設定
『獣具』
武器的なもの。野生に生息する生き物の体の一部を加工して造られる。生き物は体内に四属の魔力を宿しており、生産された獣具もその魔力を引き出すことで抜群の破壊力や機能、汎用性を得る。
一般的に造られる獣具の性能は、素材の鮮度や作り手である魔術師の腕、使い手の力量に左右される。必ずしも“最強”となる獣具は存在し得ない。中には低能力でありながら『式』を組み込むことで機能、汎用性を大幅に向上させた獣具もある。
『材獣』
その名の通り、材料となる獣。特に四属の魔力を内包した生き物を指す。獣具を造る上で欠かせない生き物。大戦時代に多くの獣具が必要とされ、乱獲された。故に、本編開始時点で生存個体数は僅かしかいない状態。
周囲の魔力を体内に取り込んで蓄える吸収系、体内で自ら魔力を生み出し適応化を図る放出系に分かれる。
『神獸』
環境にただ適応するのではなく、克服して自然そのものと化した者達。その強大な魔力から“神”に準えられるが、極僅かしか生息していない上に、他を寄せ付けない厳しい環境下で暮らす故に殆ど誰にも知られていない。但し、幾つか“例外”あり。
『異世界』
特に名が決まっていない、いわゆる並行世界。主人公が喚び出された世界を指す。大気中に魔力が含まれており、魔術の行使が可能。主に錬金の技が発達、材獣を加工して獣具を造り出す。他に、異界から生き物を喚び出して使役する召喚の技、死者を呼び覚まして使役する死霊の技があるが、召喚の技は認知度が低く会得は至難とされ、死霊の技は廃れて使い手すら残されていない。
『錬金の技』
基本的に材獣から得られる素材を元に獣具を造り出す技術。自身の魔力の属性に合致した素材しか加工できない(火属の魔術師では火属の獣具しか造れない)。素材の鮮度を保つために特殊な薬品を調合する場合もある。畑違いの召喚や死霊の技と組み合わせて行うなど、応用範囲が広い。
『召喚の技』
異世界から特定の生物を喚び出して使役する技術。喚び出した生物との間に繋がった『結縁』を元に、名前を縛って『服従契約』を結ばなければ操ることは不可。契約なしを前提に喚ぶか、或いは人語を話せる者だけに区切って喚ぶ事例が多い。喚び出した生物に反抗、殺害される危険があるため、会得して行う者は一握りとされる。
『死霊の技』
死んだ者を一時的に蘇らせて使役する技術。基本的に、遺された肉体の一部に自身の霊属を費やして全体像を復元する。蘇った者はある程度従うが自由自在とはいかず、生前の残留思念によって親しかった者のみが忠実となる。自身の霊属を消費するのが常となるので、精神に異常をきたす者が多い。それ故に使い手が残らなかった。
『魔力』
異世界に満ちるエネルギー。大抵の生き物も体内に持つとされ、魔術師の一般論としては生命力と同義であると言われている。
魔力は大きく二つに分けられる。
無属…特出すべきもののない魔力。獣具を扱えない多くの者達が有する。力ある者達から、才能がない、凡庸などと揶揄されるが、無限に等しい力を引き出すことを可能とする説もある。
四属…地、水、火、風に属し、同質の魔力を宿した獣具を操ることを可能とする魔力。
・地属大地に干渉。
・水属液体に干渉。
・火属熱量に干渉。
・風属大気に干渉。
無属とは未だ定まっていないことを表す。世界に満ちる四つの属性に変換される以前の魔力を指し、あらゆるきっかけを境に四属の魔力に変換する可能性を秘めている。
大抵の生物は無属か四属どちらかの魔力を生まれ持ってくるが、環境の変化により後天的に無属から四属の魔力へ変わることがある。その最たる例が材獣である。
熟達した魔術師によっては、敢えて魔力の属性を無属に留め、必要に応じて四属の魔力へと変換し使い分ける。
『霊属』
生きとし生ける者総てが有するエネルギー。その在処は魂にあり、肉体と霊魂を繋ぐ接続線の役割を担う。他にも意志や本能的なものに関わり、この魔力が何らかの理由で減るか枯渇した場合、精神に甚大な損傷を受け、崩壊する危険性もある。
・霊属根源に干渉。
『輝けるもの』(デーヴァ)
『高潔同盟』を結んだ魔術結社の一部が異世界に流れ着き、新たに組織したもの。シルキッド家とラインバル家を筆頭に魔術の研究が進められ、ラインバル家が離反した後、他の名家によって複数の派閥に分かれていった。現代で有力視されているのは、アムルコープ家、コルクス家、ランドアス家となる。
地名
《魔の黄砂》
└〈フェイベル邸〉
《浮流地帯》
├〈吹き抜け峠〉
└〈吹き溜まり渓谷─巣穴〉
《繁栄する小国》
├〈商店街表通り〉
├〈奴隷地区─孤児院〉
├〈富裕地区─奴隷商の邸宅〉
└〈王宮広場〉
《意志を継ぐ大国》
├〈天涯地区─無人の家〉
├〈雲海地区─街路迷宮〉
├〈カイムの庵〉
└〈天嶮衆城〉
《骸骼都市》
├市街
├市場
├蒐集家の邸宅
└巨獣の胎内
材獣/神獸
属性
獣具
黒艶大蜥蜴クロツヤオオトカゲ
火属
火蜥蜴の尻尾(鎚矛、鞭、JET)
虹彩鳥ニジイロドリ
風属
風羽根の箒(薙刀)
風羽根の扇
坑蟷螂アナカマキリ(虫)
地属
地を刈る大鎌
熱膨れネツブクレ(鼠)
火属
火鼠の皮篭手
火傷の狩衣
朱姫尾アカヒメビ(蛇)
火属
武装鎧・真紅(甲冑)
爪駝ソーダ(鳥)
地属
地禽足(甲冑)
石孔雀イシクジャク
地属
燐惑の礼服
乖海月カイクラゲ
水属
不透過の外套
欺擬璃ギギリ(蜥蜴)
地属
隠蔽の狩衣
深きを往く者(鰐+鯨)
水属
骸骼都市
君臨する者(河馬)
地属
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貪る亡者(死霊)
霊属、地属
肥石の数珠
大怨霊
霊属
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