてかもしれない。

あの子はまだ寝てるかなと思ったが、俺よりも早く起きていた。

その子は本棚にあった不思議な絵本を持ちながら、じっと俺の机の上に置いてあるマフラーを見ていた。


「......あなたはサグルを愛しているのですね」

「誰が俺を愛してるの?」

「あ、サグル。おはようございます」

「おはよう」


愛しているってマフラーに向かって言ったのか?

それって、マフラーの言葉が分かるとか?

......それはないか。いくら、この子でも『モノ』の心までは読めないだろう。

まあ、読めるほうがおかしいけど。

だから、誰か別の人とでも話していたに違いない。


「誰と話してたの?」

「いいえ。このマフラーの心を見ていたのです。サグルはこのマフラーにすごく感謝されていますよ」

「え?マフラーに?......それに心って?」

「『モノ』には必ず心があります。私は『モノ』とは話せませんが、どんな気持ちなのかを見ることはできます。だから......」


その時、この子が持っていた絵本が動きだし、俺に寄ってきた。

俺は突然の出来事に唖然としてしまった。

絵本が動いた。

それだけで、驚く理由としては十分だった。

絵本はパラパラとページをめくり、俺に『読め』と言っているような動きだった。

ページを見ると、続きが描かれていた。

俺は絵本を手に取り、描かれていた続きを読む。


『なまえをきいたしょうねんは、ようせいのおんなのこといっしょに、しれんにたちむかいました。ふたりはがんばってみっつのもんだいをとき、しれんをのりこることができたのでした』


絵本の話はここで終わり。

というよりも、絵本のページ数がもうなく、これ以上描けない状態になっている。

そのせいか、昨日の出来事をかなり簡略化されている。


「この絵本は『未来絵本』。この絵本に描かれた文章や絵は必ずその通りになります。そして、これは私たちが作った......(いにしえ)の秘宝です」

「君たちが作った!? じゃあ、この絵本が動いてるのはなんで?まさか......」

「心があるからです。私たちが作った『モノ』にはみんな自我があります。未来絵本はその中でもかなり強力なものですけど」


『モノ』には心がある。

それは、母さんの口癖と一緒だった。

モノは大切にしないといけない。モノは優しく丁寧に使ってくれる人を愛する......

だけど、本当に心があるなんて......


「丁度いい機会です。昨日のことも含めて、少し私たち古代人のお話をしましょうか......」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


私たちは、『モノ』を作るのが大好きでした。

人々の生活や仕事に役立つような『モノ』を作り、より便利にさせるのが目標でした。

そこで、私たちは考えました。

『モノ』に心を込めよう!

そうすれば私たちも『モノ』もみんな幸せ!......と。


そして、次第に『モノ』を作っていくうちに、『モノ』に自我が芽生えました。

『モノ』は私たちのために精一杯の努力をしました。

料理、掃除、建築、遊具、勉学......『モノ』は私たちに必要とされるのが何より嬉しかったのです。

いつしか、『モノ』も家族のような存在になり、私たちの世界では『モノ』に自我があるのが当たり前のようになったのです。

こうして、私たちと『モノ』は互いに協力し合い、これからも共に生活する仲間となる......はずでした。


『モノ』は私たちに頼られるのが好きと分かると、私たちは逆に何もしなくなりました。

ご飯を作るのも『モノ』。

掃除、洗濯......と生活の作業は『モノ』が全てこなす。

そんな生活を送る人たちが増え始め、ついには『モノ』を作るのをやめてしまいました。

『モノ』自体が『モノ』を作れるようになったからです。


しかし、ある一人の古代人が言いました。

『何もしなくなった俺たちを『モノ』は支配しようとするのではないだろうか。今の立場を利用し、『モノ』は

俺たちを逆に使う側にするのではないか』

これをきっかけに、私たちと『モノ』の間に亀裂が生じてしまったのです。


支配されるのを恐れた私たちは、『モノ』に頼らないようにしようと自分たちで生活するようになりました。

頼られなくなった『モノ』たちは、なんとか自分たちを頼らせようと必死になっていました。

頼られないということは『お前はもういらない』と言われたのと同じだからです。

しかし、私たちはそんな『モノ』の悲しみを聞こうとしませんでした。

そして、使う必要がなくなった『モノ』たちを......

私たちは捨てたのです。


それから『モノ』たちは私たちに攻撃をし始めました。

捨てられた仲間の復讐。

そして、いつ自分が捨てられるか分からない恐怖。

二つの感情が重なり、それは『モノ』を助け合う道具から憎しみの道具へと変えてしまったのです。


この事態を重く見た私たちは、強力な『モノ』を封印することにしました。

『モノ』にもボス的な存在があり、それを封印すれば『モノ』たちの攻撃を収められると考えたからです。

私はその『モノ』の一つの未来絵本を封印しようとしたのですが、逆に返り討ちにあい、試練の洞窟という未来絵本が作った洞窟に封印され、身動きがとれなくなってしまいました。


「たすけて......」


助けが来るのを待ち続けて3000年後......


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「私はサグルに助けられたというわけです」

「そんなことが......」

「でも、未来絵本は今は反省しています。もう誰かを閉じ込めたりはしないでしょう」


未来絵本は申し訳なさそうに静かに本棚へと戻って行った。

確かに反省はしている感じだった。


「封印すると言いましたが私はその気はありません。

ですが、強力な『モノ』......古の秘宝をこのまま放っておくわけにはいきません。そこで、サグル......お願いがあります」

「ま......また?」

「はい......私と一緒に各地にある古の秘宝を取り戻してくれませんか?」


話を聞くだけだと思っていた俺は甘かった。

どうやら、俺は母さんと同じようにトレジャーハンターをやらされる羽目になりそうだ。

















今の目標はポイント10pt目指すことです

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