The Zero File:TrancePort
◆The Zero File:TrancePort◆
1
情報世紀25年、世界各地のサイバーワールドが謎のウイルス『X』に乗っ取られた。
私たちはそれに抗う術を持っている子供たちとして、軍に強制的に加入された。
チュン!!
「くっ…!!」
ウイルスのデータフローが私の頬をかする。
他の人間たちも頑張っている。
「リン!!上だ!!」
誰かに言われ、上を見ると。
「ミ〜ツケッタ!!」
ウイルスだ。
「このっ!!」
手に持っていた銃で撃とうとした瞬間、ウィルスが弾けとんだ。近くにはナイフが落ちていた。
「大丈夫か!リン!」
「サキ参謀長…」
私、リンはサキ参謀長を見た。
「軍務司令部から連絡だ。すぐに来いとのことだ」
「分かりました」
私は敵に気づかれないように『ビジターボックス』に向かった。
2
「失礼します!リン第三特級士入ります!!」
リンは掛け声と共に軍務司令室に入室した。
「敵方の…『X』の正体が少しだけ判明した」
総長は手を組ながら言った。
「…それは一体…?」
リンは聞いた。
「奴の生まれた日だ」
ズンッ!!
そう言った途端、建物全体が揺れた。
「移動しながら話す。ついてこい」
「はい」
◆
司令室から出て地下への階段を降りていった。
そして地下シェルターの奥に大きな装置が佇んでいた。
リンは口を開いた。
「これは…一体…?」
「これは『時間互換転送装置』だ。君にはこれで西暦2010年に飛んでもらいたい…」
「があああ!!」
ドパン!!
誰かの悲鳴と共に破裂音が聞こえた。
その方向を見ると…。
「うっ!!」
総長の付添人が呻き声を上げた。
「マズい!!」
付添人の体に文字が浮かび上がってきた。そこには『Virus accessed』と書かれていた。
「ウガア!!」
総長とリンは互い違いに飛んだ。
「で私にそれを止めてこいと!?」
「ああ!!起動準備は!?」
総長は転送装置を操作していた者に聞いた。
「いつでも飛べます!!…うっ!!」
しかしその人にもウィルスのデータフローが刺さり、破裂した。
「早く飛び込めぇ!!」
総長は付添人にアンチウィルス弾を撃っている。
「…!!」
リンは隙を見て飛び出した。
しかし待ち伏せされていたのか辺りの人間が一気にデータフローを飛ばしてきた。
リンは地面を力強く踏み、飛んだ。そしてその勢いで転送装置のゲートに入る。
「きゃあああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
頭が、腕が、足が、悲鳴をあげている。ワタシはここで死ぬの?ソンナのはイヤダ!!シニタクナイシニタクナイ!!
己の自我が崩壊していくようにも思えた。
転送装置の画面には『2010years10month9day Tokyo Marunouchi』と表示されていた。
◆The Zero File:TrancePort Download Complited.◆
あとがき
初のミリタリー(?)的な小説を書いてみました。ただ結構設定が悪いです。こんな小説でも読んでくださる方がいると本当に嬉しいです。ありがとうございます。次回もお楽しみにください!!
◆次回予告◆
『時間互換転送装置』によって西暦2010年に飛ばされたリン。そこである能力を持った少年と出会う。しかし…。
次回:The First Data:Contact
◆注意◆
この物語はフィクションです。実在の人物、団体、事件とは一切関係ありません。
なお次回予告に関してはもしかすると内容が若干変更になるかもしれません。ご了承ください。