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わなびもり  作者: 世々チーク
第2章
14/24

西風

「え.....」


窓から空を見るともうかなり暗くなってきていた。

この暗さはいつもなら既に帰っている時間だった。


『心咲がどこにいるか知ってる?』


「山だと思いますけど。」


『わかったわ。学校の裏の山でいいのね。今から行っ

 てみるわ。』


「俺も行きま.....」


ガチャッ。


切れた。

会長はかなり急いでいるらしかった。


これ以上暗くなられるとかなりまずい。

そう思って急いで家から出た。



「え、ちょっと樹?どこ行くの?」


玄関を飛び出すと葉月に声をかけられた。


それなりに説明したところで葉月も加わり、山へ向かった。



「うわぁ、暗いね。」


一応懐中電灯を持ってきて置いて正解だった。

昼間とは違い、かなりの暗さだった。

これ以上暗くなられると自分たちまで危険になりそうだった。


「急ぐぞ。」


「心咲ちゃん、大丈夫かなぁ。」


大丈夫でいて欲しかった。




滝まで来たところで、会長に会った。

上から降りてきたが、心咲の姿はなかった。


「心咲は?」


「この先には、いなかったわ。」


「そんな.....」


「樹くん?今日心咲は山に行ったの?」


「確かに。山に来てないかもしれないよ。」


会長の言葉に俺よりも早く葉月が答えた。


会長の言う通りで、山はいないことも考えられた。


だが、

心咲が山以外にいる場所なんて見当がつかない。


「どこにいるんだよ.....」


「携帯とかには?」


葉月は会長に確認を促した。

会長程の人がそれぐらいの確認をしてない訳ないとは思ってはいたが、今は藁にもすがる思いだった。


「出ないわ。あの子、携帯は家に置いてってるも

 の。」


それは携帯電話とは呼ばないのだが突っ込む余裕はなかった。

心咲の居場所の手がかりが掴めないショックの方がよっぽど大きかった。


手に持っていた懐中電灯を落としてしまうほどに。



懐中電灯は転がり、滝近くの水辺に落ちた。


取ろうとかがんだ時に、懐中電灯の光の先に、光る物を見つけた。


「これは.....」



葉っぱの髪留め。

間違いなく心咲の物だった。



何故心咲の髪留めがここに?


その時、心咲の言ってたことを突然思い出した。



『ここの水、登って来る時の滝に繋がってる。』



俺は走って山を登り始めた。


「樹!?」

「樹くん!?」



会長は上まで行ったが心咲を見つけられなかった。


そりゃそうだ。

心咲は俺以外にあの場所を教えてないと言っていたのだから。





あの場所に着いた。

懐中電灯無しでは周りがほとんど見えないくらい暗くなっていた。




「いた.....。」


倒れている心咲を見つけた。


ありがとうございました

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