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36話 逮捕そして執行

俺が粗木田を逮捕してから数日が経過していた。


俺は静岡の笠歌から理沙達を東京の警視庁の拘置所に呼び寄せていた。


「お兄ちゃん、全部終わったよ。」


「理沙、わざわざ東京まで来てくれてありがとな。」


「いいよ別に、お兄ちゃんの役にも立てたみたいだし。」


柳田局長が心配そうに俺に聞いてきた。


「春山警部、これで本当に粗木田は力を失ったのか?粗木田が守護霊を使って拘置所から逃げ出すのでは?」


「大丈夫です柳田局長、そのために理沙に東京まで来てもらったんです。粗木田に憑いていた守護霊は全て理沙に除霊してもらってる。粗木田の力の源泉はたくさんの青い守護霊だからな。もう粗木田は青い守護霊を持っていないで以上、粗木田にはもう何もする力も残っていないんです。」


「それじゃあ。」


「もう今の粗木田は無力そのものです。」


「そうか、なら良かった。」


柳田局長は安心した様子だった。


「春山警部、それに理沙さんも本当にありがとう。おかげで粗木田を逮捕する事ができた。」


「本官は職務を全うしたまでです。」


「当然の事をしただけですよ。」


「君達二人がいなければこの事件の解決はできなかったはずだ。警察を預かる者として心より礼を言いたい、本当にありがとう。」


「そうだ、柳田局長一つお願いがあるんですが、いいでしょうか?」


「ああ、何でも言ってくれ。」


それから半年後、俺は再び粗木田の元にやってきていた。


囚人服を着た粗木田が手錠をかけられた状態でやってきた。


「最後に話しておきたくてな。」


「春山、お前が邪魔をしなければ全てうまくいったんだ!!」


粗木田は俺を睨みつけてきた。


「粗木田、お前にふさわしい末路だ。たくさんの命を踏みにじってきたお前には。」


「春山、お前さえ、お前さけいなければ!!」


するとそこに別の囚人服を着た囚人がやってきた。


「邪魔するぜ。」


「なんだ、お前は?」


「お前と一緒さ、殺人鬼だよ。」


「なに?」


阿流間(あるま)義男(よしお)、81人を殺した大量殺人鬼さ。」


「殺人鬼だと。」


「まあ俺はお前ほどは殺してはいないがな。」


「おい、大量殺人鬼の凶悪犯なんかを横に座らせるな!!」


「粗木田、お前の方がよほどいっぱい殺してるだろうが。」


阿流間は俺の方に顔を向けてきた。


「まあいいや。それで俺の顔を見るのも嫌だっただろうに。なんで今更顔を見に来る気になったんだ。」


「これで終わりになるからだよ。」


「今日がその日って事か。なるほどな。」


阿流間は不気味に笑い出した。


「おい!!何の話をしている!!」


粗木田は何の話か分からないようだった。


「言わなくても分かるだろうが、俺もお前も死刑囚だろうが。」


「どういう事だ?」


「粗木田哲彦、今日お前の死刑が執行されるという事だ。」


「おい春山!!今なんと言った。」


「今日が死刑執行日なんだ。」


「死刑執行日だと、なんでだ?」


「なんでって粗木田お前も裁判で死刑判決を下されたんだろう、お前裁判の時に寝てたのか?」


「もちろん起きていた!!だがこの大いなる神の粗木田様が死刑になるなんてありえないんだ!!」


「万単位で人間を殺しまくったお前が無罪になる訳ないだろうが。」


俺は粗木田に言った。


「死刑の執行日は当たり前だろうが!!粗木田!!」


すると粗木田はこう言ってきた。


「おい春山!!助けてくれ!!」


あんな非道な事をしておきながら一体どういう心境で俺に助けてくれなんて言えるんだ。


「あれだけの非道な行いをしたんだから、当然の判決だろうが!!それよりも永見!!粗木田!!最後ぐらい反省の言葉は出てこないのか!!」


阿流間はこう悪びれた。


「反省だと、するわけないだろう。俺はこうなる事も覚悟の上で犯行に及んだ。俺は人を殺したかったから殺して大きく満足した。反省や後悔なんて絶対にしないぞ。俺はお前の両親を惨殺した事に心から満足し達成感を感じているんだ。ただ一つ心残りがあるとすればお前を殺せなかった事だ。そこだけは今でも悔いが残っているよ。」


粗木田はこう悪びれた。


「いいかこの大いなる神の粗木田様の邪魔をするのがそもそもいけなかったんだ。世界中の人間はこの大いなる神の粗木田様以下なんだから、この粗木田様がどれだけの人間を殺そうがそれは全く問題ないんだ。むしろ光栄とすら言えるだろう。だが大いなる神の粗木田様を殺そうとするなんておかしいだろう!!そんな卑劣な事をしていいわけがない!!」


こいつらはどこまでの人としての心を欠いている。


いやそもそも人の心というものを持っていないのかもしれない。


俺は大きくため息をついた。


「はあー、もういい。お前達に反省を求めた俺が馬鹿だったよ。」


俺は刑務官を呼んだ。


すぐに担当の刑務官達が入ってきた。


「面会は終了だ、二人を連れっていってくれ。」


「はい。」


「死刑の執行時間は?」


「この後すぐになっています。」


「そうか、ありがとう。」


俺は阿流間と粗木田に大きな声で言った。


「阿流間!!粗木田!!あの世でお前の殺した人たちに詫びてこい!!」


そして阿流間と粗木田は面会室から連れていかれたのだった。


阿流間は嫌な笑みを浮かべながら静かに面会室から出ていったが、粗木田は大きな声をあげてわめいていた。


「春山!!待て、待ってくれ!!この粗木田様を助けてくれ!!死刑は嫌だ!!死にたくない!!死にたくない!!」


粗木田は大声で泣きわめきながら刑務官達に引きずられていった。


そして二人の死刑執行が行われたのだった。

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