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29話 混沌

一方こちらは春山警部


春山警部は理沙と共に九是山総合病院にいた。


「お兄ちゃん、粗木田って人が犯人だったの?」


「ああ、守護霊で人を操っていたと自白したよ。」


「それで青い守護霊達の御霊は救えたのか。」


「うん効果てきめんだった。ありがとうねお兄ちゃん、私は御霊を救うって考えを見失ってたかな。祓う事ばかり考えていたから。」


「いいさそんな事は。今は千田刑事と新川刑事の無事を祈ろう。」


「うん。矢場先生が頑張ってくれてるしね。」


そして手術中のランプが消えて先生が出ていたのだった。


そして俺達の前に矢場先生がやってきた。


「申し訳ありません、春山警部、新川刑事を救う事はできませんでした。」


「そうですか。」


「ですが千田刑事は何とか一命をとりとめました。」


「本当ですか。矢場先生、ありがとうございました。」


俺は矢場先生に頭をさげた。


「春山警部、何があったんですか?二人の傷を見る限り誰かに銃撃されたようですが。」


「犯人と銃撃戦になってな。」


「その犯人というのは?」


「粗木田哲彦と言う男だ。」


「もしかして粗木田教授ですか?」


「ああ、九是山庭園で千田刑事と新川刑事は粗木田教授に銃撃されたんだ。」


「春山警部!!」


後ろから声を掛けられた。


後ろを振り向くと海江田本部長が立っていた。


「海江田本部長。」


「新川と千田は?」


「新川はダメでした。千田の方は一命はとりとめました。」


「そうか新川が。」


「千田刑事だけでも助かってよかった。」


「それで海江田本部長、粗木田の動きは?」


「ああ、粗木田は派手に動いている。増当田物流に粗流木田がいるとの報告を受けたのでパトカーを向かわせたんだが、警察官43名が殉職をしてしまった。」


「43人ですか?」


そこに堀刑事もやってきた。


「春山警部、他にも悪い知らせが入りました。」


「悪い知らせというのは?」


「九是山駅前で通行人と思われる市民62人が拳銃で銃殺されているのが発見されました。」


「な、何が起こっているんだ。」


「間違いなく粗木田です。」


「しかし一人の人間に警官隊が返り討ちにあうなんて普通ありえないぞ。」


「それだけ粗木田が厄介だという事です。」


「粗木田は拳銃を口に突き付けて発砲して殺しますね。」


「どうすればいい?」


「無理に粗木田を止めようとしても犠牲が増えるだけです。現状は粗木田を監視するだけに留めておいた方がいいかと。」


「そうだな。」


「その粗木田ですが。九是山駅前で市民を殺害して以降の足取りが分かりません。」


「市民62人の遺体が発見されたのが6月14日の正午時過ぎです。」


「現在は午後3時を過ぎようとしていますが、それ以降の粗木田の足取りが分かりません。」


「さすがに粗木田の奴も派手に動なくなってきましたね。」


「粗木田め、どこにいった?」


九是山駅前に向かったという事は電車に乗ろうとしていたのか。


だが大騒ぎになったからやむなく断念した。


そうなると。


「海江田本部長、ちょっと調べものに行ってきます。」


「何を調べるつもりだ?」


「市内のコンビニやスーパーで、カージャックがなかったかどうかを調べようと思いまして。」


「分かった。それぐらいなら私に任せろ。」


「よろしいんですか?」


「ああ。」


海江田本部長が確認作業をしてくれた。


「どうも春山警部の読み通りみたいだ。九是山市内のコンビニでカージャック事件が発生している。」


「犯人は粗木田か?」


「恐らくは。」


「そうなると粗木田はもう九是山市内から出ている可能性が高いな。」


「しかしカージャックをして粗木田はどこに向かうつもりだ。」


「恐らく東京でしょう。」


「東京にいくつもりか。」


そこに堀刑事が知らせに来てくれた。


「春山警部の読み通りみたいです。」


「どういう事だ、堀刑事?」


「空根のサービスエリアで車に乗っていた男女二人が射殺されているのが発見されたそうだ。被害者は二人とも口から頭を撃ち抜かれていたようだ。」


「粗木田だな。」


「ええ間違いないですね。」


「この事件の対策室が神奈川県の空根(そらね)警察署に設置されるそうです。」


「では我々も空根に向かうとするか。ここにいてもやれる事は限られている。」


「理沙と堀刑事はこっちに残っていて欲しいんですが。」


「そうだな、堀刑事と理沙さんは笠歌の警察署で待機しておいてくれるか。」


「了解しました。」


「うん分かった。お兄ちゃん気をつけてね。」


「ああ。」

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