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神の咆哮

時の為政者、今河義仁が、執権・齋藤童慈の失策により神聖大英帝国により侵略を受け、反抗戦争を開始。

しかし、刀剣や弓矢を主体とする戦術しか持たぬ彼らに勝ち目はなく、植民地となった「日本国」は、

中華民国、ロシア帝国、インド中海共和国の大侵略を受け、完全に奴隷産業国家となった。

強いものに媚びへつらい、規則に従順な「日本国民」は

「倭奴」や「ワーデッド(屍人の一族)」と呼ばれ、完全に劣等民族として使い捨てられた。

ついには国名を「倭本ワノモト」と変更され、全知的教養を持つ国民の一斉虐殺「奴隷選別」が行われ、

より従順で、反抗的な知恵が回らず、しかし、仕事をより効率よくこなそうとする。

「優れた奴隷」

を生み出すだけの国となった。


ガンジン=真洞(マホラ)はその時代の「倭本」で力をつけた。


〜・〜・〜・〜・〜・〜


3人が激しい戦いを繰り広げる中、

岩鉄斎、ガンジン=真洞はとある人物に目がいっていた、


カワテマルオ。


岩鉄斎が若い頃に、亡国「倭本」にて大捕物の対象であった人物だ。


カワテマルオはその「奴隷選別」の際、

為政者「今河(イマガ)」の傍流「河手(カワテ)」の一族が「桃の葉流し」というある種の異世界送りの儀式を行った結果、

奇跡的に異空間に流れ行き、

オンゾゴベルンの一族に召還される形で転移した。


イマガの血を色濃く受けた円尾マルオは

治水の天賦の才能を持ち、

一眼見ただけで水の流れを自分のものにできる。


また、オンゾゴベルンの秘術により、

転移に関わった神「世瓊外保水」の恩恵を得ており、

その異能「井阿噴吽狂イ」により、

位置エネルギーが最も低いところに溜まった液体を自身のいる地平線のどこにでも噴出させることができる。


と、

これらをぶつぶつと岩鉄斎の耳元で呟いていたのは、

「構成記述者」マリヤ・ミハイロヴナだ。



「…!?、驚いた、いつのまに我が耳元に…」


「オジサン、あの人知ってるの。」


「ふむ…それが謎なのだ、ヌシの言うことが正しければ奴は過去からやってきたことになるはず。」

「奴らの生まれる前にいた存在が、今奴らの一員として“誕生”するものなのか…?」


「うーん…私は、【構成記述者】で表層を読み取っただけだから…」



「オッサン」



ヴォルフが闘争心を剥き出しにして岩鉄斎に問いかける。



「アイツらとヤんなら、俺も一緒に行くぜ。」


「まって。」


その言葉に、マリヤが止める。

いや正確には、助言のために時間を貰いたいようだ。


〜・〜・〜・〜・〜

ハウスデン・ファウスト=張角


黄衣の王「ハスター」

と呼ばれる外道の神を下ろした男性


病弱なため、欠席しがちな学校では、いじめられていた。

黄色の服しか着ておらず、特に目深に被ったフードは陰鬱とした印象を周囲に与え、格好の、そして、凄惨な虐めの標的として彼が選ばれるのを容易にしていた。

だが実は彼の悩みの種であった虚弱体質は、「ハスター」を体に降ろすための術が体に馴染むまでの間の体調不良であった。


ある日、解脱して「黄衣の王」として覚醒した彼は、

授業中に席ごと宙に浮かぶ。


周囲の就学児たちを発狂させ、

瞬時に額に烙印を刻み、

32体の配下「バイアクヘー」に変えた。


校舎の天井を屋上までまとめて吹き飛ばし駆け上がった彼は


異能「異亜宇陀双具鳴」


により周囲200キロメートルを神々しい黄色おうしょくによる煌雷と烈風で消し飛ばし、


しかし、32体の配下と自らの座する机と椅子には全く傷をつけずに、


そして宣言した。


「我、黄衣の王なり。今、此処より顕現した」


「すべてのイロハ、ワレニカシズク」



徐々に、人類には理解できない、

高次元の言語となっていく

彼の“宣言”を、

聞くことができる“ヒト”は、

すでにその場に存在しなかった。


ギチギチと、

喝采の言葉を紡ぐ、

昆虫とも、獣ともつかない異様な存在のみが、

新たな【王】の誕生を声高々に、

そう、彼らにとっては不快ではない異様な響きで、

盛大に、実に盛大に、周囲を飛び回って祝っていた。


〜・〜・〜・〜・〜


「…それがどうしたんだよ。」


「そのカワテマルオ、の横の黄色のマントの男、読み取ったけど、彼もまたこの時代より随分昔の人物だよ。」



「カンケーねェ。」


「いや、わざわざ過去の人物を招聘しているのには訳があるはずだ。下手な接触は避けるべきやもしれぬ。」


「そんな消極的でいいンかよ…!」


「加勢するならやはり彼等の方が良いだろう、と…いっているのだ!」


決まったのなら善は急げと、岩鉄斎がドッ!と飛び出す。


「…ヘッ!最初からそう言えよ!」


ヴォルフもそれにつづいた。


「男の人って…幾つになっても同じような思考構成なんだね。」


マリヤはもう、それを止めなかった。


〜・〜・〜・〜・〜・〜


神の咆哮


神格と内に秘めたチカラの発散・収束を司る。


様々なことができるが、

ロアが何合も打ち合う前、最初に行った【GGR】はその最たるものの一つであろう。


【GGR】とは、

Got a lot of God 、unknown Roared


の略称だ。


世界に無銘の神格を持つ叫び・咆哮で満たすことで全ての概念を停止させることができる技である。


要件としては神格を司るロアが、その力を世界に満たすことが重要で、個人の領域的権能が固有結界、創造的心象世界の相を成す空間はその表面までしか停止できないため、強力な能力者や存在そのものが独立した世界を司る各種神々に対しては機能しないものの、支配下におかれていない無機物や宗教的に素な存在に対しては絶対的に機能し、かつ一度発動すれば独占的に効力が発揮するため、ロア以外には因果すら超えて、不可逆的に干渉できない存在となる。


当然ながらロアが生涯、

発動したGGRを他社によって解除したのはノアを置いて他に存在しない。



ホムラは苦戦を強いられていた。

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