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カオスフィールド共和国

カオスフィールド王国とは、カリュドーン・ケイオス王が開国した、国土が未知の世界と接続されているため特殊な風土を持つ国である。


その性質(・・・・)より、何も他の国には情報が降りて来ず、殆ど国としての詳細は不明であるため、進軍するノア達も国境を超えても感じるその独特な雰囲気に違和感を覚えながら王都であるアンブロシアを目指していた。


「ほう?共和国だと?」


「ええ、散開させた獣人の密偵が集めてきた情報です。」


獣人族の密偵によると、王都アンブロシアでは、共和制による統治が大分昔から進んでおり、対外的には王政であるように見せていたと言う実態があるようだ。


「なぜそんな回りくどいことを…」


「なんでも、“異世界”とやらが関係しているそうですが…」


「異世界?」


そんな話をしていると、明け方の空に煌めく光が複数瞬いた。


「…!!」


オーラ圧で撃墜してやろうとノアが眼力を込めようとして、その遠方の飛来物の情報を読み取って、ハッと何かに気づき、右手をかざす。


アンクの右手の紋章に埋め込まれた宝石が光る。




「破天裁魔」



ノアの権能がアンクの右手にあるノアの因子を介して分体起点で発動する。


空に煌めく光が赤く発火する。


それは無数の隕石であった。


「ハロハロォー?」


ロアの目の前に急に金髪の少女が出現し、ロアは乗っていた馬から弾き飛ばされ後方の神裂軍先頭集団に受け止められる。


「何だ貴様は!?」


「私は共和国の使者、ロイアー・ルゼ・リーヴァ・スターレイン!!」


唐突に吹き飛ばされたことにより、困惑するロアをよそに、ノアは“特殊な”その娘に興味を持っていた。


「娘、何やら特異な能力を持っているようだな?」


「イエース?貴方も私の【ハニーレイモンド】を初見で無力化できるなんてすごいわァ?」


そんな話をしていると、ノアによって発火させられた隕石が空中で全て爆発した。


うわぁー!!??


神裂連合軍の上で炸裂したことにより、兵士たちに混乱が走る。


が、しかし、それは空に光る華のように、兵士たちにはわからないであろうが、“花火”と言う無害なイルミネーションであることが、アンクにはノアの分析によってわかった。


「何用だ、娘。」


ノアが尋ねると、


「共和国代表、ロイアー・ルディ・スーパー・ノヴァスに変わり、私、スターレインが停戦を申し込みに来たわ」


「停戦と言われてもな…」


「私たちは貴方方とは別に、強大で明確な敵がいて争っている余裕がないの。」


「…その敵の名は?」


「彼らは【センチネンクルス】と名乗っているわ」


「!!!」


その場の全員に驚愕が走る。


「私たちの王都アンブロシアには異世界に繋がる門があるのだけれど、そこの“チャネル”をあちらが合わせてきて侵入してくるの。」


「閉じてはいかぬのか?」


「門とは言ったけれど、それは宇宙からの訪問者の着陸点であったり、地底や魔界といったこの世界の延長線上にある異界、そして私たちの国が共和制になった始まりである、完全別世界の人々がやってくるための場所という意味なの。」


「なるほどな」


あいわかったと、ロアになにか耳打ちして、前に出るノア。


「我々の敵もその【センチネンクルス】という者どもだ」


「では…?」


「あぁ。その停戦承ろう。だが一つ条件がある。」


「条件?」


「後ろにいる金鎧の兵士たちは皆、実は庶民なのだ」


「数こそ多いが、我らの権能によって守られているにすぎん。できれば安全なところにいてくれている方が我々が動きやすい。」


「つまり、彼らを保護すればいいと言うこと?」


「いや、安全圏自体は我々の側にいる時空を司る能力者が特別な空間を設営中なのだが、そこから別の空間との行き来が課題であったのだ」


ピコーン!と内容を理解するスターレイン。


「…なるほど!私たちの時空門を使いたいってことね?」


「そう言うことだ。」


「そして、それにあたり、我々は敵が狙ってくるだろう拠点を偽るため、この世界における本拠点の体裁でクロスロード王国に“世界統一政府”を設置しようと考えている。」


「それは…何?」


「お前たちの国も含めたこの大陸の主要国家の連合政府だ。」


「我々の世界において、【センチネンクルス】共が攻めてくる前に作り上げていた政治的な体制を奴らが、改変したこの世界でも作り上げることによって挑発する効果がある。」


「へぇ…?」


「つまり、お前たちも形上、我らの軍門に降ってもらいたいのだがそれは問題ないか?」


「うーん、それはパピィ…いや、私の父上、ロイアー・ルディ・スーパー・ノヴァス総裁が許してくれないかも。」


「形式上であるから融通は聞くが。」


「…じゃあ、たとえば世界統一政府の顧問国家にしてくれる?」


「そうだな、他の国より優位に立たせることはできよう。」


「それならイケるかも!じゃあ、それで決定ね!私は国に戻って報告するわ。あなたたちはどうする?」


話がついたことを確認してロアが軍を率いて動き出す。


「我々は連合軍を一旦、クロスロード王国に戻す必要がある。」


「ロアが、軍を率いてそれをする故、我とアンクのみ、君の国へ同行しよう。」


「OKィ!」


そう言うと、スターレインはその場に大きなオーラ塊を出現させた。


それは3つほどに分かれて、ノア、アンク、そして、スターラインの前に進み、


オーラ塊が小さくなるにつれて内部の結晶構造、と言うよりハニカム構造といった容態の硬質なモノに変化していった。


「どーん!これがハニーレイ☆ダイヤモンドの【アニマリス】よ!」


どうだ!と言った感じでノアとアンクに振り返るスターレイン。


そこには特殊な結晶で作られた蜂に酷似した大型擬似生命体がカオスフィールド王国の方に向いて主たちが背に乗るのを待っていた。




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