雑務
※プロローグと視点が変わっています。
「まったく面倒なことに.....」
今、俺は生徒会資料倉庫という聞き慣れない部屋にいる。
辺りには生徒会で使ったらしい企画の紙や、署名で集めた紙等が散乱していた。適当に積み上げられたプリント類の中には6年前のプリントもあった。
「うわぁ.....、こんなに散らかってるなんて.....片付けなんか引き受けなければ良かった。」
そう嘆いているのは俺の幼なじみの葉月。明るい色のショートヘア、明るい性格で生徒会に所属している。
生徒会資料倉庫の片付けの仕事を頼まれたから手伝って欲しいと頼まれた。どうせ帰ってもやることないからと手伝うことにした。
が、こんなに散らかってるとは俺はもとより、葉月も予想してなかったらしい。
「なぁ.....俺、帰っていい?」
「私も帰りたくなってきたよ.....。でも引き受けちゃったからなぁ。」
葉月はしぶしぶ片付けを始めた。俺も手伝うと言った手前断るわけにもいかないので仕方なく手を動かし始めた。
今日は期末テストの最終日だったため半日で学校が終わったのだが結局2時までかかってしまった。
「はぁー、終わった終わった。樹、ありがと。」
「にしてもよ、なんでこんなに資料散らかってたんだよ....今まで片付けてなかったのか?」
「そんなこと私に言われてもわかんないよ.....」
だろーな。
葉月は窓から外を眺めている。俺は片付けの際に発掘された過去に生徒から没収されたのであろう漫画を読み始めた。なかなか面白い漫画だったため読み入ってしまった。
「ねぇ、樹。ちょっと来て」
しばらくして葉月が俺を呼んだ。何か見つけたような顔をしている。
「何かあったのか?」
「向こうの山にね、うちの生徒がいたの。」
向こうの山といっても600メートルくらい離れた場所だ。そんな場所に生徒がいたとしてもここから見えるだろうか。
「気のせいだろ?遠すぎて見えねーよ。」
「いるよー。ほら、あそこあそこ。」
指先を追うが木しか見えない。
「見間違いじゃないのか?俺には見えんぞ。」
「じゃあ.....直接見に行こうよ。」
ありがとうございました。