飴から始まる物語2
飴編2話です
おっさん生き返るの巻って感じで読んでいただければと思います。
「メーシーとか言ったっけ?」
「はいはい。頭原潤さん。」
ん?名乗ったっけ?
まあいいのだけれど。
「あのさぁ。こんな時に無粋な質問だけど。おじさんどうすればいいんだ。」
「それなら私がどうにかしましょう。」
どうにかってどうするんだよ消すわけにもいかんだろ消し炭だけど。
「その缶の中にある真っ黒で漆黒のような飴が破滅ドロップなんだけどそれを逆にすればイイだけだよ。」
「破滅ドロップなんだよ。」
「食べた瞬間四肢がもげて爆発するの!」
そんな元気に言われても。ましてや少女の口からこんな物騒な表現が出ていいものなのか?
「私の口から出るのは夢と希望だけですよ!
あなたの口から出るのは反吐だけですけど」
「おいクソガキ」
「誰が餓鬼ですか!そんなヤバい存在ではありません。スリムではあるのですが〜・・・」
「日本語の難しさであげ足をとるな!そしてそんなのどうでもいいからおじさんをどうにかしてくれ。」
「あー。自分の過ちを私にどうにかしろと。はいはいやりますよやればいいんでしょ。」
ほんと素直さ皆無の少女だ。
もしかして魔法で年齢偽装くらいはしてるかもしれないな。聞いてみよう。
「あの〜メーシーさん。」
かしこまり聞いてみる。
「年齢のことは答えられません。」
じと目で睨まれる。
「あの〜メーシー様。」
「殺しますよ。」
「ごめんなさい。」
この少女怖いです。
「ところで破滅ドロップを食べるってことだよな?」
「そうですけど何か?」
「逆にするって別にそのままの意味じゃないよな?」
「はいモチのロンですけど、馬鹿ですか?」
こいつ、質問にひどい質問で返しやがった。
「でどうやるんだ。」
「因果反転魔法ですよ。」
「因果反転魔法?」
「まあやってみますから。」
そう言うと少女は体から黒い靄を出し部屋を染めていく。
そして暗い部屋で明るい声で
「マジケルマジケルクルリンパ!♪
ハジけるタスけるクルリンパ!♪」
真っ暗の部屋で何をしているのかわからんしなんの呪文わからんがそのとき、ピカッ!と一瞬ひかり、目の前の破滅ドロップが輝き始めた。
おそらく破滅の逆、復活ドロップとなったわけだと思う。
「はい頭原さん。」
と、その飴を僕に渡す。
ん??
どうすればいいのだ?と言いたげな顔でメーシーに目を向けると。
「MtoMですよ!」
??
夢宮が赤らんで
「マウストゥマウス」
という
「はああああ!?なんでおれが!?」
「そりゃあ腐女子の需要に応えて!」
「そんな需要はねぇだろ!どこの腐女子がおっさんと中学生男子のキスシーンを望んでいるんだ。」
そんなツッコミに珍しく夢宮が乗る。
「割とあると思うよ!需要!」
なぜ割とノリノリなの愛は?おれの彼女だったよね?おれの初キスがどこぞの40後半のおっさんに奪われていいわけ?
「ていうか、なんで口移しな訳!?」
「そりゃあおじさんは死んでるからねぇ。生命エネルギー的なのが要るわけよ。タ・ス・ケ・ルドロップだからね。」
「よし!ゲイBARに行こう!そして男とキス依頼だ!」
どうしても僕とおっさんのキスだけは避けなければならない。とはいえおっさんを助けなければならないのも事実。
「私がやるヨン」
ん?
「だから、私がやるヨン。」
変な語尾のおっさんが背後に現れた。
「じゃあお願いします。」
この際おれの唇が守れるならどうでもいい。
その辺に現れた変な語尾のおそらくゲイのおっさんが、おっさんとおっさんのMtoMを望んでいようとどうでもいい。
「飴をこちらニン」
そう言われ飴を渡すと
「チョーーートマッターーー!!!」
と夢宮が叫ぶ。
「おっさんとおっさんのキスに需要はないよ!おっさんをせめる若い男にこそ価値がある!」
訳のわからない持論を展開を展開した夢宮に僕は確信した。
「お前腐女子だろ」
「腐ってないよ!こんなピチピチなのに!ひどい!!どう見てもフレッシュでしょ!あっ!もしかしてフレッシュ女子略してフ女子でしょ!」
くだらないことを言う腐った彼女はほっておこう。
そんな僕らを尻目に、飴を口移しで渡し、思っていたよりディープなキスをするおっさんの絵ズラがそこにはあった。
なんかスズヤのおっさんまんざらでもなくキスしてるよな・・・。
ちょっと隣でハァハァ言わないでくれます。夢宮さん。嫌いじゃないけど気持ち悪いです。
そんなこんなでおっさんは生き返った。
何事もなく。普通に。
んでなんか。帰った。おっさん同士で。
夢宮を腐女子という設定を加えてみました。
なんか今回は汚れた感じでごめんなさい。
潤と愛は付き合っていますが、まだまだヒロインは登場する予定です。お楽しみに!