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神鋼のソウルスミス  作者: こぬさん
第一章  陸王の息吹は春の訪れと共に吹き荒ぶ
19/40

魔法障壁魔道具<イージス> 2

よろしくお願いいたします!


*10/1追記*

前話と内容が重複していたので削除後、サブタイトルの数字を変更しました。

連絡いただきありがとうございました。


(追記10/4)前に前書きで報告した気分転換の新作を先程投稿しました!


*新作*

俺でなきゃ見逃しちゃうね ~圧倒的なモブ感満載な俺が異世界で旅団を作ろうとしたんだけど誰か助けてっ!~


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 「何事じゃっ?!」


 「い、今の音は只事ではないですよね?」


 ハイバル一家が顔を見合わし、神鋼しんこうと鍛冶屋の親父はお互いに見合うとお店の外へと駆け出した。


 鍛冶屋の扉を開けた直後、突風と共に大量の魔素が吹きすさんでいた。


 「こ、こりゃあ…どういうことだ?」


 後から続いたハイムと祖父であるデリンデムは吹きすさぶ魔素に顔を顰めた。


 「これは…魔乱状態…外のイージスが破られたのか?!」


 「お、おじい様…それって相当に不味いんじゃ…」


 唐突に鍛冶屋の親父はその場に片膝を付いて苦渋の顔を見せていた。


 「ぐうぅぅぅ…」


 「いかんのっ! この濃密な魔素に充てられとるっ」


 その時であった。


 魔力障壁が展開され、鍛冶屋全体を覆い、尚且つこの激しい魔乱状態を完全にカットしきるまでの強力な障壁が展開された。


 全員は驚き、そして展開元を目で追うとそこには神鋼しんこうがやれやれ、といった顔をしながら周囲を見渡していた。


 「な、なんと! お主は魔力障壁を展開できるのかっ?!」


 「し、師匠は魔法も使えるのですか?!!」


 「この程度の技は魔法の範疇に入りませんよ。ただ障壁を作っただけですから。それよりも親父さんは大丈夫ですか?」


 先程まで強力で濃い魔素に充てられて真っ青だった鍛冶屋の親父は先程の苦痛はどうなったとばかりにすっと立ち上がり額の汗を拭う仕草を取る。


 「あ、あぁ。この障壁のお陰でだいぶ楽になった。ありがとな。しっかし…おめぇは常識の外にいすぎだろう」


 「咄嗟のことで緊急的に障壁を展開しましたが、まぁ無事で何よりです」


 「とりあえず障壁のことは置いておいて、一体何があったんでしょうか」


 全員はその言葉に黙り込む。あるとすれば言葉にも出したくは無い程のことに言い淀んでいるのだ。しかし一人だけ空気を読まない童が涼やかなる声色を奏でた。


 「まぁ、十中八九、拠点の障壁、イージスが突破されたんでしょうねぇ。周囲は魔乱状態で中々探るのも困難ですが、その可能性が一番高いでしょう…ん?」


 神鋼しんこうは遠くを見るような表情を作る。


 「どうやら魔乱状態が収まっていくようです」


 その言葉にハイムは鍛冶屋の扉をそっと開けて周囲を伺った。


 「か、風がっ! し、師匠!! 風が収まっています!」


 「恐らくはイージスの緊急システムが作動して補助用障壁が展開されたんじゃろ…だが」


 デリンガムは顔を少しだけ顰めた。


 「急場しのぎってことでしょう。どういう理由が原因で障壁が破られたのかはわかりませんが、何にしてもこのままでは良くないことは子供でも理解できます」


 「…じゃな」


 「まずは簡易の魔力障壁を作り出す魔道具とやらを作ってみましょうか」


 「だのう。魔力障壁を展開できる魔道具を……って何言っておるのじゃっ! 簡単に作れるわけがなかろう!」


 ノリ突っ込みの様相を半ば無視した神鋼しんこうは鍛冶屋の素材倉庫へと足を運び、素材を吟味し始めた。


 「金属系素材は問題ないのですが回路に使う魔石が全然足りないですねぇ。ハイム?」


 「は、はい。師匠」


 「申し訳ないのですが協会に併設している魔雑貨店から魔石を調達して来てください」


 そう言うと神鋼しんこうのポケットから自作のメモ帳を取り出し、そして何やら書き込んでいく。


 「それとここにあるものを調達して来てください。魔雑貨にあるはずですから。無ければ…何としても手に入れて来てください」


 「はっ…はい! わかりました!!」


 駆け足でその場を後にするハイムと入れ違いで鍛冶屋の親父が倉庫に入って来た。


 「お、おめぇは魔道具も作れるのかっ?!」


 「まぁ…専門ではないのですが、必要に応じて作ることも過去に多々ありましたし」


 「過去…?!」


 「あ、あぁ何でもないです。それよりもハイムが帰って来るまでここにあるもので進められる部分に手を付けて行きます」


 そう言うと神鋼しんこうは魔導錬金モードを立ち上げ、そして魔導エディターを起動する。


 「さて…まずは障壁を展開する魔導プログラムから構築していきますか」




 第126拠点内の魔乱状態が収まって小一時間程経った鍛冶屋倉庫では神鋼しんこうが神速とも呼べる速度で魔導エディターにコードを書き連ね、そしてプログラムを構築していた。


