37/123
新しい願い
「ありがとう。私は、生きることを諦めようとしていた。本当は、それでは、病気に負けているのと同じだったんだ。どんなに苦しくても。
私には生きてほしいと応援してくれる有難い存在が、ずっと側にいてくれていたことを忘れていた。そうだ、あの子がいるんだ。治りたい。今、そう思えたよ。生きられないのを、病気のせいだけにして、死んで楽になりたいと、そう願っていたようだ。私には、愛してくれる家族がいたっていうのに。死ねない。そう、思えたよ。
天子ちゃん、ありがとう」
天子ちゃんは、「ううっ」と言ってポロッと涙をこぼして、泣いてしまった。
「神様…。助けてあげてよ、この犬を」天子ちゃんは、天使の立場を忘れてお願いをしてしまった。
夜空にキラッと、流れ星が輝いて消えた。
「光神様…」天子ちゃんは言った。
ベワーフは、死んでしまっていた。
ベワーフは最後に、あの光り過ぎ行く流れ星に、自分の生きたいという願いを重ねたのだろうか?
ベワーフの頬の横には、コマがあった。
コマが、まるでベワーフに寄り添っているかのようだった。
続く
病は、気が滅入るけど、周りの人を思い出して、生きたいって願わなきゃいけないんだね。
この話を作っていて、大切なことを思い出した気がする。




