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悪魔リリスの復讐譚  作者: 猫みかん
第一章-海の悪魔
7/22

ふざけるな




ーーーー昼休み





現在リリス、レヴィ、遥と俺の四人で昼休みの時間帯のみ解放される屋上で昼ご飯を食べている。




「リリスは結構クラスのみんなと仲良くなれてるよな?」



「そうなのでしょうか?私はただ魔王様に言われた通りにしているだけなのですが」





リリスの方はなんとか学校でもやっていけそうだ。




しかし問題はレヴィだった。





「………なに?何か文句あるの?」





レヴィを見ていたら怒られた。





「いや、何も無いけどさ…」




「兄さんどうしよ!レヴィちゃんね、クラスのみんなにボクに近づくな!って怒鳴っちゃってさ、もうみんなレヴィちゃんに近寄らなくなっちゃったよ!」




という事らしい。




人間嫌いとは言っていたが、想像を遥に超えていた




「ふんっ、ボクは別にクラスメイトと仲良くなるつもりはないし、気にもしてないよ」




「レヴィが人間嫌いなのは昔から知ってるけどさ、仲良くやっていこうよ、ね?私も付いて行くから仲良くなってもらおっ」




「お姉様がそこまでしなくてもいいです…ボクはボクなりにやっていくから…」





そう言って屋上から出ていくレヴィ





「レヴィ待って!」




それを追いかけようとするリリス




その声はレヴィには届かなかった。





「やめとけリリス……今は一人にしておいてやろう。人間が嫌いなのに俺を殺すためだけにわざわざここまで来たんだ。自分でなんとかするさ」





今のレヴィには一人にさせてる方がいい気がして、少しだけ様子を見ることにした。




「遥、レヴィの事頼んだぞ」





「うん!任せてよ兄さん!」











ーーーーー





昼休みが終わり、俺とリリスは教室に戻る。




「魔王様、少し聞いてみたい事があるのですが、よろしいでしょうか?」





「ん?どうした?」





「………えっと…ま、魔王様は今…恋をしているお方はいるのでしょうか……その、未来の魔王様の妻になられるような…」





「な、ななな、何言ってんだよ!リリス!そ、そんなのいるわけ……」





「で、ですよね!すみませんすみません…私なんて事を聞いてしまったのでしょう…」





お互いに顔を赤らめ顔を逸らしてしまう




リリスの奴急に変な事を聞き出すから対応しきれないな…





「……けどさ、好きな子はいる」





いるのはいる。当たり前だろう。なんせ高校二年生なのだから!恋をする時期だし、うん。






「魔王様、教えて頂けますか?」




「教えてどうする気なんだ?」





「私がそのお方と魔王様の間を取ります!」




「大丈夫だって、そんな事しなくても…好きなだけだから…付き合えるだなんて思ってないし」




「魔王様!私は魔王様のお役に立ちたいのです!どうか、お願いします」





頭を下げるリリス。そこまで言われたら黙り込む訳にはいかないよな




しぶしぶだが教えることにした。





「お、同じクラスの姫咲(ひめさき)菜月(なつき)って女の子…。なんだけど…」





「菜月さんですか!?」




何故か驚くリリス




「どうした?そんなに驚いて」





「あの、私…クラスに入ってから一番最初に声を掛けてくれた人が菜月さんでした。とても優しい方で友達になりました」




「まじで!?ほんとか?リリス!」




信じられない。あの姫咲さんとリリスが友達になったなんて




姫咲さんは小学生の頃から一緒で、その時から俺は一人で勝手に恋をしていた。





そんな姫咲さんともしかしたら仲良くなれるのだろうかと考えてると顔がにやけてしまう








教室に戻り、授業の準備を始める。




ふと横目でリリスを見ると、既にリリスは姫咲さんと喋っていた。




仕事が早い。





その時一瞬だけど姫咲さんと目が合い




ニッコリと笑ってくれた気がした






何を話しているのだろうか…





気になる。しかし、タイミング悪く授業が始まってしまう。リリスも自分の席に戻ってしまった







ーーー放課後






長かった一日が終わった。




一番に駆け寄ってくるリリス




「魔王様!お疲れ様です!」




「おう、リリスもお疲れ!それじゃあ帰ろっか」





「ま、魔王様……その、帰るのですが…菜月さんも一緒でいいでしょうか?」




「ふぁっ!?ほんとに言ってるのか!?」




「リリスちゃんは本気だよ、氷上くん。私も一緒じゃ邪魔……かな?」




「いやいやいや、そんな事ないよ……うん」




「よかったぁ。ありがとうね」





初めて喋った。あの姫咲さんと今初めて喋ったぞ!





心臓の音が高鳴る。これ姫咲さんに聞こえてるのでは?





途中で遥とレヴィを拾い、五人で帰ることにした。







「ねぇ、お姉様。なんで人間が一緒にいるわけ?」





「え?私の友達だからだよ?」




「よろしくね!レヴィちゃん!」




「気安く呼ばないで……気持ち悪い…」




「レヴィ!一応先輩だぞ!言い方気をつけろよ」




「うるさいなぁ…」




「あはは……もしかして私嫌われてる?ごめんね…」




姫咲さんは少し落ち込んでしまった。





「ごめんね!菜月さん!レヴィが失礼な事…」




「いいよリリスちゃん。私は気にしてないから」






「………ところで、私気になった事が幾つかあるんだけど…いいかな?聞いても」




「気になった事?」




リリスに質問する姫咲さん




「リリスちゃんが氷上くんに言ってる"魔王様"ってどういう意味なの?それとレヴィちゃんの言ってる人間がいるって言葉も少し気になっちゃって…」











………





ーーーーバレてるぅぅぅ!!!!






え?姫咲さん感鋭くないか?なんなのあの人!




驚きの質問で硬直する俺とリリス





「いや、…その、あれだよ……こ、こいつら中二病なんだよ……」




「そうなんだ…なんか可愛いね!いいなー、私も氷上くんの親戚になりたいなー……なんちゃって、えへへ」





照れ隠しか、笑って誤魔化す姫咲さん





「な、菜月さん!この話は終わりましょ!えっとね、休み時間に話してた事なんだけど」




リリスがなんとか話題を変えてくれた。流石だ。





「あー、うん。あれだよね?夏休みにみんなで海に行こうって話だよね?」








今なんと?





海?



姫咲さんと!?




「うん、それ!魔王様、どうですか?行きませんか?」





「行こう。絶対行こう!」




即答した。光の早さで即答した。





「………ふざけるな」





その時だった。怒ったような声がした。




「海は綺麗で大事な所なんだ……お前ら人間が汚すから…ボクは人間が大嫌いなんだよ!遊びで海に来るな!バカッ!」




そのまま走って何処かに言ってしまった。





そうだった。レヴィは海の悪魔レヴィアタンだったな。海を荒らす人間がいるから、だから人間が嫌いなんだ。




そうとも知らずに……



後で謝っておこう。






姫咲さんと別れ、家に戻る。




レヴィは遥の部屋に引きこもっていた。



レヴィを慰めに部屋に入る遥






レヴィには悪いけど、姫咲さんと海に行けるチャンスだから行かせてもらおう











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