 ハイバルの槌先代当主でもあるデリンデムは神鋼しんこうが組み上げる魔公式を見てみたい、との強い要望から魔導エディター可視化モードに切り替えて作業を続けている。


 「……なんということじゃ」


 デリンデムはこれまでの価値観を崩される程の深くて強い衝撃を受けていた。

 これまでの常識でもある魔導錬金学を基にした魔法の構築、及び行使に始まり、そこから派生した魔具創生学という新たな学問が体系化して数百年経った現在は当時と比べる間でもない程に発展した。

 その先端を一時は走り、リードしていたと自負していたハイバルの槌当主経験もあるデリンデムはまるで次元の違う論理ロジックに只々、驚愕することしか出来ないでいるのだ。


 これまでの人生を武器防具、魔道具に全てを充てたと言っても過言では無いデリンデムにとって今ここに見ている光景はまるで数百年先を見ているのではないのか、そう思う様に至っていた。


 そして一つの結論を思い描く様になっていた。


 『この童はアカシックレコードにアクセス出来るのではないか』


 アカシックレコードという言葉がこの世に生まれたのは今から数千年も前に遡る必要がある。


 数千年前の歴史を記録している書物の中で唯一【 空中国家ノア 】を記述した【 ジライヤの冒険録 】と呼ばれる書物がある。


 このジライヤこそがブレイバーの祖と言われており、実のところブレイバーという職業は数千年も長きにわたって活動し続けていた由緒ある組織なのだ。


 ジライヤが自身の冒険を記録した物を同行していた仲間が編纂した物がこのジライヤの冒険録なのだが、そこに興味深い記述がある。


 『ジライヤは我々とは違い、特殊な瞳を持っていた。力を込めると瞳は虹彩を変化させ、特殊な魔法を発動させるのだ。魔法では無い特殊な現象をジライヤは術、と呼んでいた。我々もその術を得ようと必死になって訓練を繰り返したが身につけるに至ることは無かった。そんな不甲斐ない我々を「気にすることは無い、そもそもこれはアカシックレコードに接続出来なければ無理なのだ」と言い、ここから推察するに、恐らくこれは本人固有の特殊な才能なのだろう』


 伝説的ブレイバーであり、祖でもあるジライヤはその後も鑑定石を発明したり、今日のブレイバーが活動する際に必須な魔道具を多く生み出している。


 世界ブレイバー協会が保有する鑑定石はブレイバー自身の戦闘力を図る上で必須の魔道具であり、ここで個人のスキルや可視化した力量を確認するのだが、実はジライヤ以外にこの鑑定石は作成出来た者はいなかった。


 それは何故か。


 鑑定石内に保存されている魔公式が解読出来ないのだ。


今ではこの魔公式はジライヤ難題と呼ばれ、魔導学会にとって未解決最難題の一つとして数えられており、これを解くことに人生を賭けている者は大勢いる。デリンデムもその一人ではあったが、今、自身の目でみている光景はまさにその難題と同じレベルにあると映っていた。


 そんな思いに耽っていたデリンデムであったが息を切らせながらも戻ってきたハイムが発する荒い息遣いにようやく正気に戻った。


 「はぁ…はぁ…はぁ…し、師匠…調達して来ました!」


 そう言い倉庫に設置してある机に調達してきた物を無造作に出していく。

 それを神鋼しんこうは魔導錬金モード内の一機能である鑑定モードを立ち上げ入念にチェックして行く。


 「これならば何とかなりそうですかね。とは言っても作ってみないとわかりませんが」


 そう言うと一旦魔導エディターを閉じ、魔道具の基になる基盤の錬成に移って行く。


 「お、おい。魔道具の基となる魔基盤を作成するなら専用道具が必要じゃ…」


 「その必要はありません」


 鍛冶屋の親父の懸念を一言で終わらせると魔導錬金モードで素材ごと弄り始めた。


 「し、師匠…これは一体…」


【※ここまで読んで頂いた皆様へ大事なお願いがあります※】


ここまで読んで頂きありがとうございます。

拙作ではありますが、少しでも「面白い!」や「続きが気になる!」等々


と心の中に少しでも抱いて頂けましたら


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ぜひこの拙作のモチベーションを維持して頂くためにも、何卒宜しくお願い致します。


(追記10/4)前に前書きで報告した気分転換の新作を先程投稿しました!


*新作*

俺でなきゃ見逃しちゃうね ~圧倒的なモブ感満載な俺が異世界で旅団を作ろうとしたんだけど誰か助けてっ!~


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― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく拝見させていただいております。 [気になる点] 最新話とその一つ前の内容が後半に少し文章を継ぎ足した物になっていましたよ~ [一言] これからも楽しみにしています。
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