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シュートレンジ  作者: あんこカラス
1/2

低身長のバスケライフ

第4クォーター、残り4分48秒「最後までやるんだ!走れ!」

その時だった

「もういいよ。蓮士、一人で走れよ。」

「もう60点差がついてるんだ。今走ったってもう手遅れなんだよ。」

気づけば試合は終わっていた。圧倒的な差に最後は誰も走らなかった。いや、走ることができなかったのだ。

終わってベンチの片付けをしていると相手チームの1人が来た。するとソイツは俺に一言だけ吐き捨てるように言った。

「お前だけ独り歩きしてるみたいだな。」と。


それが中学最後の夏だった


4月10日、宮崎にある私立高校の入学式に参加した。何でも、4年前に設立されたばかりでとてもきれいである。土地がとても広いらしく東京ドームより広いんだとか。

そして日高蓮士(ひだかれんじ)は今日からこの学校に通う生徒だ。

海が見える学校とパンフレットに書いていたがモノは言いようだなと思った。海が見えるなら平地にあると思いきや丘の上に高校はあるし、そのせいで母が仕事で入学式に自転車できた自分の足はパンパンだし、何なら山と山の間の少しからしか海は見えない。いいとこと言えば空気が美味しくて学校がきれいなこと。それ以上でも以下でもない

「えー、新入生諸君。白明高校への入学おめでとう。大きな夢に胸を躍らせ、、、」

朝は校長の長い話を45分ほど聞き、担任の先生の紹介などがあった。そして帰る頃には、色んなユニフォームなどを着た先輩と思われる人たちが校門の前に集まっており人だかりができていた。

「サッカー部入りませんかー!」

「吹奏楽部で楽器体験できまーす。」

そう、部活動勧誘である。だが高校で3年間帰宅部に入る予定の自分には関係ないことである。

しかし先輩たちも必死だ。部活動勧誘は言わば新入生の奪い合いである。様々な勧誘をかいくぐり、15分かけて50メートル先の校門の外に出ることに成功した。

(あとは家に帰ってゴロゴロするだけだ。ポテチ食いながらゲームでもしよっと)

とある先輩に目をつけられてることも知らずに、、、


次の日、蓮士のクラスでは自己紹介が行われた。1クラス35人らしく頭が青い奴や、イギリスから来た留学生など色んな奴がいる。その中でも一際目立つ奴がいた。

「どうモ。アメリカから来まシた。アンリュード ディアムです。よろしくお願イシマす。」

顔も普通、スタイルがいい訳でもない。だが皆、その特徴に全てを持っていかれて、そこが1番気になってしまう。

(一体何センチあんだこの巨人!205以上はあるぞ!)

かなりのデカさに驚いて見入っていたらしい。目が合ってしまい、少し気まずくなってしまう。

(俺にもそんな身長があったらな、、、)

と思いつつ4限目も終わり、昼休みになった。


1人で母が作った弁当を食べる。母は栄養士の資格を持っていて料理がめっちゃ上手く、とにかく美味しいのだ。中学では給食だったので学校で母の料理を食べれるのはかなり嬉しい。

唐揚げを食べようとしたら誰かが話しかけてきた。

「お前、蓮士って名前だっけ?一緒に弁当食っていい?」

「いいよ。」

(コイツ誰だったっけなぁ、、木村だっけ?)

そしていつの間にか2個あった唐揚げが1個無くなっていた。

「おまっ、それ俺の唐揚げだろ!!勝手に食うなよ!」

「いいだろ1個ぐらい。俺の玉子焼きやるからよ。」

と言って渡されたのは黄色い玉子焼きとは程遠い焦げ茶の玉子焼きだった。

(うわぁぁ、、美味しくなさそ)

唐揚げが無くなったことにげんなりしてると

「そうだ蓮士。放課後に部活動の見学行こうぜ。」

「何の部活だよ、、、」

「ん?バスケ部だよ。」


放課後、木村に連れられて第2体育館にバスケ部の見学へと行くことになった。部活に入る予定のない蓮士にとってはだるいだけである。

私立のバスケ部とはいえ、たかが創部3年くらいの部活は人が少なく、2・3年だけだと15人程しか居ないらしい。見学に来た人数は俺を合わせて10人いるその中にはあのアメリカ人もいた。

「お疲れ。俺がこの部活の部長をしてる森田慎之介だ。よろしく頼む。」

部長の森田さんは182ぐらいあり、県選抜候補に選ばれるほど強いらしい。

「この中にバスケ未経験者はいるか?」

誰も喋らないので皆、経験者らしい。

「それじゃあこれから2クォーターずつの試合をしようと思う。今全員で25人いる。だからくじ分けで5チームに分けようと思う。ちょっと実力を見るだけだから気楽にしてくれ。」

と言われたがみんな試合するからには本気だろう。気楽になんてしていたら潰されるかもしれない。つまり自分も本気でやるという選択肢以外ないのだ。

自分が引いた色は赤チームだった。

「よろしゅう頼んます。あ、俺は3年の佐藤春馬や。ポジションはパワーフォワードや。」

「自分は新名です。2年です。ポジションはスモールフォワード。コイツは丸藤って言ってセンターです。」

「、、、、」

人見知りなのだろうか、丸藤さんは全く話さず、下ばかり見ている。が、190くらいある。

「俺は日高蓮士って言います。ポジションはポイントガードです。よろしくお願いします。」

5人目はアイツなのか、、、

「ドうも。アンリュードってイいます。リューって呼んでくダさい。ポジションはどこでもでキます。」

勝敗だけを求めるなら当たりだろう。丸藤さんとリューのおかげで平均身長は爆上がりだ。これだけの戦力があれば勝ち越しはできるだろう。

「それじゃぁみんな、準備してや。もうそろそろやで。」

相手は黄色チームだ。木村がいるので少し楽しみであるが向こうはとにかくカラダがゴツい奴らばかりだ。

(肉団子みたいだなぁ、、、)

「蓮士!お前赤なのか。よし、ボコボコにしてやる。」

「唐揚げの恨み忘れてないからな。」

すると木村はモゴモゴしながら何かを言っていた。耳をすませば聞こえないこともない

「ちっちゃいなぁお前。」

めちゃくちゃディスられた気もするが、気のせいだろう。そう、気のせいだ。


赤チーム対黄色チーム

試合開始(ゲームスタート)


――――――――――――――――――――――――――

初めての小説を書かせて頂きました!あんこカラスと言います。どんな文句などでも全て見て、改善させていけたらと思いますのでコメントなどもよろしくお願いします!


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