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神鋼のソウルスミス  作者: こぬさん
第一章  陸王の息吹は春の訪れと共に吹き荒ぶ
20/40

魔法障壁魔道具<イージス> 3

すいません!!

予約投稿していたつもりがミスって投稿出来ていませんでした。

確認は本当に大事ですよね…


*追記*

前話の【 魔法障壁<イージス> 3 】思いっきり編集ミスってました…

少し話を進めて再編集したいと思っています。どこかで帳尻合わせますので今しばらくお待ちください。

突っ込み頂き大変感謝です!!!


*10/1追記②*

本日修正完了致しました。


(追記10/4)前に前書きで報告した気分転換の新作を先程投稿しました!


*新作*

俺でなきゃ見逃しちゃうね ~圧倒的なモブ感満載な俺が異世界で旅団を作ろうとしたんだけど誰か助けてっ!~


↓↓↓ ページ最下部にリンク張っておきますので皆様よろしくお願いいたします。 ↓↓↓


 目の前に起こっていることに理解が追い付かない三人であったが、神鋼しんこうは無視して作成に没頭して行く。

 実のところ本格的に現実世界で魔道具の作成経験が無い神鋼しんこうは少しだけ焦りを感じていた。何せ魔道具作成にはお金がとてもかかるのだ。さすがに5歳児の懐事情ではどうすることも出来ないことであったというのと、現時点ではその必要性を感じていなかった故にこれまで放置していたのだ。


( ぶっつけ本番ですか…とりあえずはこの難局を乗り切ることだけを念頭に作成することにしましょう。完成度は二の次です)


 神鋼しんこうはこれまでに見せたことのない真剣な表情で薄く伸ばした鉄製の鋼板に魔導文字を書き連ねていく。魔導錬金モードで浮遊している鋼板はいつもと違ってとても小さく正方形に形を整え、そして同じサイズの正方形型鋼板が無数に浮いているのだ。


 神鋼しんこうが今行っているのは可能な限り小さく魔文字を刻んでいく作業で、ワールドゲート時代では『刻印作業』と呼んでいた。

 これはワールドゲート黎明期を過ぎた辺りに確立した魔道具作成におけるセオリーで、一つ一つに意図した機能を盛り込んだ魔導プログラムを刻み込み、それを複数枚纏めることとで望みの機能へとカスタマイズする方法論であった。

 そこからブラッシュアップされて行くのだが、その中でも最上級の技術とされていたのが『立体式 魔導刻印』と呼ばれる方法で、これまで二次元での刻印作業に高さの概念を取り込み刻み込む魔導プログラムの量を飛躍的に向上させるやり方であった。


それを更に派生させたのが実はこのステイタスUI魔法にも取り込まれている『積層型魔導陣』と呼ばれ、これは物理的な刻印作業とは違い、魔法上での魔導プログラム発現方法なのだが話が脱線しそうなので割愛する。


 現時点では物理的な魔道具を作成するのに最適な立体式魔導刻印を施している最中なのだが、先程も上述したように神鋼しんこうは現実世界で行った経験が無かった。本当に出来るかどうかも怪しい技術であるのだが、己を、そしてこのゲームと現実が混じったこの世界を信じて作業に没頭していた。


 (どうやらゲーム内の刻印技術は現実世界でも同様にリンクしているみたいですね)


 神鋼しんこうは少しだけ笑みを零した。


 この笑みは安堵の笑みでもあり、そして光明が差した瞬間でもある。

 刻印作業を続け、一通り終わるとそこから組み上げの作業へと移る。


 (さて、調達してきた素材がゲーム内のセオリー通りなのかこれもぶっつけ本番ですね)


 途中想定通りに行かない素材もあったが知恵と工夫で代替手段を模索し、構築していく神鋼しんこうは当初難しい表情を見せていたのだが、いつの間にか表情が笑みへと変わっていた。


