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異世界転移してチートハイエルフさんになりました。今日も気ままに旅してます。  作者: てんえーとまり
一章 森での新たなはじまりと、世界樹の声
9/12

9.掘り出しものと、まんぷくごはん

弓を練習して何日か、これもなかなかエルフしてると感じるんだけど、内容はというと……。


継続が大事なんだよ! おじーちゃんと一緒に頑張っております。


「そろそろ動く的でも練習したいなぁ」

《じゃあ僕が葉でも落とそうか?》

「そ、それはちょっとイイカナー」


ボヤいたら、とんでもない提案をされた。


簡単に言うけど、おじーちゃん、世界樹の葉ってエリクサーの材料じゃなかったっけ?


ホイホイくれた果実だってものすごく、それこそ葉よりも希少で若返りとか寿命が延びるとかいう話があるのだが、食べるのと穴開けるだけなのは違うというか。


果実についての話は、ハイエルフにはただの滋養強壮にしかならず、寿命は延びないし、若返ったりもしないので遠慮せずにいただいたが。一応おじーちゃんはずいぶんな果実(もの)、気安くくれるなとは密かに思っていたし、流出はマズイとその場で食べていた。けれど希少なレアアイテムになる葉をヘタクソ弓の的にするだけとか、豪華過ぎやしませんか。穴の開いた葉なんか調合には使えないだろう。しかも練習なので、そんなのが量産されてしまう。おじーちゃん、やっぱりマゴに甘すぎ問題。


まさかこんなに可愛がって? どちらかというと幼児扱いして? くれるとは。世界樹が前の世界で話されるような、世界に一本だけとかじゃなくて良かった。大きさだっておじーちゃんの場合は、クスノキ形の樹齢二千年くらいの大きさで、世界樹という意味だって世界の【流れ】を循環させる樹ってことだ。寿命だってちゃんとある。まあ十分に貴重な樹であることには変わりないけど。今世界に何本なのか。


いや、疑問じゃないので答えなくて良いです。


でもそうか、エルフには世界を循環させるという役割があるんだな。他の種族にも、そんな役割ってありそうだ。


「練習終わりー! 今日は何しようかな」


各家の掃除はクリーンで終わらせたから、傷んでいる所でも直そうか、それとも家の中にある道具類の整理をしようか。今のところ天気はいいけど、雨漏りとか心配だし、屋根の修理を先にした方がいいだろうか。悩みつつ的を片付けていると、そういえば、とおじーちゃんが声を上げた。



《シシーに頼みたいことがあるんだ》

「おじーちゃんが私に? なになに?」


なんだろうな。今までそんなことはなかった。珍しい。頼ってばかりだったのが、頼みごとをされるなんてとそわそわ。何を頼まれても承諾する勢いで聞き返す。まあきっとおじーちゃんの事だから、簡単に出来ることなんだろうな。


《里の外、東側に大きめなナナカマドの木があるだろう? そこの根元を掘ってきて欲しいんだよ。箱が埋まっている筈なんだ》

「了解! 行ってくるよ」


やっぱり頼みは子供のお使いレベルだった。でも木の根元に埋めてあるとか、宝箱やタイムカプセルみたい。おじーちゃんに返答する声も弾み、割とワクワクして早足で目的地に到着した。

どうやって掘り起こそうかな。根元のどこら辺にあるのか目視では分からなかった。


土魔法に地底探査があるのだが、大丈夫? うっかり地面グシャアってしない? 習熟度足りてる?


実は里で生活するうちに、土魔法はなかなかに森を傷つけるのだと理解した。フィクションにある下から土の杭がグサッとか、草はひっくり返るし木の根は断絶するしで、大惨事と言ってもいい。使い所が難しいので、最近は風魔法を使うようにしていて、土はあまり習熟度が上がっていないから心配だ。


せっかくここまで育ったナナカマドを、私のせいで枯らしてしまっては申し訳ない。そうだ、魔眼に透過があったはず。起動。


あったあった、四角いものが見える。中は見えないけど。土魔法の掘削ディグで根を傷めないように、少しずつ慎重に取り出した。


金属の、ちょっとお高めそうな宝箱! 凄いな、本物の宝箱だと感動する。堅牢な作りのそれは、錆もなくしっかりと中身を守っている。


あれ? でも鍵がない。これでは意味がないのでは?


