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わなびもり  作者: 世々チーク
第3章
16/24

回想-前編

萌芽のカットした部分の話です。

俺と心咲の山での出来事か...。

だとすると、ここから話すのが1番わかりやすいだろうか。


俺が心咲に好きだって言われたこと。




すっ。


突然心咲が寄りかかってきた。


「心咲?」


「樹くん。君のこと、好きだよ。」


「えっ」

意外なことを言われたので間の抜けた返事をしてしまった。


心咲は俺に寄りかかるのを止めて、

「ん、もう一回言う?」

と聞いてきた。

聞こえてなかったと受け取られたらしい。


「いや、そういうことじゃなくて。」


先程の植物は違うけど人間が他人を好きになるってのは、心咲自身のことを言ってたのだろうか。


「その、好きってlikeの方?loveの方?」


「likeって意味もあるけど、今のはloveの方で言った

 つもり。」


.....。


「嬉しくなかった?」


「いや、すげー嬉しい。......ただ、悪いんだけどさ、

 理由聞いていいか?」


若干失礼な気がするが、一応会ってからまだ日が浅いので聞いてみた。


「うーん.....そうだね.....。」


心咲が指を3本出した。

三つ理由があるということか.....。


一つ目。

「樹くんの行動や言動が植物っぽかった。」

ま た そ れ か。


二つ目。

「一緒に居ると落ち着く。」

そうなのか。一つ目と比べて随分と一般的な理由だった。


「最後の理由は.....」

「は?」



「気がついたら好きだった。」




「.....なんだそれ。1番理由になってないな。」

笑いながらそう言うと心咲も、確かに。と笑った。


「でも、1番しっくりくる理由だと思うな。」

それを聞いて俺は確かにな。と笑ってしまった。




理由を説明した心咲は、また岩に座った。


「好きだ。って思いを伝えられるとさ、付き合うって

 ことを考えるのがほとんどでしょ。」


図星。まさしくそう考えてた。


「でも、ぼくはそうは思わないな。好きなものに好き

 って言っただけだし。」


「じゃあ、今の好きは別に付き合ってくれ。って意味

 じゃねーのな。」


「そうだよ。それとも、樹くんはぼくと付き合いたい

 の?」


「うーん.....特別そう思うってわけでもないんだよ

 な。」


「.....それはそれで傷つく。」


「悪かったな。」



「でも、植物らしい答えだなって思うよ。」


「そのよく言う植物みたいってどんな意味の比喩な

 の?」

前々から気になってたので聞いてみたら、

「.....比喩じゃなかったり。」

と、お茶を濁されてしまった。


その後は何をするわけでもなく時間がただ流れていった。

ありがとうございました。

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