 その様相に三人は驚愕の眼差しを向けていた。


 刻印作業を開始してからおよそ3時間ほど経過した。

 神鋼しんこうはふぅ、と息を吐き出し、そして魔導錬金モードを終了した。


 目の前にはおよそ一辺が20㎝程度ほどの正六面体キューブの箱が机に置かれていた。表面には何やら幾何学的な光の線が走っては消えていく。


 「こいつは…」

 「なんと神々しいのでしょうか…」

 「こ、これは現実なのか…」


 三者三様の態度を横目で見つつ、神鋼しんこうは次へと移っていった。


 「さて、想定通りの効果が発揮するかどうかテストしてみましょう」


 そういうと正六面体キューブの箱上面にある丸く刻まれた場所に触れて魔力を走らせた。

 すると黒いウィンドウが現れ、そこにはメニューが表示されていた。


 「まずは魔法障壁を半径10メートルで展開してみましょうか」


 メニュー画面で選択肢、開始ボタンを押すと同時に半円型の障壁が展開された。


 「「「おぉぉぉ!!!」」」


 同時に三人から歓声にも似た声が上がる。


 「こ、こりゃあすげぇ!!」


 「師匠!! これならイージスの代わりは十分に務まるかと!」


 「なんということじゃ…まさしく神の御業…」


 盛り上がる三人を余所に神鋼しんこうは一人難しい顔見せていた。


 「どうしたんでい? 坊主??」


 「これは…ダメですね」


 「駄目…?」


魔導錬金モードを立ち上げていた神鋼しんこうはそこに観測されていたデータを見て苦い表情を見せていたのだ。


 「エネルギー効率が当初想定していた数値に届いていません。それに障壁の強度も問題です。想定を相当下回っています」


 神鋼しんこうは親指を噛む仕草を見せると、魔導エディターを立ち上げてプログラムの見直しに入る。


 「この記述は現実世界だと弱いのか…だとすると…いやしかし…」


 独り言をまるで念仏を唱えるかのように発する神鋼しんこうは再度一人の世界へと突入する。


 ゲーム内の想定効果と現実世界の実際効果を比較し、検証すること数十分。神鋼しんこうは再度魔法障壁を立ち上げ、そして大きく息を吐いた。


 「ふぅ…これで何とか実用レベルまでは届きましたか…」


 先程までと違って明らかに障壁の強度が上がった様を見て安堵の息を吐いた神鋼しんこうは「よっこらしょ」と爺臭い台詞を吐きながら床に座り込んだ。


 「し、し、し、師匠!! 私は今、猛烈に感動しています!!!」


 そう言うとハイムが目の前に土下座するような恰好で涙目になりながら神鋼しんこうの側へとにじり寄って来る。


 「ちょっとキモイですハイム」


 ノーセンキューとばかりに顔を背ける神鋼しんこうだったが、周囲からドタドタと雑踏音が迫りくるのを感じ取り扉の方へと視線を向けると…


 「こ、これは何事だっ!!」


 世紀末覇者マオウ…じゃなかった第126拠点ブレイバー支部長がお供と共に倉庫へ雪崩れ込むのであった。





 「そ…そんなことが…可能なのか…」


 世紀末覇者(略 ブレイバー協会支部長は深い嘆息を吐きつつも目の前でずずっと音を立てながらお茶を飲む幼児を見てそう呟いた。


 「それで、僕に何の用でしょうか。……とは言っても大体は想像がつきますが」


 そう言うとブレイバー協会応接室に設置してある窓の方を神鋼しんこうは視線を移した。


 その様子を見たブレイバー協会支部長はまた深いため息を吐いた。


 「あぁ、そうだ。拠点に設置してある魔法障壁<イージス>についてだ。本来ならここにたまたま逗留しているハイバルデリンデムの居所を探しに使いを走らせていたのだがな」


 「それでたまたま簡易障壁魔道具を発見、今に至る、という訳ですね」


 そう話を補完するとお茶をずずっとすすった。


 「……ハイバルデリンデム、緊急依頼をお願いしたい。ハイバルの槌にこのイージスの修復作業をお願いしたいのだ。何とか受けてはくださらんか?」


