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僕ら古代遺跡探検隊  作者: タカリンク
第1章 4匹の妖精編
3/9

第1話 3つの問い

クイズやパズル要素考えるの僕は好きです

試練の洞窟!?

そんな名前を聞いたことがない。

もし、この洞窟が見つかっているとしたらテレビや新聞で必ず出てくるはずだ。

つまり、ここは誰も見つけてないし入れなかった場所になる!

でも、絵本には洞窟のことなんて書かれていなかった。

妖精の女の子の名前は......のところで終わっていたはず。

まさか、そのページの続きが書かれていたとか!?

あの時、ただ怖くて急いで本棚に入れちゃったけど......

やっぱり確認しておいた方が良かったのか?


「サグル?」

「あ......ごめん。えっと、ユリアだっけ?」

「はい」

「試練の洞窟ってどういうこと?」


その時、後ろの方でとてつもなく大きな音がした。

振り返ると、さっきまでなかった岩が辺りに広がっていた。

となると、今のは落盤?


「ここにいるのは危険です。洞窟を攻略したら全てお話します!」

「......俺でも攻略できるの?」

「できます!私を信じて!」


無事に帰れるのか?

道具もないし、まだ体力だって完全に回復したわけじゃない。

攻略できるって言われても、怖いものは怖い。

でも、誰でもこういうシチュエーションになったら困惑するに決まってる。

俺も、その中の一人だ。

怖くて......怖くてたまらない。


だけど!!!




震える手を必死に握り、俺は答えた。

「分かった。君を信じる!」

「!!!

サグル......ありがとう」


俺はこの子と一緒に試練の洞窟を攻略することにした。

ここで黙っているより動いた方がいいからだ。

もしかしたら、その試練とやらに失敗して結局助からないってことになるかもしれない。

それでもやってやる。

当たって砕けろだ!!


奥へ進むと前に大きな扉があった。

大きな扉はかなり頑丈に作られているように見えた。

扉を開けることはまず無理だろう。

その時、誰かの声が聞こえてきた。


『ここは試練の間。3つの問いに答えられた者は無事この洞窟を制覇できる。答えられなかった者には死あるのみ』


3つの問いに答えられないと死ぬ!?

どんな問題が出てくるのか予想ができない。

また、後ろの方で大きい音がした。

振り返ると、この子が捕まっていた場所が落盤していた。

じっくり考えてる暇はない!


『では最初の問いだ。地球と月が互いに睨み合うとする。この戦いの勝者は?』


地球と月が睨み合う!?

目があるわけでもないのに、どうやって睨むっていうんだ?


......だめだ。全然閃かない。地球と月の関係を考えると惑星と衛星。月は地球の周りを回っている。

地球も回っているから月は動くんじゃないのか?

だったら、睨むことなんて出来ないはず。

全然考えがまとまらない。

テレビ番組でクイズや謎解きをやる番組は見たりするけどいざ、自分が解答者になると分からなくなる!

大きな音を立て、また一つ後ろの場所が落盤した。

このままだと......

その時、この子が答えた。


「月の自転と公転の周期は同じ。だから、ずっと月は地球に同じ面を向けることができる。戦いの勝者は月!」

『見事だ。次へ進むがよい』


前の大きな扉がゆっくり開いた。

すごい!

俺は全く分からなかった。

この子がいなければ今、俺は落盤の餌食になっていたに違いない。

この子は俺に気づいて笑顔を見せる。

俺を安心させようとしているのだろう。

前方に大きな扉が見えた。

この子に全部任せるわけにはいかない。

俺も答えを導きだせるように考えるんだ!!


『二つ目の問いだ。ある一つの和音を数字に例えるとする。ミの音は3、シの音は4。では、ソの音の数字は1、2のどちらか?』


ミは3で、シは4。

この数字に違和感はない。

1と2のどちらかがソの数字......

俺にはどちらも違うという答えしか出ない。

でも、答えがないなんてことはないはずだ。

一か八かで答えてみるか?

