結局書きたいものしか書けないんだよねって話
「読まれやすいもの」を書くか、「書きたいもの」を書くか。
ランキングや流行の偏りが激しいこのウェブ小説の世界では、ずっと昔から議論の的になっている話題。
正直、読まれやすいものや流行っているものを書けるのは純粋に才能だと思う。
私は結局、書きたいものしか書けない。
ざまぁがマイブームだった時はそういう短編を書いていた。確かに読まれたしポイントもたくさん入った。
でも今はダークファンタジーがマイブームになってしまっている。
全く持って読まれないもいいところである。
昨日、せっかくなので悪役令嬢ものを書こうと思って筆を取った。筆はノリにノリ、2時間で5000文字も書いた。
しかし出来上がったのは、悪役令嬢とは名ばかりの、脱走スパイのメリーバッドエンド物語であった。
暗殺部隊に所属する少女が、貴族令嬢を装って聖女を殺害しようとして敗北し、死に戻りして暗殺者にならない道を求め、組織から逃れて生きていく話である。ヒロインが敵の生皮を剥いで捨てたりする。奴隷を買って利用したりもする。
しかもラストはメリバ。
……誰が読むんこれ!? お前のこと誰が好きなん!?(粗品並の感想)
結局描きたいものしか書けないのだ。
ダークファンタジーが書きたいときはダークファンタジーしか書けない。
ざまぁが書きたいときはざまぁしか書けない。
テンプレを書けばもっと読まれるのだろうけれど、それはテンプレを書きたい波が来るのを待つしかない。
そしてその波がいつ来るのかは、自分ですらわからないのだ。
読まれたいという欲求に従っても、読まれるかどうかはコントロールできないので、書きたいという欲求に従い、書いていくしかないのかもしれない。
書くか書かないかだけは、自分でコントロールできるのだから。