神じゃない、遊び
「さっそく、やってみよう」
神様は、ボタンの上に手をスタンバイさせた。そして、押す。
キャッチャーの機械が横へと、動き出した。神様がボタンを離すと、機械も動きを止めた。その後は、前後へ進む動き。神様は、それも操作した。キャッチャーはつまむところが開いて、閉じていく。そして、出口の筒のところで、また開いた。
景品は、取れていない。
「あれっ、何でですか?」
天子ちゃんは、神様が取れなかった理由が、分からない。
「取れない方が、面白いかと思って」
「ええっ!!?」
「不思議だけど、取れないやり方に面白さを見つけたんだ」
「ああっ、なるほど。どうやったら取れないかを考えながら行うんですね」
「うっかりすると取れてしまうから、頭を使う」
「さすが、神様です」
〈人間が見たらイラッとする遊び方、だけどね〉と、天子ちゃんは思った。
「クッ。取れそうだ…」
「神様。頑張って…」
〈これって、時間とお金の無駄なんじゃないかなって気がする〉天子ちゃんは、神様を見ながら思う。
〈でも、神様、楽しそう。
神様は、人間を神様にしようとしていた風に思えるけど、同時に、神様は、神様じゃない何かになりたいって心が望んでいそうにも見える〉天子ちゃんは、新たな発見があったように感じた。
続く
神様は、何か神様じゃなきゃいけない存在に、息苦しさを感じてしまっているようだ。