 「うぅむ…内容が内容なだけにもちろん受けるが…」


 言い淀むデリンデムに神鋼しんこうは、


 「まぁいきなり最新技術の塊であるイージスの修復、と言われてもですよね。普通は」


 とデリンガムが言い淀む理由をハッキリと言い当てる。


 「それは分かっている。だがハイバルの槌と言えば世界最高の魔導鍛冶血盟であり、それは錬金鍛冶の分野にまで及ぶ世界の先端集団ということは世界の常識でもある。ましてやこのイージスシステムはハイバルの槌も開発に関わっていると報告を受けている。先代当主であるハイバルデリンデムであればそれ程難しい問題ではないのであろう? もちろんこれは央軍にも相談してお願いしていることなのだ」


 「それは分かっておる。分かっておるのだが…」


 「普通に考えて拠点を丸ごと覆う魔法障壁を作るのでしたら血盟クラン内にも専門の集団チームがあるんでしょ?」


 神鋼しんこうのツッコミにデリンデムは言葉を詰まらせた。


 「痛いところをつくのぅ。童は。そうじゃ。隠してもしょうがない故にここでハッキリとさせておくが、儂にはアレの修復は無理じゃ。儂とて魔道具に精通しておる専門家と言えるのじゃが、アレは軍事用魔道具じゃからな。それ用の専門集団がハイバルの槌内にいてのぅ。そいつらの苦心の作なのじゃ。もちろん単独で作成した訳じゃないが…だからこそ少なくとも制作に関わった鍛冶血盟スミスクラン魔道具血盟アイテムクランを呼ばねば全容を解明するなぞとてもとても…」


 そう言うとデリンデムは首を横に振った。


 「……だが、先ほどの小型障壁を作ったのならば…修復までは無理までも央国政府から派遣される修理部隊までは機能の維持は可能なのではないのか?」


 ブレイバー協会支部長はそう言うと神鋼しんこうをチラリと見やった。


 「無理ですね。あれの効果範囲は最大でも100メートル前後、エネルギー効率的にはそれ以上出力をあげてしまうとエネルギー収支のバランスが崩れてすぐ動かなくなります」


 ブレイバー協会支部長はイージスが仮に動かなかったとしても、小型の魔法障壁を作れるのならばそれを応用、若しくは複数設置することによってある程度カバー出来るのではないかと考えていたが即座に神鋼しんこうから却下される。


 「……何もやらないとと言う選択肢は無いのだ。駄目でもいい。まずはイージスシステムを診てくれないだろうか。もちろんこれは緊急依頼扱いとし、成功条件は診断のみ、それでもいい」


 今度はデリンデムが神鋼しんこうをチラリと見る。

 神鋼しんこうは口元をむにむにと、まるで喜びを噛み締め、無表情に徹しようとしている。

 その姿を見て鍛冶屋の親父は顔に手を当て、ハイムは目をキラキラとさせながら神鋼しんこうを熱い眼差しで直視していた。


 「仕方ありませんねぇ。協会がそこまで言うのなら診るだけ診てみましょうか。ねぇ? お爺さん?」


 「…そうじゃな。何も出来ないという訳ではない。今現時点でここにいる我々以上の者なぞいるわけでもなしじゃしのぅ」


 その言葉にブレイバー協会支部長は椅子から勢いよく立ち上がり、善は急げとばかりに全員を拉致紛いに央軍中央基地まで連れて行くのであった。


【※ここまで読んで頂いた皆様へ大事なお願いがあります※】


ここまで読んで頂きありがとうございます。

拙作ではありますが、少しでも「面白い!」や「続きが気になる!」等々


と心の中に少しでも抱いて頂けましたら


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ぜひこの拙作のモチベーションを維持して頂くためにも、何卒宜しくお願い致します。


(追記10/4)前に前書きで報告した気分転換の新作を先程投稿しました!


*新作*

俺でなきゃ見逃しちゃうね ~圧倒的なモブ感満載な俺が異世界で旅団を作ろうとしたんだけど誰か助けてっ!~


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