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異世界転移してチートハイエルフさんになりました。今日も気ままに旅してます。  作者: てんえーとまり
一章 森での新たなはじまりと、世界樹の声
8/12

8.穏やかな朝と、唐揚げの決意

鳥の解体ありなので、多分残酷描写。

寝付き良すぎて、ベッドで考え事も出来ないし、一瞬で朝になったような感覚がする。体がすっかり軽いので、今日も疲れが全くなく元気に活動できそうです。


「朝だ」


この世界に来てからというもの、寝付きが良すぎて夢も見ていない気がする。いろんな初体験しているから、そんなことはないだろう。ただ覚えてないだけか。

そのまま二度寝しそうでガバっと起き上がった拍子に、唐突にこう思った。


そうだ、唐揚げを食べよう。


無闇矢鱈に唐揚げが食べたい。そんな日もある。


一狩り行こうぜ!


今日の予定が決まった。私は異世界食材で唐揚げを作る。


断固とした決意をして支度を済ませて、洗面所に向かう。鏡に映った顔はハイエルフのままで、珍しいキリっとした表情をしている。里に居る間はハイエルフカラーにしておく事にする。

今日の朝食は満腹になって動きが鈍くなる事を避ける為、出来上がっているお粥セットである。水出しハーブティーと一緒にいただく。お茶は甘みが増して飲みやすくなっていた。これからは水出しを常備しよう。


さて、エルフが鳥を仕留めるには弓と決まっている。それとなく避けていたが、とうとう実戦の時。マジックバッグを漁り、今日の相棒となる弓を選定する。


イチイの弓。私が知っていた弓の名前がこれだった。それから矢筒と共にいつもの如く、制作者を偽装して身につける。弓矢は竹製を選択した。アイテムバッグで増殖済みだ。一セット、一束? ごとに増殖するのは知らなかったが。


コテージから、やる気に満ち満ちた気合いを胸におじーちゃんへの道を辿る。


《おはよう、シシー。ずいぶん元気だね》

「おはよう、おじーちゃん。これ見て、弓!」

《うん? 弓を使うのかい》

「エルフだから!」

《エルフだから?》


「鳥狩ってくるねー」


怪訝なおじーちゃんの声にニコニコ、ブンブンと弓ごと手を振って宣言し、里の外へ繰り出した。


《あの子、エルフに謎のこだわりを持ってるね》


やれやれと言いたげにおじーちゃんがつぶやいたのが聞こえる。


だってエルフだよ? ファンタジーを嗜んでる日本人なら、拘るよね?! エルフなら魔法もしくは精霊を上手く使えるし、弓の名手なんだよ。その設定を自分が壊すわけには行かない!


フンスと鼻息をして、しまった、これもイメージ崩れると姿勢を正す。

どうしても、エルフとしての自覚が足りない。せめて外見だけは取り繕いたいのに、上手くいかない。


この性格がな、やっぱり合ってないんだよ。


自分のことは忘れても、エルフへのこだわりは忘れない女、セシリアです。以後よろしく♡って使えるかな、いつか。無いか。


さてと、今回の狩りは絶対に成功したいので、今までに無いほど本気です。


いつもは使わない気配遮断を使って、目標を探す。鳥、鳥、鳥はどこに。いけない、殺気が漏れてしまう。平常心。探しまわり、やっと一羽目の目標発見。息を止めて、タイミングを計り……放つ。失敗だ。近くの木に突き刺さっている。あっという間に逃げ去る鳥、これは長丁場になりそうだ。


奮闘することしばらく、何とかニ羽仕留める事が出来たが、内容はとても褒められたものではなかった。惨敗に継ぐ惨敗だ。スキルがあるのに、ここまで梃子摺るとは。モンスターではなく普通の動物であるヤマドリを狙ったのだが、一向に当たらない。日本のよりも大きくて狙いやすそうなのだが、鑑定ではそう出たので、ヤマドリだ。


何とか一羽は羽を突き刺し、落ちたところを仕留めた。もう一羽は胴に当たり、やはり落ちたのにとどめを刺した。全てヘッドショットを狙っての結果だ。他は逃げられたから、当たったのも偶然に近い。


しょんぼりしながら、おじーちゃんに帰還した挨拶をしにいく。


「ただいまー」

《お帰り、狩れなかったのかい?》

「ううん、ニ羽狩った」

《それなのに、元気がないね》

「弓を思った通りに使えなかった」


こんなんじゃダメだ。さすがなんちゃってエルフだよ。


《普段使って無いのに、ニ羽も狩れたんだから、十分じゃないか。まだ幼、ンンッ、若いんだから、これからだよ》


ざわざわと葉ずれの音で慰めの言葉を言うおじーちゃん。まあ確かに。しょぼくれていても弓は上手くならないし、練習あるのみ。いきなり実戦で使おうとしなければよかったんだ。


