2人目の眷属
「サキ……嘘だろ!? まだ一週間もあるんじゃないのか! 」
「ま、魔王様……これはもうサキではありませんっ!! ただの怪物、はぐれ悪魔です!!
」
リリスの目付きは鋭くなり、戦闘態勢に入る。
それとほぼ同時に部屋に入ってきたレヴィ、遥、姫咲さんの三人。
「お姉様……? 朝から何事? 」
「レヴィ……大変な事が起きた サキが化け物に……今すぐ魔王様達を連れて遠くに逃げて! 」
リリスのその言葉に目が覚めるレヴィ
「なんで!? サキはまだ時間によゆがあったはずじゃないの!? 」
リリス曰く、ルシフェルの事を想いすぎて、理性が外れたらしい
「に が さ な い !! 全員殺してルシフェル様の元に帰るんだぁぁぁっ!!! 」
サキ……改め化け物は、リリスに向かって飛び掛る。
それを間一髪の所で体を捻らせて避け、そのままお腹に向けて重い一撃を放った。
「なぁ…今 あいつルシフェル様っていったよな……もしかして理性はあるんじゃないか!? 」
「魔王様!! 早くお逃げくださいっ!!! あいつはもうサキではありません!! 」
「待ってくれ……リリス、レヴィ……俺に話をさせてくれ」
リリスの言葉を無視して、化け物に近づく。 その間にレヴィは遥と姫咲さんを連れて家から出ていった。
「コロス……まずはお前からだ!!」
化け物の鋭く尖った爪が優理斗の腹を簡単に貫いた。
「魔王様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!! 」
「……どうしたサキ? それでおしまいか……ぐふっ! 俺を殺すんじゃなかったのか? 」
「黙れ! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れっ!!!あたしは戻るんだっ!! ルシフェル様の元に!! 」
「ほらな、やっぱり……まだ理性があるじゃねぇーか……サキ!! 」
化け物と化したサキにはほんの微かに理性が保たれていた
「なぁサキ……お前はどうしてもルシフェルじゃねぇーとダメなんだろ? 俺じゃダメなんだろ? 」
どうしても先を助けたい……。 今のあいつら悪魔達は何でも魔王様魔王様…自分の事なんてどうでもいいと言う……そんなのら絶対にダメだ!
「じゃあさ…… 」
"俺がお前のルシフェル様になってやんよ"
その言葉にサキは反応した。
「 あたしの……ルシフェル様……そうだ……あたしはまだやるべき事が」
醜く姿を変えたサキの体は、だんだんと可愛らしい元の姿に戻っていった
疲れ果てたサキを、そっと抱きしめて、そのまま自分のベッドに寝かせた。
「お姉様!! ボクも参戦するよっ!! ……って、あれ? 」
「レヴィ……魔王様が、サキを元に戻してくれた……もう、大丈夫みたい」
「へへっ……腹痛てぇ……あいつ、本気で殺しに来るんだもんな……参ったぜ」
全て一通り、終わった。
ーーーーはず。 なのに、リリスの顔は未だに怒りが満ちていた
「あの……リリス? なんでまだ、怒ってんの? 」
「……魔王様っ!! 魔王様は私の魔王様ですっ!! サキに優しく……しないでください……」
「お姉様? もしかして妬いてるの?? 」
「ちがっ……!? レヴィ、怒るよ!! 」
その顔は恥ずかしさで赤く紅潮していた。