クリーンをかけて、一抱えもあるずっしり重いその箱を、そのままおじーちゃんの所へ持っていく。


「おじーちゃーん、これでいい? 鍵掛けてないみたいだよ?」

《ああ、それそれ。その宝箱は仕掛け箱になっているんだよ。そのまま普通に開けられそうだろ?》

「仕掛け箱って開け方がパズルになっているっていう、あれ?」

《その箱だよ。今からやりかたを言うから、開けてご覧》

「ちゃんとできるかな」

《焦らずゆっくりやればできるさ》


おじーちゃんに指導されながら取りかかること十分ほど、かちゃんと軽い音がして、蓋が開いた。


「出来たー! あっ、金貨だ」

《おじーちゃんからのお小遣いだよ。箱ごと持っていけばいい》

「お小遣い?! 多すぎるよ!!」


箱いっぱいに入っている金貨だ。一体どれくらいあるのかわからない。


《お金は使わないと意味ないだろ?》

「そうだけど、そうだけど〜!」

《もしもの為に隠してたんだろうけど、みーんな忘れちゃったんだよね。僕もすっかり忘れていたのを思い出してね。使う者ももう居ないし、ここに埋まっていてもしょうがないだろう?》

「確かにそれは……」

《シシーの言うモッタイナイだよ。それに何があるか分からないからね。備えは必要だよ》

「うー、分かった。ありがとうおじーちゃん。貰っておくね」


使うかどうかは、わからないけど。ひっそりとそう思って収納する。


すっかり気が削がれてしまったので、その後はおじーちゃんとマルバツゲームから始めて、五目並べをして遊んでしまった。初め以外私が負けてばっかりだったけど、おじーちゃんは五目並べがたいそう気に入ったようなので、今度は囲碁の話をしてみようかな。碁のことはあんまり知らないから、ある程度ルールを説明したら、詰碁でも念写して贈ってみよう。


コテージに戻って宝箱を取り出す。金貨にちょっとした違和感があったからだ。


「これが私が持っていた金貨」


バッグにある金貨を取り出す。こちらは現在周辺一帯で使われている金貨だ。ちょっと銀でかさ増しされていて質が悪いものと、しっかりとした質の金貨、二種類ある。この質の差は、貨幣を鋳造している国力の差だな。質の悪いのがドクサペディアダ金貨で、ハラーフィリア金貨が質の良い方だ。


「これがおじーちゃんから貰った金貨」


宝箱からも一枚取り出す。こちらは一種類のみ。

おじーちゃんに貰ったのは明らかに現在周辺で使われている貨幣の種類と違う。国の違いか。おじーちゃんのはちょっとくすんでいるし、年代が違うのかも。いやまて、色も違わないか。


「もー! 鑑定っ!!」


色々面倒になって鑑定を掛ける。


オロスガノス金貨

状態∶良好

オロスガノス国で作られた金貨。アダマンチウムとゴールドの合金で出来ており、非常に頑丈。現在は重要な部品の保護にコーティングとして用いられているが、合金の製造方法が失伝しており、貴重な資源として高価で取引されている。


あ、ヤバいです、これ。簡単に外に出してはイケナイ。おじーちゃんのお小遣い、怖っ! こんなのが宝箱いっぱいって、どうすりゃ良いんだろう。ホントのホントにいざと言う時には使うけど。悪目立ちするだろうな。


今日はやけ食いしてやる。しゃぶしゃぶをやけ食いだ。ようやく全てを解体し終わった仔牛のモモ肉、薄切り肉の再挑戦を兼ねて食べまくる!

出汁はシンプルに昆布と塩のみ。つけダレも簡単に薄口醤油にレモン汁のみ、野菜は白菜と長ネギだけ!


いただきまーす!

肉を出汁にくぐらせるのは一回だけ。すぐにタレに付けてあぐっと一口。ん、やっと正解にたどり着けたようだ。ちゃんと痺れも感じる。今度ピュリファイとクリーンを念入りにして、生食にもチャレンジしようかな。やっぱりあまり火を通さない方が美味しい。思いついて、柚子胡椒を取り出し、一口。柚子胡椒のピリッと辛さの後に痺れが来て良いな、これ。こっちの方が好みだ。あまり熱くもないから、次々と口に運んでいく。

クタッとしてきた白菜をタレに付けて食べると、辛さと痺れで疲れた舌が休まる。長ネギはどうかな? トロリとした食感が舌に優しい。辛さと痺れのダブルパンチは舌をなかなかに疲弊させたらしい。でも美味しいので仕方ない。肉肉肉、舌が疲れたら野菜。

ある程度満足した所でシメの雑炊だ。ヌメリを取った米を投入して塩を足し、溶き卵を回し入れる。最後にネギを入れて完成。待ちきれずにハフハフしながら雑炊をかき込む。旨味がたっぷり出ているから、シンプルだけど本当に美味しい。次にやるならちょっとひねってリゾットにしてみようかな。あまりに美味しいので、もう次の事を考えていた。

満腹になった、ごちそうさまでした!


金貨の事は、必要になったら考えよう。満たされたので、ずいぶんと心が楽観的になる。別に言わなきゃバレないだろうしね。

次話12:00予約投稿です。

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