分岐
光の道が開かれる、
その際先には遠くひたすらに遠く続く道と、蛇行する斜面がまるで曲芸軌道を描いた飛行機雲のように自由に続く流れがあった。
「私はこちらから黄金騎士の時代へ行き我らの民を|"その時まで"《・・・・・》、秘匿専守する。」
ロアは主にマリヤの方へ向き、次世代の権能者たちへ告げる。
「君たちはミハエルと共に行け。此奴は食えぬやつだが異能に関しての見識と技術力はノア様を除けば他に2人といない極地にたどり着いた存在だ」
「君たちを守るだけでなく、その守るための力…それを学ぶこともできるはずだ…君たち自身の成長にもつながるだろう」
そして、ロアに続いてミハエルが続ける。
「マリヤさん、貴方の力で過去へこれから向かいます」
「!?」
皆驚くが、それには特に反応せずロアが一直線に続く光の道へ進んでいく。
「それでは先に失礼する。」
その言葉と共に目と口から光を放ち、【GGR】を発動するロア。
ノアの支配下にいた全ての人類を光の粒子として自らに格納して道を進んでいった。
「マリヤさん、その斜面は時間の流れを可視化したものです。少し屈んでソレに触れてみてください。」
「…。」
それに触れた時マリヤの脳内に果てしない時間の処理が襲いかかる。が、
「!!」
咄嗟に【構成記述者】によってそれを閲覧するためのOS的異能空間を目の前に展開した。
「流石ですね。もし危うければ手を貸すつもりでしたが。」
「失礼。」
「!」
マリヤの肩に手を置いたミハエルは彼女へ情報を異能経由で渡す。
「エヌエヌ=ワーニュ・ディスワッペン
エヌエヌ=ラッセ・ディヌワッペイ
フィギ=ユチュ・ルゥ=ルゥ=ルゥ・ローニ
銚子恋天・邪寧族・コライッツ・マイラブ
ウィ・リアム・エルドラド
10年前に滅びた黄金王国の王族:スラムに逃げたあと雷助と出会う。2人で実力主義暗殺ギルド「クロスチェーンバンカー」に入り、ショタコンのSSランク暗殺者「ブダペスト」に弟子入りする。
キリアン・雷助・ランズ
暗殺者一族「五行神司」の「雷撃集」の天才児。
主人公に壊滅された親世代のせいで「五行神司」が解体され雷撃集がまるまる「クロスチェーンバンカー」に吸収されたことで活躍する機会がなかった。親世代の五行神司を軽蔑している。
ウィルと共に「ブダペスト」に弟子入りする。
ロエ・ミストガルド(霧島露衣)
独学で仙術に辿り着いた変人。
雲峰運法という特殊な仙術を含め道術の形式にとらわれない仙術を好み悟りに至らず開祖した極めて稀な仙人。
仙人には珍しく、俗世を覗く趣味があるが、しかしやはり、社会に関わる気はなく基本的になるべく無駄に寿命を使わないこと、死んでからも自我が霧散することなく世を見続けることができる方法を模索している。
夜姿見 縁
ガキの頃から山遊びが好きで都会に出てきても必ず山に週一回は入る無邪気な青年。
山でできることを見つけるのが趣味で、一つの山では得られないこともあるかもしれないのではないか?ということを閃き、いろんな山で山遊びをする(曰く:山探し)その途中でロエに出会い、文字通り、“山で霞を食って生きる仙人”にとても魅力を感じ、登山家やその類になって死ねればいいかなと考えていたところから欲丸出し人生設計として
「「人間社会そのものを大きく転換させバイオテクノロジーや自給自足、地産地消といった文化体系を主体としたエコロジー文明社会にすることで永遠に山遊びが出来るし、1人ではできない山遊びが出来るようになりたい!!」」
という、はちゃめちゃな野望をもつ。
カイル=ド=レーン
金髪のイケメン肩アーマー男
肩口に異能のトリガーである見えない刀剣の柄があり抜き去るモーションで異能が起動する。
無限活人剣術の最強流派と言われる「一次元一振一刀流」(次元一刀流)の対の流派、「十一次元流転全刀流」(流転全刀流)という剣術の開祖でありながら歴代最強の継承者。
“剣術が求める先は常に斬る対象であり、それは魂を扱う術である。”
宮本・新蔵八倉景時・義輝
…ハッ…!?」
「そこまででいいでしょう。」
本来、異能的な感覚が防衛機構として働いて、咄嗟に時空連続体を見通す異能空間を作り上げたマリヤだが、その形式にのっとらずあえて、特定の名前、その人物を特定するための時空間的位置情報のみを付与した結果、与えられた情報が口をついて出ていた。
「今の人物はこの後の時間移動において我々が必ず接触しこの世界へと繋がる特異点として彼らの歴史をなるべく変更されないように監視する必要がある者達です。」
「特異…点?」
「ええ、彼らが成した事象がなければ我々の時代西暦3000年の異能世界へと繋がりません。」
そこまで黙って聞いていた岩鉄斎が口を開く。
「マリヤ嬢ならば…いや我々ならばそれを為せると?」
「ええ。」
ふむ…と思考を巡らせる岩鉄斎だが横からヴォルフが口を挟んだ。
「まぁ、なんでもいーさ。あいつらが俺らの時代をぶっ壊した、だから取り返してやろうってことだろ?」
「さっさと行こーぜ!」
「フフ…せっかちなことだ。」
それを聞き微笑で返すミハエル。
「では君を先頭にして出発しましょうか。」
「…え?」
何気なく言われた言葉に理解が遅れて固まるヴォルフ。
「マリヤさん、彼に時空間と情報体からの遮断膜をつけることはできますか?」
「…うん。できる。」
パッと手を翳した途端ヴォルフの周囲が光の膜、それもその表面に何やら0と1の数字が縦に流れる特殊な球状のもので覆われる。
「いや、ちょっと待て!?オレはまだ何も聞いて」
「それではいってらっしゃーい☆」
ミハエルが表面に触れると空間ごと不規則な編隊軌道の飛行機雲に見える「時間の斜面」にヴォルフはゆったりと流され始めた。
「オイ!コレどこいくんだよ!せめて行き先くらい教えろぉ!_________________」
くぐもったボイスで聞き取りづらいが大声で何か言っているようだ。
「ではみなさんは私の光のヴェールでいきましょうか」
「「「?!」」」
一同が驚く中、反論する暇もなく全員が「時間の斜面」に流れ出し、
「ヴォルフ君を先に流してしまっているのでペースを上げますね」
ギャー!という声と共に光の玉が時空の闇に消えていった。