確率は50パーセント。当たればラッキーだけど、外れた場合を考えると......

せっかく、この子が1問目を答えてくれたのにその苦労が台無しになる。

やはり、ちゃんと考えよう。

後ろでまた大きな音が聞こえた。

さっきまで答えを考えていたところが落盤した。

だめだ。焦って何一つ思い浮かばない。

あの子の方を見ると、答えを確信し、笑顔で俺に向かって頷いた。


「ソの数はすなわち素数!1は素数に含まれないから答えは2!」

『見事だ。次へ進むがよい』

「ごめん。俺、全然答えられなくて......」

「大丈夫です。サグルが一生懸命考えているのは分かっています。次も任せてください!」


最後の問題はきっと今までより難しい問題なはず。

ただでさえ、2問答えられなかった俺が到底答えられるとは思えない。

もう少し自分の頭が良ければ、この子の負担もかなりなくなるのに......

思い悩みながら歩いていると、扉の前に着いてしまった。

そして、扉の近くの台座に時計が置かれていた。

答えるのは無理でもヒントぐらいは自分でも見つけられるかもしれない。

ここまで来たからには、試練を乗り越えてみせる!!!


『最後の問いだ。蛇の針を王の場所へ動かせ』


蛇の針?

よく見ると、時計の針が蛇の形になっていた。

蛇の針は4の方向を指している。

時計をよく見ても、『王』らしきものは描かれていない。

たぶんだけど、時計の数字は時間を表しているわけじゃなくて、別の意味を表していると思う。

でも、その肝心の『別』が分からない。


2つ目の問いの場所が落盤した。

まだギリギリ時間は残っている。

俺が、まず思い浮かんだのは干支(えと)

星座も思い浮かんだが、違う気がしてボツにした。

蛇と12個の数字の関係を考えた結果だ。

これが答えだとしたら蛇の針を6に指せばいいということになる。

でも、その6が『王』の場所とは限らない。

他の答えを考えるが、干支のイメージがなかなか離れてくれない。

この子も分かっていないようで、かなり焦っている表情だった。

無理をしている。

俺でもすぐに分かった。

俺に迷惑をかけないように必死になっているのが伝わってくる。

だけど、もうこの子は疲れている......




なら、今度は俺が答える。

考えろ!!考えろ!!!!

俺の後ろ近くがついに落盤した。

もう、タイムリミットは近い!!

俺は突然、閃光のようにピンとアイデアがひらめいた。


......トランプ?

そうだ、トランプだ!!!

『王』はトランプのキング、つまり13を表している。

だけど、時計に13時はない。

何かが足りない。いい線まで行ってる気がするのに。

俺はもう一度時計をよく観察した。何かを見落としている気がする。

......待てよ?そもそも、なんで蛇の針は最初に4の方向を指していたんだ?

もしかしたら、4から始まるのを意味しているのか?

4からスタート4月?

いや、やっぱり星座が関係しているのか?

だけど、確か黄道を通っている星座は12個......





じゃない!!

もう一つある!星座占いとかにはないけど黄道を通っている13番目の星座!

へびつかい座だ!!!

だから、時計の針が蛇の形になっていたんだ!!

4を指していたのは星座を表すヒント。

やっぱり意味があったんだ......!!

あとは、へびつかい座の場所!!


「へびつかい座の場所はどこにあるか分かる!?」

「え?......おさらく、さそり座といて座の間......あ!!」


さそり座といて座の間......11と12の間!!


「王はここだ!!」


蛇の針を11と12の間に指す。

前方の大きな扉は......ゆっくりと開いた。

その時、扉から凄まじい光が溢れ出した。


『試練は終わった。さあ、行くがよい』






気がついた時、俺はベッドで寝ていた。

時刻は午前1時。

夢だったのか......?

しかし、隣を見るとその子は確かにいた。


「攻略したんだ......あの洞窟を」


緊張が解けたのか、一気に眠くなり、俺はまた寝ることにした。






























次回の更新も気長に待ってください!

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