番外編 その後の女子トーク
番外編2つ目は優視点です。執筆はひろたです。
「それでね、どうやら咲さんと一平さん、二人で自転車旅行する約束したらしいよね。聞いた?」
ラインでそう美晴さんに報告する。通話じゃなくてメッセージで。
いいなあ、男の友情。ほんのちょっぴり寂しい気もするけれど、そこに割り込むほど無粋じゃないつもりだ。ほどなくオニギリが「マジか!」とびっくりしているスタンプが送られてきた。かわいい。美晴さん、聞いてなかったんだね。
『そうなの? いつ?』
「九月の連休に計画してるって」
『来月なの? 思ったよりすぐだね』
「ね。旅行に一緒に行ったばっかりなのに気が早いよね」
返事を送って私もスタンプを送る。私のはスイーツだらけのスタンプで、送ったのはロールケーキが「やれやれ」って言ってるやつ。お互い食べ物のスタンプなあたりが料理部らしい。
この夏休みの旅行で、私たちと美晴さんたち四人はますます仲良くなれた、と思う。一平さんと咲さんはもう親友みたいな関係だ。性格は違うけど、どちらも真面目で優しくて正義感が強いあたりよく似てると思う。気があったんだろうなあ。
かくいう私と美晴さんもこうしてしょっちゅうラインでやり取りしたり、仲良くなったと思う。また一緒に料理したいなあ――あ、そうだ。
「ねえねえ、咲さんと一平さんが二人で旅行行くなら、私たちもどこか遊びに行っちゃおうか?」
一緒にマカロンが集団でキラキラした目でこっちを見ているスタンプを送る。するとすぐにオニギリと手巻き寿司が「いいね!」ってバンザイしているスタンプが返ってきた。
そこから二人で盛り上がって、前から行ってみたかった和菓子作り体験にいこうということになった。練り切りを作ってお抹茶も点てるんだって。それからどこかで美味しいランチも食べちゃおう。
あああ、やっぱり食べ物中心になっちゃう、食いしん坊な私たち……
美晴さんと遊びに行くの、楽しみ! 私はラインのやり取りを終わらせて、美味しいお店の検索をするべくアプリを立ち上げた。
後で一平さんと咲さんに「俺もそれ行きたかった!」と悔しがられたのでした。
続けてもう一話投稿します。