んっ? 今幼いって言いかけなかった? いいけどさ。


「うん、これから頑張るよ」


それにそうだ、今日は弓が目的ではない。唐揚げだ。唐揚げを作らなければ。

気を取り直した私に、おじーちゃんが笑う。


《手を出しなさい。その様子では、また昼食を食べていないね?》

「あっ、そうだ。ごめんなさい!」


出した手に、果実がポトリ。

おじーちゃんはマゴに甘い。


花の香りのする果実にかぶりつく。やっぱり甘くてシャクシャク美味しい。豊富な果汁で手がベタベタになるのも構わず、最後まで食べ尽くした。

それから手を洗いつつ、自分の狩りの失敗をおじーちゃんに聞いてもらい、ひと通りの反省会をした。

さすが元ハイエルフなおじーちゃん、改善点をあれこれと一緒に考えてくれた。失敗は次回に活かそう。


少々早いが、帰宅の挨拶をしてコテージへ向かう。ヤマドリの解体の為だ。絶対に今日食べる。

そんな気持ちで作業台に向かう。


解体はパワーである。そうしみじみと思う。しかし非力そうなエルフでも、レベルさえあれば容易に行うことが出来るのだ。


頭を切り落とし、魔法で血抜きを行ったヤマドリを、丸ごと茹でた後にひたすらパワーに任せて羽を毟る。火で表面を炙り、腿を切り落としと、次々解体していく。仔牛よりも断然やりやすい。それとも慣れたのだろうか、まるまる一羽解体出来た達成感がある。


唐揚げはもも肉を使おう。骨を取り外しニ口大にカットする。ガブッと食べたいので、ちょっと大きめだ。

たくさんショウガをすり下ろして汁を絞ろう。勿論ニンニクもガッツリすり下ろす。醤油・酒・ニンニク・ショウガ汁でモモ肉を揉み込み冷蔵庫で二時間ほど放置だ。


これも帰宅を早めた理由だ。若鶏じゃないので固さが心配だったのだ。


これから二時間暇だな。調合の続きでもするか。夢中になって二時間じゃ足りなそうだから駄目か。


よし、ニ羽目の解体いってみるか!


喝を入れてやってみた解体は、一羽目よりもちょっと上手く、時間も短縮されていた。


冷蔵庫から肉を取り出して調味料を拭い、片栗粉をたっぷり使ってまぶす。また冷蔵庫で休ませている間にみそ汁を作ろう。採取した茸とニラっぽいののみそ汁だ。顆粒だしで時短、合わせ味噌が好き。サンチュっぽい葉物野菜を適当な大きさに千切って洗う。レモンをくし切りに。世間ではレモンをかけるかかけないかで争うらしいが、私は両刀である。ので、いきなりかけられると戦争だ。是非もなし。野菜をスティックにして味噌マヨネーズを作ろう。


いよいよ鳥肉を揚げる。勿論二度揚げだ。もう匂いが美味しい。


ご飯をよそって配膳する。


それではいただきます!


ガブッと一口。


「ん~~?!」


繊維を噛みちぎる音がブチブチではなく、コリコリに近い。なんだこの食感。思っていたのと違うぞ。衣はサクッと揚げられているし、中までちゃんと味が染みていてとても美味しい。揚げ物の香ばしさと肉本来の香ばしさが相乗効果で見事だ。上品な旨味もたっぷり感じる。でも肉の噛む音がコリコリだ。軟骨食べてるんじゃないのに。面白い。

漬け込みの時間が足りなかったわけじゃない、よね。異世界凄い。それにヤマドリとは決してこんな食感じゃないから、名前だけ同じの全く別種の鳥なんだな。

カリコリしながらご飯をかき込む。うん、ご飯にもちゃんと合う。

みそ汁を飲み、茸を食べるが、こちらは普通に茸の食感と味だった。良かった、落ち着く。

葉物野菜に包んで唐揚げを食べる。さっぱりした野菜と味の濃い唐揚げは相性抜群だ。野菜スティックを合間にいただく。

半分ほど唐揚げを食べたら味変だ。レモンを搾って唐揚げにかければ、また新たな気持ちで唐揚げが食べられる。レモンの酸味がクドくなりそうな口の中をさっぱりさせる。


はー、今日の食事は美味しいだけじゃなくて、楽しかったな。ごちそうさまでした!


風呂を沸かして、今日はスクラブを使おう。頭と体それぞれのハチミツ入りのスクラブだ。ヘアスクラブで頭皮をマッサージしてから髪を洗い、体は洗った後にボディスクラブで優しく丁寧に地肌をなぞる。お疲れ様と残念でしたの自分への労りだ。洗い流して湯船に浸かる。今日はボディにも乳液をつけよう。


明日から弓の練習を日課にして習熟度を上げる。いつまでも下手なままじゃ居られないからね!

次話12:00予約投稿です。



つまり唐揚げ最高!

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